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〈第102回関東学生陸上競技大学対抗選手権大会 5月14日 相模原ギオンスタジアム〉
関東学生陸上競技大学対抗選手権大会(以下、関東インカレ)は最終日を迎え、ハーフマラソンが行われた。専大からは中山敦貴(経営4・湘南工大附)、山城弘弐(経営4・コザ)、福田達也(経営2・市立橘)の3名が出場した。いずれも自己ベスト更新とはならず、次に活かすべき課題が見つかった。
▲左から中山、山城、福田
3人のうち最速だったのは中山。「スタートラインに立てたことは最低限。レースに出られてまずよかった」と4月中は体調不良で上手く調整ができていない中で迎え、全体で25番の1時間5分33秒でフィニッシュ。5キロ付近までは集団の先頭を率いる形だったが、10キロに差し掛かったところから集団がペースアップ。「なんとか粘れるが、追ってはいけない状態だった」と振り返り、徐々に集団から離される。ただ、「粘らないといけないところで粘ること自体はできるようになった」と今季すでに2度ハーフマラソンに出場している成果が出た。これから求められる課題は「粘るベースタイムを3分切ること」。まずは10月の予選会に向け「今日のコースはタフだったが、予選会のコースはさらにタフ。今日の走りをチーム内で共有して、全体を押し上げていきたい」と最上級生の自覚を胸に、夏季の本格的な走り込みに入る。
▲初めの5キロまでは集団を率いた
チーム2番手に入った山城は1時間6分34秒と本来の力を発揮できなかったが、「下手すれば、68分台になるところだった」と明かした。10キロ過ぎ、コーナーを曲がった直後にペースが跳ね上がり、「ほかの選手は集団を作りなおしたが、自分はそこにすらつくことができなかった」とレース中盤にして単独走の展開。「人が離れていくので心理的にも苦しかった」という。だがここで山城はある試みに出る。「どうやったら少しでも楽になれるか、追いつく術を考えた」と着地の仕方を修正。足の裏全面を着くスタイルから、かかとでしっかり踏み込んでいく形に変えた。すると「アップダウンの時に生きて、どんどん追い越すことができた。それで自信がついた」と自身で編み出した試みが功を奏する。なんとか66分台に抑え込み、「悪かった割になんとかできた」とレースを終えた。それでも「ペースアップへの対応と坂道での走り」に課題が残り、「普段、同じペースだけで練習しているのをペースアップさせてみたり、自分で坂道を見つけて走ったりするなど工夫を凝らしてやっていかないと」と反省を忘れなかった。今季に入って状態が良い山城。今日の発見を得たうえで、まずは1か月後の全日本大学駅伝の予選に標準を定める。
▲レース中の試みでなんとか66分台に抑えた
福田は1時間7分1秒と自己ベストから1分半ほど遅れる苦しい走りとなった。「とても悔しい結果。自力がまだまだ足りてない」と自身の力不足を痛感した。3月に行われた日本学生ハーフではレース序盤で脱水症状に遭い、棄権。「ようやく巡ってきたチャンス」と意気込み臨んだが、理想通りの走りとはならなかった。後半に連れて粘れず、一気に足が止まり「身体の状態や筋力面が足りていない」と課題が浮き彫りに。他大の主力級と戦って痛感したこの悔しさをレベルアップの発奮材料にする。
▲福田はこの悔しさを糧にし今後に生かす
4日間行われた関東インカレはこれで終了。出場した選手は他校の主力レベルと戦う貴重な機会となった。チーム全体に経験を還元し、6月に行われる全日本大学駅伝予選に向けてレベルアップする。
文・写真=河上明来海(文3)