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2023.09.20
野球

【野球部】西舘圧巻の奪三振ショー! 14K完封で専大先勝

〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=9月19日 上尾 専大1-0立正大〉


▲3安打14Kシャットアウト。まさに手のつけようがなかった。


 エースの過去最高の投球で、専大が先勝した。先発のプロ注目の右腕・西舘昂汰(経済4・筑陽学園)は、初回から3者連続三振を奪うなど、3回までに5奪三振を奪う快投を見せる。打線の援護は5回に相手のミスから先制点をもぎ取るに留まったが、その後もまともに当てさせない圧巻の投球を披露。107球3安打2四球14奪三振で立正大打線を完全に封じ込んだ。今季初の勝ち点獲得へ、カード初戦をものにした。


 これまで幾度となく見る人を驚かせてきた西舘だが、この日は過去最高の投球となった。初回、1番に座るリーグ屈指の好打者・飯山志夢選手からフォークで空三振を奪うと、続く岩本選手もフォークでスイングアウト。3番の蔵田選手は148キロのストレートで3球三振に斬り、初回から相手打線をねじ伏せにかかった。


▲この日の西舘はカーブでカウントを稼ぎ、直球とフォークで相手打者を仕留めた。


 西舘は「今日はフォークがめちゃくちゃよかった。フォークがいいと(打者が)フォークを振りたくない分真っ直ぐに手を出してくれて、真っ直ぐが差し込まれる。色々幅が広がった感じがします」と手応えを感じながら相手打線を手玉に取った。3回はストレートで2奪三振。4回は1死から連打でピンチを招いたが、4番古谷選手を三塁手の西里颯(経済3・興南)と一塁手の外山優希(経営4・開星)の好守で三併に打ち取る。5回も2つの三振を奪い、前半だけで7奪三振の圧巻の投球を見せた。


▲4回、3番蔵田選手に左前に落とされた西舘。「向こうに勢いがついてきたので、ここで一番ギアが上がった」と振り返った。

▲4回の併殺のシーン。ゴロを処理した西里が素早く三塁を踏み一塁へ送球。ショートバウンドとなったが外山が上手く捌き、併殺を完成させた。


 後半になっても奪三振ショーは続く。6回は連続三振で2死を奪ったあと、1番飯山選手に甘めに入ったフォークを捉えられ、右中間フェンス直撃の三塁打を浴びる。「あれだけが危なかった」と振り返ったが、続く岩本選手をこの日10個目となる空三振に仕留め、この回も無失点。最大のピンチを切り抜けた。


▲6月の代表合宿で親交を深めた飯山選手との対戦では特に力が入った。飯山選手もあわや本塁打という当たりを放ち、意地を見せた。


 この日の援護は僅か1点。5回1死1、2塁から西里の一塁へのゴロから併殺を狙った一塁手の送球が一塁走者に当たり、その間にもぎ取った1点に留まった。それでも西舘は「(援護が少ないのは)わかっていたことなので」と自分の投球に集中し、役割を全うした。春季はリードを守り切れない試合もあったが、夏を越えてひと回り成長した背番号18は、少ないリードでも守り切れる投手に成長。追い求めてきた「チームを勝たせられる」投手像に限りなく近づいてきた。


▲先制のホームを踏んだ外山。これが決勝点となった。

▲7回の西舘。中盤になっても高い集中力で目の前の打者を料理し続けた。


 8回も3者連続三振。9回は1死2塁のピンチを背負ったが、14個目となる見三振と二ゴで切り抜け、試合を締めた。試合後、西舘に三振の数を伝えると、「うおっ!人生イチです!」と嬉しそうに笑った。それでも「(今日の投球は)90点です」と控えめな自己採点。「今日は審判のゾーンが広かった。あれがボールだったときのことを考えて。あとは走者がいる時のフォークの精度がもう少しよくなれば」と、改善点を口にした。


▲最後の打者を打ち取った西舘。圧巻の投球で1点のリードを守り切った。


 一方で、打線の低調さは深刻さを増している。この日は僅か2安打しか放てず、20イニング連続で適時打なし。5回の先制点につながる安打を放った4番の外山は「みんな調子が落ちると初球から打ち急いでしまう」と焦りが低空飛行につながっていると分析。「今日は1点取れば(西舘に)任せられると思っていた。明日は野手がしっかり打たないと」と話した。


▲先制点を演出した外山。「(打ったボールは)わからん」とがむしゃらに食らいついた。

▲5回の追加点のチャンスで凡退した小林寛弥主将(経営4・坂井)。ここまで好調だが、この日は無安打だった。

▲この日も無安打だった西村進之介(経済4・栄徳)。なかなかトンネルから抜け出せない。



文=野見山拓樹(文4)

写真=相川直輝(文4)