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〈第102回関東学生陸上競技対校選手権大会 5月14日 相模原ギオンスタジアム〉
関東学生陸上競技対校選手権は大会最終日を迎え、男子2部の400mハードル決勝に出場した細谷柊真(人間科3・専大附)が51.42を記録し準優勝を果たした。
▲▼銀メダルと賞状を手に笑顔の細谷
「はまれば優勝できると思っていた。ラストで負けてかなり悔しい」と悔しさをあらわに。トップとの差はわずか0.16秒とほぼ同着だった。自身はその差を「10台目で刻み切れなくて失速してしまったのと、10台目を超えてから前の選手を追うために力んでしまったこと」だと振り返った。それでも、今大会出場した専大の選手内で唯一表彰台に上がることとなり、長距離種目の選手に刺激を与えた。
細谷は昨日、52.03で全体2位のタイムで予選通過し決勝の舞台へ。「このタイムなら突破できると思って練習していた」と余裕があった。
12時25分、スタートの直前で当然大粒の雨が降ってきた。スタートが一瞬見合わせられることも予想されたが、そのままレース開始の号砲が鳴る。
レースは序盤、城西大の2選手が引っ張る形となり、細谷は中盤辺り。この状態のまま200mに達するが、ここからが細谷の見せ場だった。「最後の2台はかなりタイムに影響してくるので、前半脚を残して後半伸びさせるイメージだった」と8台目のハードルを35.97で通過すると一気に加速。10台目で2番目だった城西大の選手追い越すと、ラストの直線でスパートをかけトップの選手と肩が並んだ。強みでもある後半の伸びをみせ、ほぼ同時にゴールしたがあとわずかに及ばず0.16秒差で2位に。「レース前に考えていたプラン通りのタイムでいくことができた」と手応えがあったが、相手が1枚上だった。
▲驚異的な追い上げをみせ左右の城西大の選手に並ぶ
▲ゴールの瞬間。ほぼ同時にゴールしたように見えたが、あとわずかに及ばず
日々の練習相手は自分
そんな細谷の所属は陸上競技部だが、自身の種目は400mハードルで短距離。専大は長距離しか活動していないため、細谷は日々自主練習に励み、大会に臨んでいる。
自主練習は高校時代からすでに取り組んでいたという。具体的な流れはこうだ。競技場へ行ってハードルを借り、自身で決めたメニューを遂行する。タイムの計測は全体が映るようにカメラを置いて撮影し、その動画から自分で計測。その映像やタイムをもとに、どこが悪いのか、直せるかをチェックし修正する。この繰り返しである。日々の練習のモチベーションは他校に進んだ同期4人の存在。大切にしていることは「自分の立てた目標に対して、サボったり、気持ちが折れないようにどのように自分をコントロールするか」だという。1人で練習するからこそ、自分に勝てるか。そこが肝心になる。
▲戦う相手は自分。「自分をどれだけコントロールできるか」。
待望の全国大会へ
自身の強みは「緊張やプレッシャーを力に変えることが出来る」ことで、今回も遺憾なく発揮した。そして今回の記録は9月に開催される全日本インカレの標準タイムも切ることとなり、出場権を獲得。高校3年時にインターハイ出場を目標にしていたが、コロナウイルスの影響で中止。当時を「意気消沈した」と振り返り、今大会への思い入れは強かった。大学のステージで待望の全国大会出場が決まり、「準決勝は絶対いきたい。あとは日本選手権のタイムが50.3なので、来年はそこに出て卒業したい」と見据える目標のハードルを高く定めた。残り3か月、自身の名を全国へ轟かせるために、今日も黙々と10台のハードルを飛び超える。
▲残り3か月、自身が決めた目標に向かって走り続ける
文・写真=河上明来海(文3)