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〈第89回全日本大学総合卓球選手権大会・個人の部 10月26日〜28日 =いしかわ総合スポーツセンター〉
最終日を迎えた個人戦のインカレはシングルスの5回戦以降が行われた。女子シングルスで出澤杏佳(文3・大成女子)が決勝戦で筑波大の青井選手を4-2で下し、見事に優勝。入学してから初の日本一に輝いた。
▲優勝を果たし、笑顔の出澤
優勝が決まった歓喜の瞬間ー。エース出澤はガッツポーズや雄叫びをあげることはなかった。口元を抑え、目には溢れる涙。込み上げるものがあった。「すごいみんな応援してくださったり協力してくださるのに、いつも2位とか3位とかで優勝しきれなかったので、本当に良かったっていうのと、感謝の気持ちが溢れた」。サポートの期待に応えたいという強い想いが心の内に秘められていた。
▲優勝の瞬間。ガッツポーズではなく、涙が溢れた
▲加藤監督(左)など、これまで支えになった人たちへの感謝の気持ちが込み上げた
人一倍強い思い入れで臨んだ今大会。昨大会は同じく決勝に進むも、セットカウント3-0からまさかの4連続でセットを奪い返される形で敗戦。「それから1年間、ほとんど毎日それ(敗戦の記憶)が蘇ってきて苦しかった…」。日々味わう辛さからようやく解放され、 昨年を今ではこう振り返る。「優勝と準優勝じゃ今後全く違うと思った。『また自分の人生を変えられなかったな、大事な大会で負けてしまったな』と後悔が強かった」。
▲決勝では1年生の青井選手(手前)と対戦。前回戦った際は2ー0から逆転負けを喫していた。1年間、この決勝で勝つためにやってきた。
そこから1年間、「できることを考えて、全部実行しよう」とやってきた。具体的には、「準備を徹底する」考えだ。「やれることは全てやる。 試合の時は『自分のできること全てやってでも、負けたのだったら仕方ない』という考え方を持つようになった」と心の持ち方で成長してきた。
▲準備の徹底さを大切にする考え方を取り入れ、戦ってきた
強い覚悟で自らと闘ってきたエースは入学3年目でようやく頂点の座を手に入れた。それでも、「優勝したけど、挑戦者の気持ちで。どの大会にも向かっていけるように頑張る」と驕らない。どの試合にも完璧な状態で臨んでいくために、1日ずつ鍛錬を積み重ねていく。
文・写真=河上 明来海(文3)