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2023.10.06
野球

【野球部】エース西舘の力投報われず 駒大に2連敗で勝ち点落とす

〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=10月4日 等々力 専大0-3駒大


エースの孤軍奮闘も実らず、駒大に2連敗。優勝争いに向けて痛恨の勝ち点を献上した。

先発の西舘昂汰(経済4・筑陽学園)は3回に大森廉也選手の適時二塁打で3点を失うも、8回を投げ切り意地を見せた。だが、専大打線から快音は聞こえず。9回にこの試合初めて3塁を陥れるがホームは遠く、今季2度目の完封負けを喫した。


▲先発の西舘昂汰

「一度やられた相手にまたやられてはいけない」。昨年秋の入替戦や今季の1回戦、駒大を相手に悔しい結果に終わった西舘にとっては、決意のマウンドだった。

しかし、立ち上がりから駒大打線に翻弄される。今季精度が向上し、数多くの三振を奪ってきたフォークに手を出してもらえず。西舘自身も「フォークは今日も良かったが、駒大の目付の仕方で低めを振ってもらえず苦戦した」と、手応えを感じていたものの空振りは奪えず。1・2回は0点で抑えるも、序盤から球数がかさんだ。

3回裏、先頭の9番・高田選手の放った打球が投手強襲の安打となり先頭の出塁を許すと、3番・西田選手がセンター前へ弾き返し、4番・神宮選手には9球粘られた後に四球を与えて満塁。ここで齋藤正直監督がマウンドへ向かい、西舘に声をかけるも相手の勢いは止まらず。5番・大森選手への3球目、甘く入ったスライダーを捉えられ、左中間を割る適時二塁打を浴びて3人の走者が生還。この3点が最後まで重くのしかかった。


▲雨が降る悪条件のマウンドでもあった


後半は立ち直り、6回以降は被安打1に抑えた西舘は「打たせて取るピッチング」に変化。

「もう投げる球がなくて。フォークやスライダーは全部見られて、真っ直ぐはファールにされる。何か変えないといけないという時に出てきたのがツーシーム、シュート系のボールだった」と、追い込まれた中で新たな選択肢を見つけた。バッテリーを組んだ加藤大悟(経営1・専大松戸)も、「駒大は当てるのが上手いバッターが多かった。逆に(ツーシームで)当てさせて内野ゴロなりで先に打ち取ろうという話をした」と配球を変更。テンポよく8回まで投げ抜いた。


▲西舘自身が「しっくりきた」というツーシームを後半は多投した

エースの力投に応えたい専大打線だが、駒大投手陣の3人の継投に散発の6安打に押さえ込まれた。最終回には代打の松永知大(経済2・創成館)が今季リーグ戦初安打となる右越二塁打を放つも得点は奪えず。未だ打線は低調気味のままだ。齋藤監督は「軟投派の投手がどうも苦手で。みんな振りに行ってしまう。来た球をしっかり捉えるという意味では、真っ直ぐか変化球系か狙っていけばよかったが、それをさせない上手さがあった」と振り返り、「本来クリーンナップや1番を打つはずの西村(進之介)や松永のバットが湿っている。打線という意味では線になっていない」と攻撃陣の奮起を促した。


▲開幕戦で3番を任されるなど期待されていた松永。20打席目でようやく初ヒットが生まれた

▲この試合もヒットを放ち、好調を維持しているキャプテン・小林寛弥(経営4・坂井)。打率.409は現時点での二部リーグ首位打者だ

西舘は試合後、バックネット裏に詰めかけたスカウト陣に対して「後ろを見るとスカウトがずらっと並んでいて、気持ちの持ちようはすごく難しい」と重圧の中で投げる心境を明かした。8回完投負けとなったが「体力は僕の持ち味。完投してこそのピッチャーだと思っている」と、スカウト陣へのアピールは上々だ。その上でも1番に目指すのはチームの勝利。「自分の活躍のためだけにやってしまうと力んでしまったりする。自己満足のピッチングはスカウトも見ていると思う。チームを勝たせるのがエースピッチャーだと肝に命じてやっていきたい」とエースとしての自覚を覗かせた。


▲6試合に登板し40回2/3を投げ、3完投。ドラフト上位候補の中でも体の強さは負けない

指揮官は「毎度毎度西舘に申し訳ないですね。『孤軍奮闘』状態で」と、投打が噛み合う展開を待ち望んでいる。


文=萩原健丸(経営2)

写真=増田美海(文3)