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9月3日、東都大学秋季リーグ、対亜細亜大2回戦が神宮球場にて行われた。
まさに圧巻の投球内容だった。
勝ち点1に王手をかけられた専大の先発は大野亨輔(商4・星稜高)。絶対に負けられない試合の初回、いきなり先頭打者にヒットを許し、その後2番にバント、3番に進塁打でランナーを3塁に進めてしまう。しかし続く4番は芯を外したレフトフライに討ち取り窮地を脱した。
続く2回、3回、4回は何とか無失点に抑えるものの、再三ランナーを得点圏に進めるなど決して安心は出来ない立ち上がり。打線も4回まで無得点で、大野の投球がこの試合のカギを握っていた。
△ 今季初先発の大野投手
本調子が表れ始めたのは5回。先頭の8番打者を空振り三振に抑えると、続く9番、1番打者をライトフライ、レフトフライに打ち取り、この試合初めての三者凡退で切ってとった。
その後6回、7回も連続して三者凡退に打ち取り投球に勢いを増す大野。8回、9番打者に惜しくもランニングホームランを許してしまい完封を逃してしまったが、その後は9回まで1失点も許すことは無く完投した。
驚くべきは中盤からの投球内容だ。
初回から4回まであまり調子が良いとは言えず、出したランナーは5人。奪三振数も1個と落ち込んでいた。
しかし5回からは違う。打者18人に対して許したヒットは2本だけ、奪った三振数はなんと8個。5回からは前半とはまるで別人のような投球で9回を球数131球、9奪三振、被安打5、1失点の完投勝利を挙げ、春季最優秀投手の貫禄を見せ付けた。
△ 2季連続初登板完投勝利を飾った!
打線は4回まで無得点、打ったヒットは3本。2回には1アウト満塁のチャンスを作るものの後続が続かず無得点。絶好の機会をモノにすることは出来なかった。
試合が動いたのは5回。大野の好投に奮起されたのか、7番重野雄一郎(経営4・専大松戸高)が四球を選び塁に出ると、続く8番時本亮(経営4・大垣日大高)がバントでランナーを2塁に進める。さらに9番三浦拓馬(商4・札幌第一高)がヒットで続きチャンスを広げ、続く1番新垣拓馬(商4・興南高)は打ち取られてしまうも2番伊與田一起(経営3・明徳義塾高)がフルカウントからの6球目をライト方向に鋭いヒットを放ち先制点を挙げた。
その後6回、8回に追加点を上げ3得点。終わってみれば3対1の接戦で専大は今季初勝利を飾った。
△ 華麗にバントを決めチャンスを広げた時本選手
△ バットを短く持ち、先制タイムリーを放った伊與田選手
これで亜細亜大学との対戦成績は1勝1敗。互いに譲らぬ両チーム、明日は勝ち点1をかけ、神宮球場で試合が行われる。
(村田侑晟・文1)
以下はコメント
齋藤正直監督
「今日は大野様様。昨日とは違いチームに元気があり、一つ一つのプレーに執着心を持って戦えていた。重野がファールボールを取った場面。ああいったプレーがチームに影響をもたらす。一勝をあげるのが大変。亜細亜大学は粘りのあるチームだけに苦戦を強いられた。次の試合は第一戦で抑えられた投手なので序盤から流れをつかみたい。早め早めに仕掛けていくつもりだ」
完投勝利の大野投手
「開幕戦の大役を2年の高橋に任せてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいだった。今日は4年の意地を見せることが出来たと思う。今日の調子はいつもどおりで、普段と変わらない状態だった。秋季はもっと研究されていると思うが、自分のピッチングが出来れば抑えられると思っている。昨日の試合を見て、亜細亜大学はインコースに強い打者が多いと感じ、外中心の投球を組み立てていた。8回、代打攻勢で早く抑えたいと投げ急いでしまい、結果ランニングホームランを許してしまった。そこは反省しなければいけない。優勝はそう簡単にできない。でもそのプレッシャーを跳ね返し、堂々と投げて行きたい」
8回の監督からの言葉
「ランニングホームランは無かったことと考えろ。たまたま打たれた。切り替えて今までどおり自分のピッチングをしろ」
先制タイムリーを放った伊與田選手
「春季リーグではあまり活躍できずチームに迷惑をかけて、ようやく力になれた。同じチームに二度も負けられない。相手は強いが、次の試合はチーム一丸となって勝利を掴みたい」
2打席連続のタイムリー3ベースを放った福田晃規(商4・県岐阜商高)選手
「初球から高めに抜けた球が来たので見逃さずにフルスイングで打ちました。打った瞬間に抜けたと思いました。大野が頑張っていて絶対に打ちたかったので打てて良かったです。」
△ 貴重な追加点を挙げた福田晃選手