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2023.10.12
野球

【野球部】エース西舘気迫の完封勝利! 西村進にも一発飛び出す

〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=10月11日 上尾 専大2-0拓大〉


▲無四球完封勝利を挙げた西舘。1回戦KOの悔しさを倍返しにした。


 エース・西舘昂汰(経済4・筑陽学園)が無四球完封勝利を挙げ、1勝1敗とした。打線は2回の山本和輝(経済1・静岡)の先制適時打と、5回の西村進之介(経済4・栄徳)の1年ぶりとなる本塁打でエースを援護。西舘は中2日の登板だったが、内角を強気に攻める投球で拓大打線を退け、今季3勝目。3日前に6回途中KOを喫した雪辱を果たした。


 ドラフト候補の2人が揃って結果を出した。投げてはエース西舘が128球4安打無四球8奪三振でシャットアウト。見事1回戦のリベンジを果たした。4失点KOとなった前回登板は「変化球の腕の振りがちょっと弱くて、バッターに見切られた」と、スライダーに手を出してもらえなかった。試合後に齋藤正直監督らチームスタッフと映像を確認し、スライダーを投げる際に腕が身体から離れる癖を発見。「スタッフも動いてくれたので、絶対に結果を残さないといけない」と意気込み、リベンジマッチのマウンドに上がった。


 2-0で迎えた7回に安打やバッテリーエラーなどで1死1、3塁の大ピンチを招いた。しかし、5番田中選手をスライダーで追い込み、最後はストレートで空振り三振。6番加藤選手はスライダーで三飛に打ち取り無失点。終盤の大きなピンチを切り抜け、勝利を大きく手繰り寄せた。西舘は「この間の試合で打たれて、今日の試合は僕の中ですごくプレッシャーがかかっていて」と登板前の心境を明かす。しかし、「自分にプレッシャーをかけると僕はどんどんパフォーマンスがよくなってくるような気がする」と重圧を力に変えた。


▲7回のピンチをしのいだ西舘。気迫で拓大打線を抑えた。


 ライバルたちの活躍も刺激になった。この日神宮球場で行われていた1部リーグの試合で、同じドラフト上位候補の國學大・武内夏暉投手と東洋大・細野晴希投手が白熱の投手戦を演じた。西舘も移動中に試合の行方を気にしていたという。「僕はすごい気になっていて。僕は(ドラフトを)結構視野に入れて投げているので、活躍する選手を見ると僕も負けられない」。専大のエースも1部の好投手たちに負けじと猛アピールした。


▲試合後の西舘。1部で活躍する同学年投手の活躍が刺激になっていると話した。


 齋藤監督は「今日の西舘のピッチングを見る限りでは2点で十分かなって気持ちはありましたけど、勝つまでは不安だった」と笑ったが、「エースとしてしっかり投げていたと思いますね。やっぱり丁寧に、力任せだけじゃなかったなという。何としても勝つぞ!っていう気迫は持っていたと思いますね」と、力投を称えた。


 専大の核弾頭にも久々の一発が生まれた。5回表、1死から打席に立った西村進之介は、3球目の高めの直球を叩き、綺麗な弾道で右翼席へ運んだ。昨秋の入替戦以来約1年ぶりとなる公式戦での一発となった。「打席に入る時から立っている感じはよかった。甘い球を狙ってしっかり捉えられたのも久々だったので、感覚的にはよかった」と振り返った。


▲1年ぶりの本塁打を放った西村進。高めの直球を右翼席へ豪快に運んだ。


 試合前時点で今季わずか4安打、打率.150を切るなどドラフト前にまさかの絶不調。打線のブレーキになることもあった。それでも、ここへ来て2試合連続でマルチ安打を記録し、復活の兆しを見せている。「これまで全然チームに貢献できていなかったので、(今季)初めてチームに貢献できた。これまでが最悪だったので、それよりは(打撃の感触は)全然マシな感じです」と話す西村進。4年間の締めくくりへ、そしてドラフトへ、もう一度天才的な打撃を見せる。


▲西村進はこの日2安打で、2試合連続マルチ安打とした。


▽山本和輝 2回の先制打、攻守連発でスタメン起用に応える

「絶対変化球で来ると思っていたんですけどどうしてもタイミングが合わなくて。ツースリーになって、そこからは(狙いを)変えずに(振りに行った)。スライダーを、泳いだんですけどいいところに落ちてくれた。土のグラウンドなのでバットに当てれば何か起こると思っていた。

(守備は)なかなか練習の中でいいプレーが続いていたわけではなかったんですけど、土のグラウンドだったので、シートノックから下から下からを意識してやった結果かなと。

昂汰さんがあれだけテンポよく投げてくれた。ヒットが出ていた中で点を取れなかったっていうのは、昂汰さんにしんどい思いをさせた。本当に申し訳ない気持ちと、昂汰さんありがとうございます!って感じです」


▲山本和


▽小林寛弥主将(経営4・坂井) 3安打を放ち、打率.387でリーグ3位に浮上

「自分のスイングができたってだけ。普段やっていることがしっかり出せたかなって感じはします。

(打撃好調の要因は)チームメイトからアドバイスをもらって、それをしっかり取り組んだっていうのはありますね。中尾(拓士・経営4・大分)と中川(翔太・経営4・日本航空石川)からアドバイスをもらって、スイングをガラッと変えた。色々試しながら取り組んだって感じではあります」


▲小林主将


▽加藤大悟(経営1・専大松戸) 好リードと2盗塁刺でエースの完封をアシスト

「(前回は)難しいカウントになって打たれるケースが多かったので、どんどん先に行こうって話をしていて、インコースを使いながらって話はしていた。(配球は)ちょっといつもとは違う感じで行こうかなというプランは自分の中であったんですけど、普通に今まで通り行ってみたら案外そのまま行けちゃった。

(7回のピンチは)自分が振り逃げで招いてしまったピンチだったので、もう1球あそこ投げてもらって大丈夫ですって話をして、根気強く投げてくれたのでそこはよかった」


▲加藤


文=野見山拓樹(文4)

写真=相川直輝(文4) 河上明来海(文3)