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2023.05.05
バスケ

【バスケ部】「我慢して」宿敵撃破! 逆転勝ちで準決勝進出

〈第72回関東大学バスケットボール選手権大会=5月5日 代々木 専大49-45東海大〉

 

▲試合が終わった瞬間喜びを爆発させる専大。我慢強さが最後に実った。


 我慢強く逆転勝ちを果たした。春季トーナメントで準々決勝に駒を進めた専大は東海大と激突。第4Q途中まで東海大にリードを許したが、38-39で迎えた残り4分の場面で市場脩斗がコーナーから3ポイントを決めて逆転。その後一度追いつかれたが、1年生の介川アンソニー翔のフリースローなどで突き放し、ライバルを撃破した。6日に準決勝の日体大戦が行われる。

 

 「我慢」。赤嶺有奎主将が繰り返したこの言葉が、宿敵撃破のカギとなった。「何点差離れようとみんな我慢しようという部分があった。コートの5人だけでなく、ベンチも応援席も一体となって我慢し続けたのが勝ちにつながった」と主将は振り返る。インサイドで得点を重ねるのが強みの専大にとって、インサイドのディフェンスが強固な東海大は相性が悪く、過去何度も苦杯をなめさせられてきた。トーナメント開幕前にも東海大と対戦し、そこでも完敗を喫した。だからこそ、東海大には強い意識を持ち、今大会もこの日を山場と位置づけて臨んできた。

 

▲赤嶺有奎主将。大きな声でチームを鼓舞し続けた。


 この日も第2Qでわずか7点に封じられるなど強固なディフェンスを前に大苦戦を強いられた。しかし、「点が取れないという焦りがあったが、我慢して点を取らせないという部分にフォーカスした」(赤嶺)と、いずれ流れが来ると信じて我慢強く守り続けた。

 

 すると最終第4Qで専大に流れが傾いた。34-38で迎えた残り8分35秒で1年生のジョベモハメドが僅かに空いたインサイドのスペースを自ら切り込み豪快にダンク。その後1点を加えられるが、残り5分40秒で上村大佐が鮮やかなドライブから得点し38-39。


▲豪快なダンクを決めたジョベモハメド。

▲上村大佐。コート中央から鋭く切り込んだ。


 そして迎えた残り4分。ボールを受けた佐藤寛太が反対コーナーにいる市場へロングパス。フリーの市場は冷静に3ポイントシュートを放ち、見事に沈めた。41-39。大歓声に包まれたアリーナで、背番号12は笑顔を浮かべた。



▲流れを大きく引き寄せるコーナースリーを決めた市場脩斗。

 

 その後一度は追いつかれたが、介川のフリースローで再び前に出ると、クベマジョセフスティーブのインサイドでの得点や淺野ケニーのフリースローなどで突き放した。49-45。壮絶なロースコアゲームを制し、準決勝進出を決めた。ネガティブなイメージを払拭した重要な1勝に、専大は喜びを爆発させた。

 

▲勝ち越しのフリースローを決めた介川アンソニー翔。


 チーム全員で我慢して勝利を掴んだ。試合を決定づけるフリースローを決めた淺野も「チームで我慢し続けたから、最後1歩前に出て勝つことができた」と振り返った。昨年のインカレの日大戦、同じ代々木でフリースローを外した淺野だったが、「いい緊張感で、自分なら決められると思っていた」と、最後に2本をしっかり決めた。試合後、「最後決められてよかった」と胸をなでおろした。久原大弥や鈴木悠斗、喜志永修斗など頼れるガードが抜け、今年は司令塔の役割も担う。「点数は伸びていないが、声とかディフェンスというのでチームに貢献できるように」。冬を越え、よりたくましい選手へと成長を遂げた。

 

▲最終盤に冷静にフリースローを決めた淺野ケニー。


 淺野をはじめ、3年生の活躍が勝利を引き寄せた。スターターを任されるようになった當山修梧は3本の3ポイントを決めるなど躍動。第3Qに3本目を深い位置から決めると、「自然と出た」と大きなガッツポーズを見せた。さらに上村大佐と佐藤寛太が4得点を記録し、淺野や市場も攻守で強い存在感を放った。主将の赤嶺も「後輩たちに助けられてばっかりだった。(當山)修梧や市場や(佐藤)寛太が体を張って戦った結果がこの勝利だと思う」と目を細める。3年生の躍動が、今の専大の原動力になっている。


▲當山修梧。9得点を決めるなど勝利に大きく貢献した。

▲佐藤寛太は無念の負傷退場となったが、攻撃で存在感を発揮した。

 

 我慢強く掴んだベスト4。準決勝で対戦する日体大も、昨年のリーグ戦で敗れた難敵。主将は「筑波大と大東大を倒して勢いのあるチーム。去年のチャンピオンだという強い気持ちを持ちつつ、チャレンジャーの気持ちも持ちながら頑張りたい」と力を込めた。


文=野見山拓樹(文4)

写真=鶴本あい(法3)髙野葵葉(文2)