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〈侍ジャパン大学代表 選考合宿=6月17日~19日 平塚〉
▲侍ジャパン入りを目指す西舘昂汰。
7月上旬に米国で行われる第44回日米大学野球選手権に向けた侍ジャパン大学代表の選考合宿が17日、平塚で始まった。専大からは西舘昂汰(経済4・筑陽学園)が招集。この日はキャッチボールやランニングなど軽めの調整を行い、明日以降へ向けコンディションを整えた。西舘は最終日の紅白戦に2番手で登板予定。「力強さをアピールしたい」と代表入りへ意欲を見せた。
13時に始まった全体練習だったが、「遅刻しちゃった」と、村田賢一投手(明大)や冨士隼斗投手(平成国際大)らとともに5分ほど遅れて合流。やや緊張が浮かぶ面持ちで首脳陣の話に耳を傾けた。しかし、緊張の色は一瞬で消え、練習開始前の写真撮影の際には東都2部でしのぎを削る細野晴希投手や宮下朝陽選手(ともに東洋大)や鈴木虎我選手(国士大)らと笑顔で言葉を交わした。
▲写真撮影は東都2部の3選手に囲まれ収まった(西舘は2列目の左隅)。
2月の取材時に「またバッテリーを組みたい」と話していた進藤勇也選手(上武大)とも再会を果たした。アップ時、多くの選手が同一リーグの選手同士で談笑する中、進藤選手と2人きりでストレッチ。西舘は「『ヤバくね?』って話してました(笑)」と明かし、進藤選手も「高校時代から代表でバッテリーを組みたいと話していたぐらい、お互い楽しみにしていた」とユニフォーム姿での再会を喜んだ。
▲ストレッチをしながら話し込む西舘と進藤選手。再会を心待ちにしていた。
進藤選手は「(西舘は)球速も上がっているし、球質も変わった。高校時代は直球がカット気味に変化する球質だったが、映像を見ると今は質のいい真っ直ぐになっていた。それが球速にも影響しているのかも」と大きな成長を認める。「(受けてみたい投手は)西舘です!」と心待ちにした。
東都1部の好投手らとも会話を重ねた。特に常廣羽也斗投手(青学大)とは終始ともに行動。シートノック中はまさにベッタリ状態で、「(常廣投手は)不思議です。バリオモロい」と笑った。以前取材した際に「常廣投手が理想の投手」と話していた西舘。直球の質や投球スタイルなど、参考としたい部分が多いそうだ。常廣投手とキャッチボールをしている最中にはフォームを確認し合う姿も。自身のレベルアップのため、技術の吸収にも積極的な姿勢を見せた。
▲野手の練習開始後は終始常廣投手と行動していた。1枚目左は九共大・木村仁投手。
▲2人でキャッチボールも行い、互いにフォームやボールを確認し合った。
また、高校時代から親交の深い下村海翔投手(青学大)とも談笑する場面が多く見られた。今春目覚ましい活躍を見せた両者だが、「俺ら受からんくね?」と周囲の顔ぶれに圧倒されたと明かした。下村投手も「冷静に考えてここまで来られたことが凄いよね」とレベルの高さを実感。西舘と写真に収まりながら、下村は「常廣について行けるように頑張ります」と代表入りへ意欲を見せた。
▲青学大の下村海翔投手。今春はチームの日本一に大きく貢献した。
今年は完成度の高い投手が多く、侍ジャパン入りは茨の道だ。しかし、西舘の投球や実力にはプロ野球のスカウトも舌を巻く。選出されれば菊地吏玖(現千葉ロッテ)に続き専大から2年連続の代表選手誕生となる。昨秋から幾度となく見る者を驚かせてきた専大の絶対的エースは、「今できることをやろうと思います」と力強く意気込んだ。
▲シートノックを眺める西舘ら。中大・西舘勇陽投手(最左)や國學大・武内夏暉投手(左から2番目)など、東都1部の好投手と言葉を交わすシーンもあった。
文=野見山拓樹(文4)
写真=相川直輝(文4)