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JR東日本カップ2023 第97回関東大学サッカーリーグ戦3部
第17節 VS 國學院大學体育連合会蹴球部
10月15日(日) 14:00Kickoff
@生田北グラウンド(川崎市多摩区)
専大 5–4 國學大
得点者 専大 村上×2、松永×2、松本
國學大 桶作×2、岡田、久保
〈試合前情報〉
専大は前節、東京農業大学と対戦。松本の先制点を守り抜き、1-0で勝利を挙げた。
直近のリーグ戦からのスタメン変更は1名。山本が外れ、松本が入る。
以下、スターティングメンバー(4-4-2)
GK 1 大野 来生 (法4・成立学園)
DF 4 根本 健汰 (ネット情報4・鹿島学園) 前半22分 OUT
DF 15 松村 厳 (法3・松商学園)
DF 19 平川 佳樹 (法1・流通経済大柏)
DF 5 樋口 大輝 (法4・松商学園) 後半0分 OUT
MF 14 藤井 瑛斗 (商3・大津)
MF 8 浦川 流輝亜 (文4・青森山田)
MF 9 松本 皐誠 (商2・東海学園) 後半26分 OUT
MF 10 村上 千歩 (商4・東海学園)
FW 29 山下 晶大 (経営3・専大松戸) 後半0分 OUT
FW 7 松永 颯太 (経済4・清水桜が丘) 後半43分 OUT
途中出場
DF 2 一丸 大地 (法3・東海学園) 前半22分 IN
MF 11 山本 隼大 (経済3・名古屋) 後半0分 IN
DF 3 東海林 泰地 (法4・清水桜が丘) 後半0分 IN
FW 18 情野 依吹 (経営3・日大山形) 後半26分 IN
FW 25 柿沼 弘大 (ネット情報2・聖和学園) 後半42分 IN
〈戦評〉
昇格に向けて波に乗りたい専大だが、立ち上がりから中盤の激しい攻防で競り負けるシーンが目立つ。細かいミスが続くと、CKから2失点。さらに得点を許し、3点ビハインドで試合を折り返す。それでも、後半から選手とフォーメーションを変えると、これが功を奏す。立て続けにネットを揺らし、短時間で逆転に成功。終盤に追い付かれるも、最後はエースの村上が勝ち越しゴールを決めて劇的な勝利をつかんだ。専大はこの白星で3位に浮上。残り5試合、昇格に向けてラストスパートを掛ける。
〈試合展開〉
昇格に向けて連勝を達成したい専大は、立ち上がりから高い集中力を発揮してきた國學大に苦戦を強いられる。中盤の勝負で劣勢に回ると、シュートまで持ち込まれる回数が多くなる。前半12分、相手ゴールに迫るも、決めきれずにカウンター攻撃を受けると、ペナルティエリア左からシュートまで持ち込まれる。しかし、ここは大野がセーブし、失点は免れる。その2分後には國學大に右CKを与え、ニアサイドでフリーになっていた相手に頭で合わせられると、ゴール前で押し込まれて先制を許す。
前半20分には根本が負傷するアクシデントもあって思うように修正ができず、押し込まれる展開に。國學大にクリアボールを拾われて波状攻撃を仕掛けられると、ペナルティエリア手前から強烈なシュートを放たれる。このボールはDFに当たってコースが変わるが、大野が左手でスーパーセーブ。しかし、33分に与えた右CKからストレート系のボールを入れられると、中央で合わせられて失点を喫してしまう。さらにその3分後、セカンドボールを拾われると、ペナルティエリア右で滑り込みながら右足を振り抜かれて3点ビハインドに。細かいミスが続き、フラストレーションが溜まる形で試合を折り返す。
ハーフタイム明けには山本と東海林を投入し、右サイドバックの一丸を上げて変則的な3バックを形成。「普段やっている守備とは全く違うやり方」(東海林)で挑むがこれが功を奏す。後半5分に後方からボールをつなぎ、大野が前線にロングボールを蹴り込むと、相手と競った山本が頭で落とし、走り込んだ村上にボールが渡る。村上はペナルティエリア手前の中央から思いっきり右足を振り抜くと、GKの頭上を越して見事にゴールに吸い込まれる。
反撃の口火を切った専大はさらにその5分後、右サイドから素早くスローインを入れると、松本がボールを落として松永がペナルティエリア右に進入。カバーに入った相手DFに倒されてPKを獲得すると、松永が自らキッカーを務める。これをGKの逆を突いて冷静にゴール右隅に蹴り込んで1点差に迫る。なおも勢いが止まらない専大は、ロングボールを放り込み、ゴール前で混戦を作ると、こぼれ球を再び松永がゴール右隅に流し込んであっという間に同点とする。
▲2得点を挙げた松永
逆転したい専大は東海林の「守備は冷静に」という声掛けの通り、平川らが好守備を見せて攻撃につなげていく。すると、後半25分に一丸が右サイドの敵陣中央からファーサイドに高い軌道のクロスを送り、反応した山本がヘディングでゴール方向にボールを供給。村上が触れると、最後は松本が押し込んでネットを揺らし、3点差から逆転に成功する。
▲逆転ゴールを決めて喜ぶ選手たち
その後も攻撃の手は緩めずに時間の針を進めるが終盤、國學大にペナルティエリア右に進入を許すと、ニアサイドの上を撃ち抜かれて追い付かれてしまう。しかし、ここから専大が底力を見せる。カウンターを仕掛け、今季初出場の柿沼がボールを持ち運んで藤井に預ける。藤井はペナルティエリア手前の左から右足で柔らかい浮き球を斜め右に送ると、相手にクリアされるが、そのボールに反応したエースの村上がペナルティエリア右から右足を一閃。これがゴール左隅に突き刺さって5点目を奪う。「気持ちで押し込んだ」(村上)という後半48分のゴールで勝負あり。5-4の大逆転で乱打戦を制して連勝を達成。順位を1つ上げて3位に浮上した。
試合後、インタビュー
村上 千歩
試合を振り返って―
「課題が残るゲームだった。前半0-3で、自分たちで首を絞める試合だった中、後半逆転勝ちできたので次につながると思う」
得点を取るという強い気持ちを感じたが―
「チームの結果がついている中で、自分のゴールという結果がついてきてなかったので、正直苦しい時期が続いていた。ずっとスタメンで出られるわけではないし、スタメンで出るからにはチームの代表として結果にこだわってやろうとした中で、ゴールを決められて良かった」
1点目を振り返って―
「前半はシュートが全然なかったし、監督から『どんどん前向いたら振っていけ』と言われていた。後半始まってすぐだったので、振ってみようと思ったら入って良かった」
2点目を振り返って―
「ずっとこぼれ球でシュートは打っていたが、全然入らなかった。でも、あれだけ本数打ったら決めないといけないので、あとは気持ちで押し込めたのかなと思う」
次節への意気込み―
「あと5試合あるので、自分たちはまだ自動昇格は諦めていない。そこに向けてひとつになって、自分のゴールで勝たせられればと思う」
東海林 泰地
試合を振り返って―
「前半3失点するという形になって、チーム的に厳しい試合展開だったと思う。自分的には後半から入って流れを変える役割で入ったと思う。その役割を果たせて良かった」
リスクを冒しながら守備をする難しいタスクだったが―
「リスクを負わなければ、点を取れない状況だった。でも、数的同数で守れていたので、1対1に負けなければできる守備だった。1対1で勝つだけだった」
変則的な3バックだったが、守りやすさは―
「やっぱりリスクを冒しているので、普段やっている守備とは全く違うやり方でやりづらさはあった。前線の選手も追ってくれていたので、(相手に)自由に良い配給をさせていなかった。そのため、自分たちも守備をしやすかった」
攻撃で意識したことは―
「3点ビハインドで時間もなかったので、前に速くということは意識した」
追い付いた際に『守備は冷静に』という掛け声もあったが―
「追い付いて気持ちがみんな上がっている部分があり、それは仕方ないが、そこで守備の選手が熱くなってもっと勢いよく行ってファウルになったり、一発で裏を取られたりというのが、一番怖かった。やっぱり冷静にいつも通りやろうということを心掛けた」
今後への意気込み―
「2部昇格するためには、残り5試合全部勝つというのがマストだと思う。しっかり1試合1試合戦って勝点を積み重ねられるようにやっていけたらと思う」
次節は10月21日に生田北グラウンドで共栄大学と対戦する。
文=竹田一爽(文2)写真=佐藤亮平(経済3)