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〈東都大学野球2部春季リーグ戦=5月17日 等々力 専大2ー6東洋大〉
▲宮原は今季4度目マウンドを託されるも早々と降板した
昨日は完封勝ちで宿敵・東洋大に先勝した専大。連勝で勝ち点2を得たかったが、投打ともに振るわず、3回戦に持ち越しとなった。エースの西舘昂汰(経済4・筑陽学園)を休養に回し、6投手で継投したが、踏ん張り切れなかった。打線も東洋大・先発の岩崎峻典投手に8回まで散発6安打・7三振と完全に抑え込まれ、反撃の糸口を掴めなかった。
エース以外の各投手の明暗が分かれる結果となった。
今季4回目の先発マウンドを託されたのは1年生宮原明弥(経営1・海星)。初回、先頭の橋本選手に死球を与えると、その後1死2塁とされ3番宮下選手を迎えた。いきなりピンチを背負うと初球の直球を叩かれ適時二塁打を浴び、わずか7球で先制点を献上。後続を斬って2回のマウンドにも上がったが、6.7番にいずれも初球の直球を弾き返され、1回1/3で降板。直球の最速は145キロをマークしたが、甘く入ることが多い投球となった。
▲コースが甘くなってしまう球が多かった
その後マウンドに上がったのは前回登板でリーグ戦初勝利を上げていた須藤綺梨(経営2・延岡学園)。1死2.3塁からの登板となったが、9番・佐久間選手を三振、1番・橋本選手を一直に斬り無失点に抑えた。須藤はこの日も得意のスライダーを軸に変化球と直球を織り交ぜ、東洋大打線に的を絞らせなかった。結果的に6回まで投げ無安打に封じ込め、防御率0.00をキープ。流れを手繰り寄せる好投に齋藤正直監督も「非常に良かった。秋に向けて好材料」と称えた。
▲前回に続き好投を披露した須藤。最多の5回を投げ無失点に抑えた
後続を任されたのは石井夢沙士(経営2・秋田)だったが、苦い投球となった。1死後に1番・橋本選手を中安で出すと、2番宮本選手にやや内に入ったスライダーをすくわれ右越2点本塁打を浴びて痛恨の追加点を許した。なおも3番宮下選手に左安、4番の水谷選手は左直に抑えるも鋭い当たりで捉えられここで降板。これまで快投を続けてきた背番号13はほろ苦いマウンドとなった。
▲石井もこれまで防御率0.00だったが、痛恨の1発を浴びた
専大ベンチは秋田駿樹(経済3・広島新庄)を送るも、四球でピンチを拡大し6番・加藤選手に内に入った直球を走者一掃の左適時二塁打とされる。前回登板の国士大戦でも中継ぎで失点していた中で巻き返しを図りたい左腕だったが、この日も制球が定まらなかった。
▲悪い流れを断ち切れなかった秋田は悔しい投球となった
残りの2イニングは松下瑛亮(経済4・宮崎学園)と岡本陸(経営2・専大松戸)が登板。松下は9回に1点を失うも、「2イニング投げられるくらいには復調した」と指揮官。昨季抑えを任された剛腕右腕は残り少ない試合で更なる登板が見込まれる。
▲9回、適時打を浴び今季初失点の松下
▲打者一人を三振に斬った岡本
一方、打線は相手先発の岩崎投手に7回まで得点を奪えなかった。変化球を中心に低めに集められる投球に手を焼き、繋がりきらなかった。
ようやく反撃に出たのは8回。先頭の山本和輝(経営1・静岡)が初球を左安とすると、1死後に代打・宮崎優斗(経営3・佐賀商)がストレートの四球を選ぶ。その後2死2,3塁とし、打席には主将・小林寛弥(経営4・坂井)。「自分のタイミングで自分のスイングをするだけだった」とフルカウントからの直球を振り抜くと、3塁線を破る適時二塁打となり走者2人が生還。ここまで打率.111と苦しんでいたが、「自分ならやれるという気持ちは常に曲げずに練習に取り組んでいた」というキャプテンの一打でチームを鼓舞した。この流れで一気に詰め寄りたいところだったが、後続を斬られ打ち崩すことができず。結果的に散発6安打、7三振を喫し、本塁が遠かった。
▲▼開幕2戦目ぶりの安打となった小林。2塁ベースへ頭から滑り込み、「うれしかった」と笑顔でベンチに拳を突き上げた
ここまで全戦で勝ち点を得ている優勝チームは簡単に負ける相手ではなかった。貴重な勝ち点2を得るために、明日再びチーム一丸で宿敵との戦いに臨む。
文=河上明来海(文3)
写真=高橋尚之(経営4)