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〈令和5年度東都大学準硬式野球秋季1部リーグ戦=9月22日 上柚木 専大2-3×中大〉
▲サヨナラ負けを喫したが、途中まで圧巻の投球をみせた先発の竹村
専大が延長10回サヨナラ負けで連敗となり、勝ち点を献上した。試合は9回終わって両軍無得点のまま延長戦に突入する投手戦に。10回表に大平祐人主将(経済4・札幌第一)の適時二塁打で2点を先制するも、その裏に好投を続けていた先発の竹村健太(経済2・星稜)が3失点。2死までこぎつけたが粘りきれず、最後は力尽きた。
〇まさかの展開
春は全勝して優勝、夏の全日本選手権でも4強入りした格上相手に勝利まであとアウト1つだった。2点リードで迎えた最終回、無死1、2塁から犠打と三ゴロ封殺で2死2、3塁とし、勝利は目前。
▲10回の裏1死2、3塁。三塁手の大平が三遊間の当たりを横っ飛びで好捕し、すかさず本塁へ送球。本塁憤死のファインプレーをみせた
しかし、1番の松浦選手に2ストライクから右前に運ばれて1点差とされると、続く2番の中森選手には浮いた直球を叩かれ同点に。たまらずタイムを取ったが、相手の猛攻は途切れなかった。3番岩井選手へ投じた149球目は無念にも中堅手の頭上を超えるサヨナラの適時二塁打とされた。2死から一気に3点を奪われるまさかの敗北に背番号11は膝から崩れ落ちた。「気持ちが熱くなりすぎて、冷静さが足りていなかった。最後の詰めの甘さがでた」と唇を噛んだ。
▲0を並べ続けていたが、最後は力尽きた
〇春からの大成長
悔しさが残る結果となったが、最終回までの投球は圧巻的だった。最速140キロの直球を軸にスライダー、カットボールなどを低めに集めて的を絞らせず、無四球で投げ切った。8回には2本の安打で1死2,3塁と最大のピンチを背負うも、ギアを上げて3番岩井選手、代打岡部選手をそれぞれカットボールで連続三振。窮地での底力で強敵に主導権を渡さなかった。
▲気合の投球で度重なるピンチを何度もくぐり抜けた
好投の要因は「夏前にフォームを大きく変えたこと」。星稜高時代の先輩・寺崎孝多投手(現・近畿大4年)の投球動画をチェックし、「テイクバックが小さい投げ方に変わっている。自分も取り入れてみよう」と実践した。すると、リリースポイントがしっかりと定まるようになり、制球力が格段にアップしたという。今春のリーグ戦では3試合登板で11個の四死球を与えていたが、今秋はすでに今日を含めた4試合登板で僅か1。実感している手応えは数字が顕著に物語っている。
▲慕う先輩のフォームを参考にテイクバックをコンパクトに
上位2チームに残れば、関東王座決定戦という上部大会に進出できる。「自分は与えられた役割を全うするだけ」。夏を超えて大きく成長したサウスポーがチームの舵取り役になる。
文・写真=河上明来海(文3)