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〈全日本学生フェンシング選手権大会=11月8日~12日、沼津市総合体育館〉
11月9日、フェンシングのインカレ2日目が行われた。この日は女子エペ・男子サーブルの個人戦と男子エペ・女子サーブルの個人戦予選プールが行われ、女子エペの吉田ひなた(人間科学2・気仙沼)が3位に輝いた。また、同じく女子エペに出場していた宮田咲希(人間科学1・北陸)と男子サーブルの北川裕貴(商4・東亜学園)がベスト16に入るなど健闘した。
▲得点を決めガッツポーズをする吉田
太ももとつま先の2か所にけがを負いながら出場した吉田。なかなか思うような練習が出来ず「不安な状態で臨んでいた」と振り返るも、そのような素振りは全く見せず、相手の隙を積極的に狙う吉田ならではの攻め方で相手を大きく突き放し、順調に勝ち進んだ。しかし、準決勝で立ちはだかったのが寺山珠樹選手(日大)。今年4月の日本学生フェンシング・カップの準決勝や去年行われた全日本フェンシング選手権大会で負け続けている因縁の相手と再び対戦することとなった。先制点を挙げ、序盤は順調に得点を重ねた吉田だったが、寺山選手が徐々に追い上げを見せ、あっという間に同点に。そこから勝ち越すことが出来ず、後半は相手に押され突き放される展開となり9対15で敗戦。再び決勝への道を寺山選手に閉ざされる結果となった。
▲敗戦した直後の吉田
昨年のインカレではベスト8止まり。今回1つ多く勝つことが出来たものの、またもや同じ相手に敗戦した吉田は 「ステップが細かくて隙がなかなか無い」と相手の強さを分析した。そして「なんとか自分が動いて隙を作ろうと思っていたのに、逆にその動きで自分が隙を作ってしまった。相手の隙を作るフットワークを頑張りたい」と意気込んだ。
その一方で、全体を通して足元を狙った攻撃が功を奏した。「結構“上下の見せ”がポイントで。足に(剣が)行くと相手は足を意識して上半身の意識が薄れるので、自分の得意な小手(手首から先の部分)あたりを狙ったり、また足突きも得意なので逆に小手に見せて足に行ったり」という、体の上下を広く相手に意識させる戦法について明かした。
11日に団体戦を控えているものの、優勝した10月の関東インカレの時とは異なりエースの齋藤華南(経済3・秋田商)が海外遠征のため不在となっている女子エペチーム。吉田も齋藤の不在は関東インカレとの大きな違いだと話す。「5月の団体リーグ戦でも先輩はいらっしゃらなかったので、その時よりもいい試合が出来るように」と、4位に沈んだ関東学生リーグ戦からの再起を誓った。
▲団体戦での吉田の活躍にも期待だ
一方、初めてのインカレ個人戦をベスト16で終えた宮田は、最後の相手である高山桐選手(法大)について「自分と似たような選手だった」と振り返った。「戦略も同じ、相手が出てきたら残すというもので。でも自分がまだまだ駆け引きが下手で、(相手の)剣に惑わされてしまったり、自分が前傾姿勢の時に突かれたりして、最後(点が)欲しかった時に取れなくて。ここが負けた原因だと思う」と反省点を述べた。前に飛び出す攻撃であるフレッシュや、切り返しの技を得意としている宮田。次戦の東京都シニア選手権大会に向けて、「今日の反省を活かして、自分の得意な技を磨いて、ベスト8を狙いたい」と話した。
▲試合終了後の宮田(右)
宮田と同じくベスト16で今大会を終えた北川は、これが学生生活最後の個人戦となった。「自分の中でも過去最高の成績で、気持ちよく終われた」と晴れやかな表情で語った。「今日はいつもよりたくさん応援に来てくれた人がいて。その声援で少し冷静になって予選に臨めた」と語るも、「途中でちょっと焦ってしまった。そこで自爆してしまうことが多かったので、そこが改善点」と冷静に振り返った。4年生として、後輩の手本になれるようにと上を目指してきた今大会。団体戦については、「初戦の朝日大学との試合に勝てば、12月の全日本選手権の出場資格を得られるので、勝ち取りたい」と意気込む。一日でも長く選手生活を続けるべく、団体戦への闘志を燃やしている。
▲力強く踏み出す北川
女子エペも男子サーブルも、団体戦は11日に行われる。個人個人がしのぎを削った個人戦とは違い、チームとしての力をどれだけ見せられるのかに期待だ。
文=山口由結(文3)
写真=相川直輝(文4)