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〈令和5年度東都大学野球春季2部リーグ戦=4月5日 上尾 専大1―6拓大〉
▲先発マウンドを任された西村卓が大乱調。序盤で大勢が決した。写真左から加藤大悟、西村卓真、齋藤正直監督。
完敗だった。逆転での勝ち点獲得へ巻き返しを図った専大だったが、序盤の大量失点が響き連敗。拓大に勝ち点を奪われ、昇格に向け厳しい滑り出しとなった。リーグ戦初先発となった西村卓真(経営3・専大松戸)は、1回2/3を4四死球3安打4失点でKO。課題の制球に苦しみ自滅した。打線も4回の山本健斗(経済4・松商学園)の適時打で1点を返すに留まり、拓大先発の新地投手の前に沈黙した。次戦は4月17日、等々力球場で東農大と対戦する。
試合は終始拓大ペースだった。初回、西村卓は先頭の田村大哉選手に四球を与える。田村大選手への最後のボールが大きく外れ後方へ転がると、田村大選手は2塁へ向かう。さらに捕手の加藤大悟(経営1・専大松戸)の2塁への送球も外野に転がり、いきなり無死3塁のピンチを招く。1死後、3番の古澤選手に直球を中前に弾き返され拓大が先制。その後2つの四死球で2死満塁にピンチが広がったが後続を断ち、何とか最少失点に留めた。
▲初回の西村卓。抜け球が多く、甘く入った球を狙われ先制を許した。
2回は3球で2死を取ったが、1番の田村大選手の中安、2番五十嵐選手の四球で1、2塁とされる。続く古澤選手に再び適時打を浴び追加点を許した。齋藤正直監督はここで西村卓を諦め、常田唯斗(文3・飯山)へスイッチ。その常田が4番・宮浦選手に左翼席への3ランを浴び、これで0-5。序盤で相手にペースを握られた。
▲西村卓は2回持たずにノックアウト。先発起用に応えることはできなかった。
しかし、救援陣は見事な投球を見せた。2番手の常田は4回に3者連続三振を奪うなど、力強い直球を軸に拓大打線を簡単に料理。「クイックでの投球はコントロールバラバラな感じはあった」と反省点を挙げたが、4回1/3を3安打4奪三振1失点と見事な投球を見せた。7回に登板した秋田駿樹(経済3・広島新庄)も、走者は背負ったが無失点で切り抜けた。3年生2人の安定した投球で試合を立て直した。
▲2番手で見事な投球を見せた常田唯斗。「次回は先発も」と先発登板に意欲を示した。
▲3番手の秋田駿樹。落ち着いた投球を見せた。
8回には大物新人の宮原明弥(経営1・海星)がリーグ戦デビューを果たす。6番の國井選手にダメ押しの中前適時打を浴びたが、失点後は落ち着いた投球で後続を斬った。9回に5番手で登板した岡本陸(経済2・専大松戸)も、この日がデビュー戦。2つの三振を奪うなど、3者凡退で終える堂々の初登板となった。序盤から苦しい展開となったが、3年生以下で何とか踏ん張った。
▲大型ルーキーの宮原明弥。「自分の投球をしようと思った。直球をコースに投げることができた」と初のマウンドを振り返った。
▲甲子園経験を持つ2年生の岡本陸も堂々のデビューを果たした。
打線は最後までつながりを欠いた。得点は4回の山本健の適時打のみ。9安打を放つなど走者は出し続けたが、先発の新地投手にことごとく交わされ、2日連続で技巧派左腕を捉えられなかった。
▲4回に適時打を放った山本健斗。
優勝を狙う上で痛い敗戦となったが、齋藤監督は「そんなことないです。織り込み済みです」と話す。「(投手は)投げるので精一杯で、走者を出した時に余裕がなかったという感じはしますよね。まあ春はチーム作りが優先なので、これもやむを得ないかなとは思うんですけどね」と、2日間の戦いぶりを分析。「2日目のピッチャーは色々試してと思っていた。たまたま西村卓がああいう風な状態になったというだけで、最初からそうなる可能性はあるなと思っていました。育てていかないと」と、チーム作りに主眼を置きながら戦う方針を明かした。敗戦は監督の責任と強調し、「監督はいつも明るいです。(選手たちは)2連敗したからってしょぼくれてるんですよ。なんで選手ってしょぼくれるんでしょうね」と選手に切り替えを求めた。
文=野見山拓樹(文4)
写真=高橋尚之(経営4)