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〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=10月16日 大田 専大11-3大正大〉
専大が今シーズン最多の14安打11得点と打線が爆発し、先勝した。秋季リーグは最終節に入り、今季2部に昇格してきた大正大と対戦。6回まで点を取っては取られる展開となり決め手を欠いていたが、7回に小林寛弥主将(経営4・坂井)の勝ち越しの適時打を皮切りに一挙5点を奪うビッグイニングを作ると、最終回にも松永知大(経済2・創成館)の適時打などで3点を追加。打線がようやく繋がり、大勝した。
4回、外山が勝ち越しのソロを放つ。この日は4安打3打点の大暴れだった
「好機でのあと一本が出ない」。今季の打線を象徴する部分がようやく試合の後半で打開された。
3―3と同点の7回、相手の失策や野選、安打で無死満塁とすると、打席には小林。「なんか打てる気がしていました」と低めのスライダーに食らいつくと打球は中前に抜け、勝ち越しの一打に。続く小柴洸樹(経営3・佼成学園)が右犠飛を放ち2点リード。
▲主将・小林の勝ち越しの適時打
続く外山は「(HRが)1本出て気持ちが楽になっていた」と打席へ。スライダーを打ち上げ、当たりは良くなかったものの遊撃手と中堅手の間に落ちる適時打とし、リードを広げた。外山はこの日、HRを含む4安打3打点と大当たりし、今季最多得点を挙げたチームを引っ張った。「正直ここまで打てると思ってなかった」と自身も驚きを隠せなかったが、打率は4割に乗り首位打者獲得の希望が見えた。「自分たちは残り2試合しかないので、2回勝って終わりたい」。頼れる主砲のバットが有終の美へ導く。
▲打率も一気に4割台に突入。首位打者獲得の光が見えた
なおも続く好機に6番に入った松永が中堅手の頭上を大きく超える適時二塁打。貯まった走者をきっちり返し、打者9人の猛攻で一気に突き放した。
▲松永は走者2人をきっちり返し、自身も3塁へ
さらに最終回にも得たチャンスを活かす。1死から外山が右安で出ると代打・工藤翔斗(経営1・大阪桐蔭)も続き2,3塁に。ここで再び松永が鋭い打球で前打席に続いて中越え適時三塁打を放ち、2点を追加。3安打4打点の大活躍をみせ、「やっと打撃の感覚が戻ってきた」と安堵の表情を浮かべた。
▲松永のこの日放った打球は全てセンター方向。「センターに強い打球がいくのは状態が良い証」と振り返った
終わってみれば今季最多の14安打、11得点を上げ大勝。主将は「やっと気持ちよく勝てた。楽に勝てたなと(思う)」と大量リードの展開を笑顔で振り返り、齋藤正直監督も「消化不良の感じの攻めが今年の(チームを)象徴していたような感じはあるんですけど終盤、少し頑張ってくれたのでよかった」と打者陣をねぎらった。
シーズン終盤にして今季最多得点をマークした専大打線。残り2試合を勝ち切るためには各打者たちからの快音が欠かせない。
▽3番手で登板し2イニングを完璧に抑えた石井夢沙士(経済2・秋田)。
「自分が投げる前に5点取ってくれたのでだいぶ楽な気持ちで投げられました。監督さんにも真ん中で良いぞと言われたのでテンポだけを意識して投げました。
(西舘さんは)すごく後輩思いの人。投手陣全員に技術だったりトレーニングを教えてくれて、すごく参考になるので、いなくなるとなると寂しいですね
2連勝して4年生に良い形で引退してもらうっていうのが1番なので自分の良さであるテンポを意識して投げていきたです」。
▲石井夢沙士
▽6回、一時勝ち越しとなる適時打を放った宮崎優斗(経営3・佐賀商)
「あれはもう前の2打席で全くダメだったのでなんとかしてやろうと思って(打席へ)。ツーストライクまでは遅いチェンジアップとか変化球を張ってたんですけど、まっすぐ2球来て追い込まれてしまって。それでどっち(真っ直ぐも変化球)も対応していこうと思いました。
(今秋からスタメンに定着する機会が多い)中尾さん(中尾拓士、経営4・大分)に教えてもらってから、打てるようになりました。
先輩とできるのもあと2試合なので、出られればしっかりチームに貢献できる一打とか、守備で良いプレーをして頑張りたいです」。
▲宮崎優斗
▽4回2失点で降板したエース・西舘昂汰(経済4・筑陽学園)
「疲労の取り方がわからなくて。前回の拓大戦後にピッチングをしていても(疲労が)蓄積しているなって感じがあって、球が乗ってこなかった。それで今日は不安な気持ちで臨んでしまったのかなって思います。
『今日が最後になるかもしれない』とイニング間に監督に言われた。降板後に1年間を振り返ってみたら本当にすごい投げたな、経験させてもらったなっていうのがあって。やっぱりチームが勝てていないのは僕の責任もあったし、この1年間は勉強することが多くて、投げさせてもらえたのは本当に良かったかなって思います。
(ドラフトまであと10日)僕の体力はもうスカウトの方たちにも評価してもらえていると思います」。
▲西舘昂汰
文=河上明来海(文3)
写真=高橋尚之(経営4)、河上