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〈関東大学リーグ戦2部=10月29日 専大G 専大53-28中大〉
▲後半30分にトライを決めた平野雄紀(背番号23)
専大が中大に大勝。今季5戦5勝とし、単独首位に浮上した。序盤はやや苦しい展開が続いたが、CTB川瀬翔太(経済3・秋田工)とSH宮坂航生(経営4・中部大春日丘)のトライなどで前半のうちに逆転に成功する。後半は5トライを奪う猛攻で中大を圧倒。終わってみれば7トライを含む53得点で、2019年以来4年ぶりに中大から白星を挙げた。
まさに完勝だった。序盤は受けに回ったところで先制トライを許したが、前半のうちに修正。3-7で迎えた前半33分に川瀬のトライで逆転すると、38分には宮坂の独走トライでリードを広げた。「最初はスクラムが合わなかったりしたが、自分たちで修正できていた。ディフェンスからしっかり前に出ることができた」(石倉俊二監督)と、そこからは専大が完全に流れを掴んだ。
▲先制トライを奪われたシーン。序盤は中大ペースだった。
▲川瀬の逆転トライ。味方からボールをもらうと、一気に加速しインゴールへ運んだ。
▲前半終了間際の宮坂のトライ。相手の隙を突き、クイックスローから独走トライを奪った。
後半3分に再び宮坂、5分にFB新野翼(経済3・石見智翠館)、15分にはWTB赤沼圭(経済4・東海大相模)がトライを奪い、3連続トライで一気に勝負を決めた。宮坂は「この試合に懸けている気持ちがみんな強かった。特にシステムを変えたとかではないので、みんなの気持ちがこの試合に勝った要因」と振り返る。その後も途中出場の平野雄紀(経済3・長崎南山)とLO藤丸優也(経営4・専大松戸)にもトライが生まれ、計7トライを奪い大勝した。
▲ルーズボールを拾って一気にトライに持ち込んだ宮坂。前半の勢いを止めなかった。
▲後半15分、永井の力強いランから最後は赤沼が飛び込んだ。
▲平野のトライ。22mライン手前から相手をなぎ倒し続け、1人でトライまで持って行った。
この日はディフェンス陣が力強く前に出て、ボールを奪うシーンが何度も見られた。特に初のスタメン起用だったSO永井大成(経営1・東福岡)は何度もジャッカルに成功。攻撃でも力強いランを見せ、チームに勢いをもたらした。永井に代わって途中出場した髙居海靖(経済4・御所実)は「前半でいい流れが作れていたので、(途中出場だったが)やりやすかったです」と話し、1年生の活躍を絶賛した。
▲1年生の永井はグラバーキックで何度も相手を脅かした。
▲永井は2~3度ジャッカルに成功し、MOM級の活躍を見せた。
新野翼もFBとして最高の仕事を果たした。武器の俊足を生かし1Tをマークすると、キックでも6本中5本を成功させた。ディフェンスでもサイドに抜け出した相手を何度も止め、完全に制圧した。新野は「内側は信頼できる先輩がいたので、思い切って行けた。内側の圧力があっての僕のディフェンスだったので、助けられました」と仲間の奮闘を称えつつ、笑顔で振り返った。
▲守備ではサイドを完全に封鎖し、攻撃ではキックとランで強い存在感を放った新野。
2019-20シーズン以降では初めて公式戦で中大を破り、5連勝とした専大。石倉監督は「メンバー以外も含めてチーム全員が熱くなれた」とチームの雰囲気の良さを強調する。3年ぶりの1部昇格に向け、視界は良好だ。
文・写真=野見山拓樹(文4)