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<全日本学生柔道優勝大会体重別団体戦 1週間前=10月13日 総合体育館地下1階柔道場>
1年間の大詰め大会に向けて、専大柔道部は順調に調整を進めている。直前に迫った決戦へ指揮官と主将が意気込みを語った。
【藤田純監督】
「仕上がってきてる。本当に自信あるよ」。指揮官の言葉は自信に満ち溢れていた。 去年も力があるチームだったというが、帝京平成大に敗れ、1回戦で涙。「ぐーっと出てきたチームなんだけど。負けたくなかったんだよな。(負けたのは)全部俺の責任なんだけど。やっぱり去年の悔しさ(は残っている)」とチームは1年間、闘志を燃やし続けてきた。
今年の5月に行われた全日本学生柔道優勝大会では、16強に進出。ベスト8決めでは強敵の日大に敗れるものの、あと1歩のところまで詰め寄り、手応えを掴んでいた。
▲ミーティング時の藤田監督
選手たちにはこんな言葉をかけた。「うちのチームに必要じゃない選手なんか誰もいない。皆が大事」。「やっぱりさ、うちのチームって試合に出ている選手だけじゃなくて補欠に回る選手もそう。あとはメンバーに選ばれてない選手もいるじゃん。だから、みんなが1つにならないと、戦えない。誰か1人スーパースターに頼るなんていうのじゃなくて、みんなが頑張ること。”全員柔道”って言うかな」と団体戦だからこそ必須になる団結力を強く訴え掛けた。
チームのモットーとして「しぶとく粘る、諦めない」を掲げる専大。「しぶとさが少し今年のチームは出てきた。本当に素晴らしいチーム」と目を細める。
▲ミーティング時の専大柔道部
目標はベスト8に食い込むためには、桐蔭横浜と近大の勝者に勝たなければならない。「両方とも(関東・関西)のブロック2番。勝てない相手では絶対ないし、しぶとくやれば勝機はある。5月の無差別より、体重別の方が自信ある」と話す。キーになる選手は「佐藤(優磨、経営4・広陵)、織茂(峻伍、経営4・木更津総合)、鎌倉(啓太郎、経営1・習志野)」と名前を挙げた。
▲主将の織茂
▲頼りがいのある最上級生、佐藤
▲ルーキーでキーマンの鎌倉
「どうしても今年はこのチームでベスト8以上にいきたい」。育て上げてきた選手たちを信じ、部に歴史の1ページを刻むべく指揮官は大会に臨む。
【主将・織茂峻伍】
一段と活気に満ちた柔道場。熱のこもった畳の上には、一際、力の入った選手がいた。主将の織茂だ。最後のインカレを目前にした今、彼の放つ威厳と熱量は大会に向けた想いを、既に物語っていた。
追い込み稽古の終え、快くインタビューに応じてくれた。練習直後とは思えないほど清々しい表情で。
1週間に迫った大舞台、「チームのキャプテンとして、1年間ついてきてくれた仲間たちを結果という形で恩返ししたいという気持ち」。「選ばれた14人のメンバーは、責任を持って1週間追い込んで試合に向かっていきたい」。真っ先に口にしたのは“キャプテン”としての使命感。仲間想いの大将の意志は紛れもなく堅い。
▲学生生活最後の集大成、プレーで引っ張る
「今年の1年生は主体性のある子がいっぱい入ってきた」。「キャプテンとして僕自身が底上げしたと言うよりかは、やる気のある子たちが入ってきてくれた。」と意欲ある下級生たちに感心し、目を光らせた。同時に、その熱意に応えたい気持ちを馳せているようだった。
キャプテンという役目だけでなく、大学生活ラストの大会。「プレッシャーは特になく、むしろ責任感と覚悟に変わった」と背負っていた重荷は、とうに消えていた。それもそのはず「東京学生の個人戦の時に、焦って怪我をしてしまった」。「失敗がないように仕上げていきたい」。先月3日、最後の個人戦を反省したうえでのひと言だ。少なからず、彼の内心は強くなった。
▲東京学生柔道体重別選手権大会、試合後の藤田監督と織茂の様子
集大成で描く大会像も具体的に掲げていた。「大きな目標は尼崎でベスト8に入ること」。チーム結成時からの目標だそう。「準々決勝も勝ち切って、3位を目指していきたいと思う」。ひたすら自信に満ちている。その言葉に迷いはない。
締めには、今大会の意気込みを改めて誓ってみせた。「拍車をかけるためにも勝ち切りたいと思います」。後輩へとバトンを繋ぐため、果たすべき目標を掴みにかかる。
文=河上明来海(文3)、小山明香(文2)
写真=河上明来海