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2023.10.04
フィギュアスケート

【フィギュアスケート部】東京選手権 2選手が躍動

〈東京フィギュアスケート選手権大会=9月22〜24日、ダイドードリンコアイスアリーナ〉

 全日本への挑戦が始まった。東京フィギュアスケート選手権大会が西東京市のダイドードリンコアイスアリーナで行われ、専大フィギュアスケート部からは梶本将太(法2・駒場学園)と廣田彩乃(法4・橘学苑)が出場。梶本は総合22位、廣田は総合13位となり、どちらも東日本選手権大会の出場権を獲得した。


 まず男子のショートプログラムに出場したのは梶本。今まではバッチテスト6級だったが、数日前に全日本選手権への出場が可能となる7級に合格し、今大会が7級を取ってから初めての試合となった。試合前には緊張した表情を見せていたが、曲に入ると徐々に「This is the moment」の柔らかい雰囲気に調和していった。ジャンプではすべて着氷し、レベル4のスピンを決めるなど8月に行われたサマートロフィーよりも技術面で進歩した姿を見せた。

▲柔らかい体を活かした技では観客から歓声も上がった


 翌日のフリープログラムでは、「After the nightmare」を披露。「白鳥の湖」を扱ったプログラムであり、真っ黒な鳥のような衣装を纏い挑んだ。序盤から荘厳な曲の雰囲気に合わせて堂々と踊った梶本は、2番目のジャンプであるトリプルトウループで転倒してしまうも、転倒はその一回のみ。持ち味の長い手足と柔らかい体を活かしたスピンも披露し、鮮やかに氷上を舞った。終了後には一部の観客がスタンディングオベーションをするなど、会場全体が梶本の世界観に浸った。

▲肩には鳥の羽根のような飾りがついている


 全体を通して、「ちょっとした気の緩みで(点を)取れるところで取れない箇所があった」と語る梶本。しかし、前回のサマートロフィーで課題だったジャンプを意識して練習し、今回ミスを減らせたという。「毎回ちょっとしたところでのミスが多いので、どう変えて行けばいいのかを模索しながら練習していきたい」と話した。


 一方、前回の大会と全く違うショートプログラムを披露したのは廣田。サマートロフィーではアップテンポな曲調のミュージカル「シカゴ」の「ロキシー」を披露したが、今回から昨年も披露した、静かな曲調である「月の光」に変更。「自分の滑りに合っているし、点数が出るか出ないかという面でも自分にしっくり来ている曲」と話すも、本番冒頭では得意としているトリプルサルコウがダブルサルコウとなる思わぬミスを起こしてしまう。「踏み切りのタイミングがいつもと違っていた。焦りと緊張からのミスだったかなと」。いつもはしないミスだっただけに動揺もしたと話すも、演技にはその素振りを見せず、それ以降は繊細なステップやスピンを見せ、優しい雰囲気が漂う演技となった。

▲演技後の廣田


 フリーでは映画「パールハーバー」の楽曲を使用したプログラムを披露。中盤の力強い曲調の場面では真剣なまなざしでダイナミックに体を動かし、コンビネーションジャンプを鮮やかに決めた。終盤に差し掛かりゆっくりとした曲調の歌が流れると表情を緩め、今までの力強さとは打って変わり、緩やかでありながらも緻密なスケーティングを見せた。演技後には晴れやかな笑顔を浮かべた。

▲フリーでの廣田

 ジャンプでは、大きな乱れもなく着氷することが出来た。「スピードをつけた中で安定したジャンプが飛べて、3本目くらいからは割と自信をもって飛べるようになった。昨日(ショート)よりも気楽に滑ることができた」と安心した表情で話した。

 現在4年生で、今年がラストシーズンとなる廣田。今回のフリーはコーチが滑ってほしいと廣田に言っていた曲だという。「滑っているうちに自分に合っている音だなと思ったり、自分のスケート人生を表したような曲だねと言ってもらったりして」。今までのスケート人生について、「高校生とかになってくると学校が楽しくなってしまって、逃げ出したいし、辞めたいと思ったこともあったけど、やっぱり人前で(スケートを)するのがすごく好きで。今となっては続けたからこそ自分の根性とかの良い部分がさらに良くなったのかなと思う」と振り返る廣田。自身のスケート人生を回顧しながら、集大成のプログラムに取り掛かる。

▲美しく氷上を舞う廣田


 次回の大会は10月中旬の東インカレ。秋が深まる中、さらに個々の演技に磨きをかけるべく練習に取り組む。


文=山口由結(文3)、写真=鶴本あい(法3)・山口由結