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〈第46回リリーカップカナガワ=4月9・15~16日、KOSÉ新横浜スケートセンター〉
神奈川県のフィギュアスケーターの記録会であるリリーカップカナガワが4月16日にKOSÉ新横浜スケートセンターで行われた。
この日行われた選手権フリースケーティングには専大から男女1人ずつが出場した。まず選手権女子フリースケーティングに出場したのは廣田彩乃(法4・橘学苑)。廣田がこの日披露したのは「エクソジェネシス」。プログラムを提出した時点では別の曲を選んでいたが、曲のリズムとジャンプが合わず急遽3~4週間前に大学1年生の時のプログラムであるこの曲に変更した。
廣田は序盤から持ち前のしなやかさで会場を魅了した。最初の3回転サルコウを成功させると、その後もキレのあるジャンプやレベル4のスピンを華麗に決めた。中盤のコンビネーションジャンプでは若干荒さが出たものの、全体を通して丁寧さが際立つ演技となり、91.35で3位に輝いた。
▲氷上で華麗に舞う廣田
▲最後には笑みもこぼれた。リンクには歓声が響いた
彼女自身、「1個失敗しても、最後まで集中してやり通すことができた」と好意的に演技を振り返るも「1つ、跳んだ瞬間に辞めてしまったジャンプがあった。跳び終わる瞬間まで集中を切らさずにしたい」とジャンプに関しては改善していきたいと語った。
最初から最後まで、同じリンクで練習する仲間の大きな歓声が響いた。「久しぶりの有観客試合で雰囲気も良く、またホームのリンクなのでいろんな人が応援に来てくれた」と後押しになった。また7月のシーズンインに向けては「楽しく、見ている人を幸せにする演技をしたい。まだ就職するか競技を続けるかは決めていないけれど、どっちでもいい方向に進むようにしたい」とにこやかに決意を述べた。
続いて選手権男子フリースケーティングには梶本将太(法2・駒場学園)が出場。今年のインカレでは5,6級の部で優勝している。そんな梶本のプログラムは「who wants to live forever」。ジャンプでは一部乱れる箇所があったが、「大きく見せるようにしている」と本人も語るスパイラルでは、長い手足を活かしてダイナミックな動きを見せた。最終的には85.10で3位につけた。
▲美しいスパイラルを決める梶本
「いつもよりリラックスしていたので、その分スピードを出すこともできた」と語る梶本だが、「ジャンプの細かいところでミスしてしまった。手をついてしまったり2回転が1回転になってしまったりして」とジャンプ面での反省を述べた。「そもそも練習の中で、ジャンプにかける時間が少なかった。意味のある練習ができていれば、もう1個順位は上がったと思う。もっと詰めて練習をしたい」とこれからの練習に向けて意欲を見せた。
今後の目標に関しては「今年は7級を取って、インカレでも7級の大会に出たい。あと3年しかないので、毎年進歩していたくて。ここ2年技術が変わっていないので、伸び悩んでいるところを改善していきたい」と将来を見据えていた。
▲表彰台に立つ梶本。他の選手が7級(全日本選手権出場ライン)の中、6級として出場した
フィギュアスケートのシーズンは7月からだが、それぞれの目標に向かっての準備はすでに始まっている。この2人を含めた新生フィギュアスケート部への期待が高まる。
文=山口由結(文3)、写真=相川直輝(文4)