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2023.08.25
陸上競技

【陸上部】成長見せる手塚太一 ケニアで受けた刺激を源に

 2年生の手塚太一(経営2・那須拓陽)が成長を見せている。今シーズンは、4月に5000mの自己記録を更新し関東インカレの出場を果たすと、6月の全日本駅伝予選会にも出場し昨年より順位を大きく上げた。連戦となった函館ハーフでも自己記録を1分半以上更新。充実の前半シーズンを過ごした。

▲学生ハーフを走る手塚


 スピードと体力への自信がついた。5000mに力を置いて取り組んできたが、4月終盤に自己ベストを17秒更新。「スピードは去年に比べて付いたと思う。体の面でも1年生の時よりもジョグをしっかりできたとか、体が強くなった」。チームが新たに取り入れたウエイトトレーニングの効果も実感しており、体を強くする取り組みがレースを支えた。

▲関東インカレ5000mに出場した手塚


 函館ハーフ後は離脱もあったが、1次合宿から走り込みを再開している。昨年は、合宿から箱根駅伝予選会までに調子を崩し、出走を逃した。「2次3次になるにつれ重要なポイントも増えていくので、そこをしっかり押さえたい。去年の反省を生かしながらピーキングしっかりやっていきたい」と先を見据える。



 ここまでの好走には、ケニアで受けた刺激が影響している。手塚は2月に同学年の村上友哉(経済2・八千代松陰)と共に3週間のケニア合宿を行った。ケニアは「マラソン王国」「長距離陸上大国」とも呼ばれており、マラソンの世界記録保持者、エリウド・キプチョゲの母国。日本で実業団に所属するトップランナーが合宿を行うことも多い地である。

 手塚はそこで陸上に対する価値観が変わった。「道に出たらみんな走っているみたいな町だったので。しかもみんな楽しそうに走っている」。環境の差を比べれば日本のほうが良いが、それでも楽しそうに走っている姿を目の当たりにした。「ケニアの人からすれば、走りで成功したら人生が変わるみたいなものもある。あとは(自分が)日本で恵まれた環境で走れているんだなと感じた」と自らを見つめ直すきっかけになった。

▲ケニア合宿の様子。地元の選手と切磋琢磨した

▲右が手塚。左が村上(陸上部提供)



 3月、合宿から帰国後のレースで手塚に「成長できたか」と問いをかけると、「陸上に対する基準が上がった。でも3週間で変わるわけではないのでそこで受けた刺激をしっかり継続していって、予選会とかで結果が出せればケニアの合宿は成功って感じになると思う」と返していた。ここまでは刺激を結果に変えてきた。予選会まではあと50日。実りの秋が待ち遠しい。


文・写真=相川直輝(文4)