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〈令和5年度東都大学野球春季2部リーグ戦=4月18日 等々力 専大3―4東農大〉
▲降板する宮原明弥。早くも先発マウンドを任されたが、4回2/3を4失点と初勝利をもたらすことはできなかった。
初勝利を目指した専大だったが、中盤の失点が響き1点差で惜敗。開幕4連敗となった。この日は宮原明弥(経済1・海星)を早くも先発起用。4回までは粘りの投球を続けたが、先制点をもらった直後の5回に崩れ逆転を許す。打線の反撃も及ばず、東農大に勝ち点を献上した。
1-0で迎えた5回、好投を続けていた宮原が突如崩れた。先頭8番・武田選手を歩かせると、2死から四球と右安で満塁のピンチを招く。そこから4番の酒井選手に押し出し死球を与え同点。さらに5番の和田選手にも四球を与え、連続四死球で逆転を許した。宮原はここでマウンドを常田唯斗(文3・飯山)に託すが、その常田が6番の根津選手に2点適時二塁打を浴びた。5回途中4失点で敗戦投手になった宮原は「調子自体は悪くなかったが、テンポが悪く四死球が多かった」と反省した。
▲宮原について齋藤監督は「4回からちょっと緊張が見えた。代えてやってればっていうのもあるが、勝ち負けに関係なく失敗も経験して伸びていくと思うので」と話した。
▲拓大戦に続いてピンチの場面で登板した常田。この日も代わりばなを叩かれ、「直球がやや内に入ってしまった」と悔やんだ。
打線はこの日もつながり切らなかった。1番に戻った西村進之介(経済4・栄徳)が2安打を放ち、3番で起用された松永知大(経済2・創成館)が2本の三塁打を放つなど上位を打つ2人が奮闘。しかし、2試合連続で6番以降に安打が生まれないなど、上位打線と下位打線の分断は依然深刻。小林寛弥主将(経営4・坂井)は、「自分が自分がとなってしまって、打線につながりがなくなっている」と分断の原因を分析。「最終回は3者凡退だったが、ようやくいい当たりが集中した。初回からあの当たりを出さないと」。主将はうつむきながら言葉を絞り出した。
▲1番に戻った西村進。この日は1打席目から鋭い打球を外野へ飛ばした。
▲松永は2試合で3本の三塁打を放つなど好調をキープ。攻撃の起点となっている。
▲下位打線の不振は試合を追うごとに深刻になっている。写真は西里颯(経済3・興南)。
齋藤正直監督は「(打線が上向くには)捨て鉢にならないこと。(安打が)出ない時は何でも追いかけちゃう。疑心暗鬼になって何でも振っちゃうのが悪い結果を生んでしまう」と、ボールを待ち切れていないことが打線の不調を招いていると話す。「打てない打者の時はその雰囲気がバッテリーにも伝わる。伝わるから投手は腕を振れる。そういうところで決まるわけですよ。そういう意味ではまだ雰囲気が出ていないんでしょうね」と、各打者が悪循環に陥っていると指摘。アプローチや打席での振る舞いから改善を図る。
▲齋藤監督は試合後、「落ち込んでいても仕方がありませんので、明るく前向きにやっていくしかないです」と切り替えを求めた。
一方で、投打ともに浮上の兆しは見えた。6回から3番手でリーグ戦初登板を果たした須藤綺梨(経営2・延岡学園)が2回無失点、4番手の石井夢沙士(経済2・秋田)と5番手の太田流星(経営4・札幌大谷)がともに1回無失点。安定した投球で流れを見事に引き戻した。
▲初登板で無失点救援を見せた須藤綺梨。齋藤監督も「手の速さとボールが合っていないから差せる」と絶賛した。
▲4番手の石井。持ち前の力強い直球で3人で斬った。
▲5番手の太田流も完璧な救援を見せた。救援陣は齋藤監督のプラン通りの活躍を果たした。
ここまで不振が続く外山優希(経営4・開星)が4回に適時内野安打を放ち、絶不調の山本健斗(経済4・松商学園)も8回に1点差に迫る適時打を放った。いずれも捉えた打球ではなかったが、指揮官は「適時打が出るとバッティングって上向きになりますから、それ(調子が上向くこと)を信じている」と期待を込めた。
▲8回に適時打を放った山本健。本来の姿とはまだ程遠いが、この1本をきっかけにしたい。
次戦は4月29日に国士大と対戦する。現在リーグ唯一の未勝利で単独最下位だが、チームの暗さを振り払い、まずは初勝利を目指す。
文=野見山拓樹(文4)
写真=高橋尚之(経営4)河上明来海(文3)