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〈関東大学リーグ戦2部=11月12日 専大G 専大20-18山梨学院大〉
▲ラストプレーでトライを奪い、逆転勝ちを収めた専大。
首位の専大は、山梨学院大に劇的な逆転勝利を挙げた。前半はHO吉田温広(経営2・國學院栃木)とNO8野村和幸(文4・府中西)のトライなどで専大優位に進んだが、後半に入り相手に流れを掴まれ15-15と追いつかれる。後半39分にPGで勝ち越されたが、ラストプレーで途中出場の森武龍成(経済2・長崎北)がトライを奪い、逆転勝ちを果たした。専大はこれで6戦6勝とし、入替戦進出を決めた。
執念の勝利だった。残り1分で3点を勝ち越され迎えたラストワンプレー。敵陣の深い位置でペナルティを得た専大は、ショットではなくタッチを選択する。覚悟を決めて勝利を掴みに行った。そしてラインアウトからじわじわとゴールラインに迫る。最後は途中出場の森武が「ゴール前は行かないといけない」と執念で山梨学院大の分厚い壁を砕き、トライを奪った。手に汗握る大接戦の軍配は専大に上がった。
▲森武のトライ。執念でねじ込んだ。
この日は終始FW陣の活躍が光った。先制トライは前半15分に専大得意のモールから生まれ、35分の2本目のトライもFWが力強く押し込んで奪った。LO渡邉朝陽(経済4・日川)は「モールは相手がやってくることがわかっていたので、その対策をしっかり練って自分たちのモールで取り切れた」とうなずく。守備も「ディフェンス重視で、みんなで走った」と自陣の22mライン内への侵入すら許さず、前半は12-0と無失点で終えた。
▲吉田の先制トライ。対策を練ったモールで決めた。
▲野村のトライ。ここもFWの力強さが光った。
後半は山梨学院大の外国人選手の圧力に呑まれ、連続トライを許し12-12の同点とされる。追いつかれてもなお守りの時間が続いたが、FWの粘りと意地で何度もしのいだ。「FWが前に出て耐えたら、あとはBKが取ってくれると思っていたので、前に出て止めよう」とFL山本凌士副将(経営4・報徳学園)が話すように、最後まで前に出続け相手の攻撃を押し返した。「いつもはBKに頼っているので、今日はFWで絶対やってやろう」(山本)。FWが奮起し、勝利を呼び込んだ。
▲後半7分の失点シーン。この失点で相手に流れが傾いた。
▲FL山本副将。強烈なタックルを何度も見せた。
途中出場組も素晴らしい活躍を見せた。相手に押し込まれる時間からの出場となったが、「取られたら終わりだと思ったので、ディフェンスしかない」(森武)と、強い気持ちで挑んだ。「前で出ていた選手がいいスクラムを組んでいたので、自分がもし悪いスクラムを組んだらやられる。自分の仕事をやるだけ」と話す森武。途中出場の選手が上手く試合に入れたことも、大逆転勝利につながった。
石倉俊二監督は「前半は選手たちに高い点数をあげたい」と称賛する。守備で力強さを発揮した一方で、チャンスを逃すシーンも目立った。しかし指揮官は「体を当ててあれだけ前に出て『あ、俺たちできる!』ってなって、気が焦っていた。『取らなきゃ』というのが先に出てしまった。そこは気にしていない」と、選手の姿勢を称えた。最後の逆転トライも「最後タッチ狙って、よく選択したなと。勝ちにこだわって、結果いい風に出た。勝つことが大事なので、よかったです」と選手を称えた。「まずは入替戦決まったので、我々としてはモチベーションも上がりますし、色んなことを今度関東学院の時に試せるので、しっかりチャレンジしたい」。3年ぶりの1部昇格へ、力を込めた。
文=野見山拓樹(文4)
写真=小田島美玖(文3)