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2023.06.18
陸上競技

【陸上部】予選敗退も新たな力で光見える 全日本大学駅伝予選会

<秩父宮賜杯第55回全日本大学駅伝対校選手権大会関東予選­=6月17日 相模原ギオンスタジアム>



 出場権は手にできなかったが、新しい力が見えた。11月に行われる全日本大学駅伝の出場をかけ、関東地区の20校が争った。専大は総合14位と上位7位までに与えられる出場権を逃したが、下級生が力のある走りを見せた。


 主力級選手の故障もあり、出場選手8名の内7名が2年生以下という下級生中心で挑んだ予選会。「力的にいえば今の上の学年と調子の差がなかった」と長谷川監督をはじめ首脳陣が思い切ってエントリーをしたが、選手が走りで応えた。

 1組目に出場した佐藤陸(文1・東京)と具志堅一斗(経営1・コザ)は、共にスローペースの集団でうまくレースを運んだ。終盤残り3000mを過ぎてからの急激なペースアップには付けなかったものの、初の公式戦で堂々の走りを見せた。

▲1年生ながらチームの流れを作る走りをした佐藤陸と具志堅


 2組目に出場した1年生の江幡凜太朗(経営1・水城)も7000mあたりまでしっかりと集団についた。また、手塚太一(経営2・那須拓陽)は他大学の力のある選手に食らいつき、組14着でフィニッシュ。先月の関東インカレ5000mで見えたレース中の位置取りの課題を生かし、集団の前方で攻めた走りが結果に結びついた。

▲「アップダウンの大きいレースで走れたことは大きな自信になった」と手ごたえを語った江幡

▲昨年は同じ2組に出場し、組39着だった手塚。1年を経て大きな成長を示した


 3組目の福田達也(経営2・市立橘)と藁科健斗(経営2・横浜)も1・2組目の流れを受け、中盤を過ぎるまで集団から離れることなく、力強い走りを見せた。

▲「終盤のペースアップでもう一つ前の集団につければ」と悔しさも見せた福田

▲初の公式戦となった藁科も大きく崩れることなくレースを終えた


 下級生が台頭する中で、エースの集う4組目では精彩を欠いた。田島洸樹主将(経営4・学法石川)は1000mを超えた地点で集団から離れ、戦線離脱。ダンカン・キサイサ(経営2・大分東明)も中盤にかけ粘りを見せたが他大学のエースに交わされ組15着と思うような結果にはならなかった。田島は「練習はこなせてはいたので自信はあったが、走ってみるとなかなか最初から動かなかった」と振り返った。最終組でチームの順位を一つ下げたことに関しても、「これが(箱根駅伝)予選会だったら私のせいで落ちたという形になってしまう。気持ちを切り替えて一から積みなおしていきたい」と表情を引き締めた。


▲先月の関東インカレでは見事な走りを見せた田島だったがその走りを再現できなかった

▲ダンカンはチームのエースとして、監督は更なるレベルアップを求めた


 主力選手を欠いた中でチャンスをつかんだ選手が力をみせた結果になった今レース。昨年と比較しても総合順位を2つ、総合タイムも2分以上縮めている。チームは悔しさを味わった正月の箱根駅伝から着実に力をつけてきており、監督は「今回は例年(の予選会)よりも兆しは見えた。次につながるレースだった」と手ごたえを語った。また、下級生に対しても「今できる走りをしてくれた。夏を超えれば20キロにも対応できるのではないか」と期待を寄せた。

 一方で、箱根駅伝予選会では今回14年ぶりに出場を決めた東農大や国士舘大などと勝負をしていかなくてはならない。チームは箱根路に返り咲くために、再び団結し夏を戦う。


<結果>

総合14位 4:03:13


〇1組目

23着 佐藤陸  30:41:59

27着  具志堅一斗  30:44:20


〇2組目

14着  手塚太一 30:16:47

34着  江幡凜太朗  30:55:11


〇3組目

25着  福田達也  30:08:72

33着  藁科健斗  30:21:29


〇4組目

15着 ダンカン・キサイサ  28:56:31

39着  田島洸樹  31:10:29


文=相川直輝(文4)

写真=相川直輝(文4)・高橋尚之(経営4)