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2023.10.29
スピードスケート

【スピードスケート部】野々村が1000、1500mでW杯へ 林はJr1500m優勝

<第30回全日本スピードスケート距離別選手権=10月20~22日 長野県長野市エムウェーブ>


 10月20日から3日間かけて行われた全日本スピードスケート距離別選手権において、野々村太陽(経営4・白樺学園)が1000m、1500mでそれぞれ5位、4位に入り今季のワールドカップ出場権を手にした。同じく笠原光太朗(経営2・帯広三条)はマススタート、チームパシュートで出場権を獲得。ジュニア部門に出場した林拓磨(経営1・白樺学園)は1500mで優勝を果たし、ジュニアワールドカップ第1・2戦への出場が決まった。

▲1500mを滑る野々村


 「新しい滑りの感覚を求めてやってきてまだ手ごたえを感じていないことから自信はなかった。むしろワールドカップにいけないのではないかと不安でいっぱいでした」。専大で最注目の野々村はレース前に大きな不安を抱えていた。9月末に体調を崩したこともあり本調子とは言えない状態で、競技1日目の500mでは15位。「調子が悪いことがわかった」とこの時点で、1000、1500mの目標をW杯出場に切り替えた。競技2日目の1500mでは前半から貯金を作る滑りで4位。続く3日目の1000mでも5位に入り、両種目5名までに与えられるW杯出場権をもぎ取った。野々村は「今回の距離別で感じたことは勝たなければ楽しくないですし、評価されない。過程も大事ではありますが、やはり結果が全てです」とコメント。W杯に向けては、「目標である表彰台に上ること。自国開催もある(第1戦・帯広)ので盛り上げられるように頑張りたいです」と意気込んだ。

▲500mでは大きく出遅れた野々村。しかし、1000と1500mで結果を残し、近藤太郎監督は「調子が悪くても最低限の仕事をしてワールドカップ出場権を自分でしっかり獲得するというところはぶれないのでさすがだなと思います」と称えた

▲野々村とともに強化選手としてナショナルチームで活動している笠原もW杯出場権を獲得。しかし、「納得することはできていないので、一戦一戦を大切に、少しでも良いタイムを残したい」とこれからの飛躍を誓った



 期待の新星も頭角を現した。ジュニア1500mに出場した林は1分51秒39の自己ベストをマークし、優勝。ジュニアワールドカップ第1・2戦の出場権を獲得した。課題だったという300mまでの加速と2週目のラップタイムの落ち幅を縮め、「自分が考えていた課題を少しずつクリアしていったので悪くないレースだったと思います」とレースを振り返った。林の出身校は4年の野々村と同じ白樺学園高校。「同じ高校出身の先輩方がいて、強い方々なので一緒にやりたい」という思いから専大に進学した。先輩の姿を追いかけるため、世界で戦う林のシーズンが始まった。

▲「確実に取れるという自信はなかったですけど、少しずつ上り調子ではあったので」と狙っていた「1位」を手にした

▲ジュニア選手ではあるものの、シニア種目に出場した期待の新星・軍司一冴も林と同じくジュニアワールドカップの出場権を手にした。昨シーズンはジュニアW杯で優勝も飾っている


▲長距離種目を得意とする菊池健太(経営3・白樺学園)。5000mでは9位に終わり「思ったタイムが出なかったのは正直に悔しい」とコメント。翌日の10000mでは4位に入るもW杯出場には一歩届かなかった



(森重航 500mで3位表彰台 W杯出場へ)

森重航(令5卒・現オカモトグループ)が世界への舞台を手中に収めた。競技1日目に行われた男子500mで、34秒79をマークし3位表彰台を獲得した。森重は夏から股関節の状態が悪く、スタートに不安を感じていたが「その中で(スタート100mが)9秒7という通過は今日のレースの中では満足した」とコメント。ワールドカップ第1戦の開催地は所属チームの本社がある帯広。「たくさん応援が来ていただけると思うので、そういう方々に勇気を与えられるようなレースをできたらなと思います」と来月迎える大舞台へ標準を合わせる。

 また、土屋良輔(平29卒・現メモリード)も5000mで2位、10000mで1位を獲得し、W杯出場権を手にした。

▲レース後、手をたたく森重。OBの活躍にも期待だ


文・写真=相川直輝(文4)