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2023.10.14
陸上競技

【陸上競技部】ハイペースに屈し、総合18位で本戦出場ならず 第100回箱根駅伝予選会

<第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 10月14日 陸上自衛隊立川駐屯地―立川市街地―国営昭和記念公園 21.0975キロ>

▲レース後の報告会の様子


 本戦への13校に入ることができなかった。10月14日、第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(以下、予選会)が行われ、全国から57校が13の本戦出場権をかけ争った。専大は4年連続72回目の本戦出場を目指したが、主力のアクシデントに悩まされたほか、ハイペースなレース展開に太刀打ちできず、総合成績を10時間44分51秒と昨年より2分以上タイムを縮めながらも、総合18位で敗退した。



 力の差を見せつけられた。本大会は100回の記念大会により通常10枠の出場権が13に拡大。それでもチームは増枠の影響を受けない総合7位での通過を目指していた。しかし、結果は総合18位。総合13位の山梨学院大学とは5分3秒離され、目標としていた総合7位とは7分31秒と大差をつけられた。

 チームは最初の5キロを15分10秒で入る当初の設定タイムを変えず挑んだ。しかし思惑とは裏腹に、スタート後はハイペースでレースが展開。田島洸樹(経営4・学法石川)や新井友裕(文2・浦和実業)など数名が5キロを14分50秒と速い流れに乗り、15キロ通過時点では総合15位。13位までは11秒差と射程圏内だったが公園内に入りペースを保つことができず、距離を追うごとにボーダーラインから遠ざかっていった。

▲駐屯地内1周目の様子。左奥から大田和一斗(文3・東農大二)、藁科健斗(経営2・横浜)、新井、田島

▲ダンカンは明治大の杉選手らの集団でレースを進めた

▲市街地を走る大田和(左)と山城弘弐(経営4・コザ)


 昨年の10時間46分56秒から2分5秒、総合タイムを縮め、当初予定していた設定タイムからもほぼ遅れはなかったが、他大学の攻めのレースに屈した。指揮をとった長谷川淳監督は「他大についても10時間50切りがボーダーと思っていたようで、うちも48分くらいにはいればいけると思っていたが、走った選手たちがそこをもっともっと攻めた大学が多く、結果的にかなり切り上がった。 その点ではこちら側が読みを突き詰めてタイム設定すれば良かったかもしれない。ただ、それは勝負の世界なので、選手たちがもっともっと前を目指せる走りが必要だった」とレースを振り返った。

▲報告会での長谷川監督



 チームも万全な状態とは言えなかった。主将の田島は予選会の数日前に足を痛め、レース当日は8キロ過ぎから脱水症状に襲われ当初目標としてた64分切りから大きく遅れた66分42秒。チーム内12番と苦しい結果となった。また、3年連続の予選会出走となった野下稜平(経済4・鳥栖工業)も体調が優れない日が続き、思うような走りができず。夏合宿でチームトップの出来を誇っていた手塚太一(経営2・那須拓陽)も足の状態が万全ではなく、本来の力を発揮することができなかった。また、エントリー段階から経験豊富な水谷勇登(経営4・敦賀気比)や粟江倫太郎(経営4・三浦学苑)がメンバーから外れ、4年生がチームを引っ張ることができず。田島は4年生としてのチームについて、「私たちはというか私が全責任を負うくらい、悪い。当初から懸念されていたようになかなか足並みそろわずに通年通して練習できていた人が私と山城ぐらいでなかなかまとまりがなく、そういうところがでたのかな」と自らを責める言葉が続いた。

▲田島は公園内では苦しい表情が続いた

▲8月下旬の2次合宿で「エースとしてチーム1番の走り」を宣言していた手塚。その重圧を受け、練習量とケガをするぎりぎりを攻めたが悪い方向へ行ってしまい、「完璧な状態で臨むことができなかったというのが悔しいですし、チームに対しても申し訳ない気持ち」と言葉を絞り出した

▲1年生の和田晴之(経営1・三浦学苑)も足に痛みを抱えており、後半はタイムを意識する余裕はなかった


 一方、2・3年生の多くは自己記録を大きく更新した。チームトップの走りで牽引したダンカン・キサイサ(経営3・大分東明)は62分28秒と、自己ベストを46秒更新し、2番手の新井は63分28秒でフィニッシュ。夏合宿までは状態が悪かったが、直前に合わせこみ、レースでは天候と自身の状態を鑑みて5キロを15分10秒で通過するチームの想定タイムより速いペースで押し切った。

▲ダンカンは「試合前から(監督が)自己ベストを出せると言ってくれていたので、自信を持てた」と振り返る

▲上から新井、藁科、福田達也(経営2・市立橘)の2年生はそれぞれが自己ベストを更新した

▲辻優輝(経営3・洛南)は初の大舞台で64分45秒と当初の目標を達成したが、順位には納得していない

▲大西裕翔(文1・京都外大西)は初ハーフで64分51秒と記録を残した


監督は来年に向けて、「個人がよく走ってくれたので、チームとしてもう一段階上げる。今日のようなハーフで30秒、1分縮められる選手を増やすこと。選手の層は厚くなってきているので、そういった選手を増やす」と語った。


 田島主将は「1、2、3年生にとってはこの負けがチャンスであって、これまで3年連続通過して負けを知らない世代が続いていて、ここで一つ負けを知れたというのはプラスにとらえてほしい。次があるので悲観せずに生かすためにどうすればいいのかというのを全員で相談しながらやっていってほしい」と後輩へ言葉を繋いだ。



文=相川直輝(文4)

写真=相川、高橋尚之(経営4) 、鶴本あい(法3) 、河上明来海(文3)、竹田一爽(文2) 、山中美琴(文1)