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2023.01.15
スピードスケート

【スピードスケート】「チーム専修」V3! インカレ最終日 

(第95回日本学生氷上競技選手権大会スピード競技=1月5日~7日 苫小牧ハイランドスポーツセンター)


日本学生氷上競技選手権大会スピード競技は7日が最終日。男女2000mリレー、男女チームパシュートレースと、インカレならではの「学校対抗」の要素がより強い団体戦が行われた。


男子2000mリレーは4名が500mを走るレース。専大は第一走から野々村太陽(経営3・白樺学園)、高見澤匠冴(経営1・小海)、原純夢(経営3・佐久長聖)、森重航(経営4・山形中央)がエントリー。最終5組での出走となった専大は、「チームに勢いを」と話す野々村が第1走でスタート。「団体種目、いつもと違う緊張感の中でも良い滑りが出来た」と、400m地点で1位となり先陣を切った。

▲スタート時、チームメイトに声をかける野々村

第二走は高見澤。「全体的にまだまだ。もっと強くなりたい」と総括したが、800m、1200m地点でも1位をキープ。

▲期待のルーキー・高見澤

続いてバトンを受け継いだ原も順調にレースを展開するが、バトンパスで歯車が狂った。最終走者、森重との受け渡しで原が転倒。最終500mを残して優勝が確実と思えた専大に悲劇が襲った。

▲惜しくもバトンパスがうまく行かず

それでも森重は懸命に走り抜き、結果は10チーム中6位。ワールドカップ組が合流して久々の団体戦。練習時間も限られていた。近藤太郎監督は「こればっかりは仕方ない。タイムを狙いに行った中での(バトンの)ミスだった」と振り返る。森重は「後悔とかはない。また来年再チャレンジしてほしい」と後輩たちにメッセージを残し、原も「来年もまだある。このミスを失敗で終わらせないようにしっかり練習していきたい」と前を向いた。4年生の想いはしっかりと後輩たちに受け継がれている。

▲それでも走りぬいた最終走者・森重


続いて行われた男子パシュートレースは、堀川翼(経営4・白樺学園)、谷垣優斗(経営2・白樺学園)、三井晃太(経営2・東京都市大塩沢)の3名で出走。1周500mのリンクを8周走り、タイムを競う。こちらも最終組での出走となった専大は、3週目までは同走の高崎健康福祉大学を追いかける展開。しかし、専大はパシュートに向けてしっかり作戦を練っていた。近藤監督が「最近の流行りで極力先頭の交代をしない。コース取りをしっかり意識させて滑る」と話すように、専大は一度も隊列を変えることなく走りぬいた。

▲(先頭から)堀川・谷垣・三井の隊列は一度も崩れることはなかった

4週目からは1位をキープし、2位とは5秒差以上を付ける4分3秒80でゴール。堀川は「最後の種目で優勝で終わることが出来た。嬉しかった」とゴール時の心境を振り返った。谷垣は「どれだけ先頭の堀川先輩が楽に滑ってもらえるかを意識した」と話し、三井も「堀川先輩を勝たせるということを意識して、優勝しか見ていなかった。辛い練習の分、その分嬉しさも大きかった」と、先輩への想いを明かした後輩2人。「他のチームは若干バラついていたが、うちは後ろの選手のサポートもあり、しっかり押して最後まで連れて行ってあげていた」と近藤監督が話す「作戦勝ち」という面に加え、先頭を走った4年生、堀川を優勝させたいという後輩たちの気持ちで勝ち取った優勝だった。

▲ゴール直後の選手たち(左から谷垣、堀川、三井)


3日間の個人種目、団体種目の結果を合わせて表彰される総合成績でも、専大は見事優勝。2020年、2022年(2021年は新型コロナウイルスの影響で開催中止)に続き、3連覇となった。

▲表彰式でトロフィーと表彰状を授与された4年生2名(左から森重、堀川)

近藤監督は「選手はみんな頑張ってくれた。これ以上はない。欲を言えば、1500m・500mも優勝を狙える実力はあった。若干悔しさは残るが、他の大学も気合入れて合わせてきている。真剣勝負なので仕方ない」とこの3日間を総括。

今年度から就任した指揮官にとっては初めてのインカレで、「正直結構落ち着かなかった。僕が緊張していると選手に(緊張が)移ってしまうので堂々としていた」と笑みを浮かべながらも安堵の表情を見せた。

▲選手を信頼して送り出している指揮官の様子がよく見られた3日間だった

今後は「学生のためのオリンピック」と言われるワールドユニバーシティゲームズ大会に参加する組、国体や国内大会に向けて調整する組に分かれる。「調子があまり良くない選手はインカレをきっかけに調子を上げてくれればいいし、良い成績を出せた選手は今までにないくらい自信を持てたと思う。また頑張ってほしい」とさらなる期待を寄せた。


ワールドカップなど世界各地を飛び回る選手たちにとって、このインカレの3日間が「チーム専修」として戦える唯一の大会だ。近藤監督が2日目終了時に話した「強い専修大学であり続けるために」という言葉。今回もしっかりとその強さを見せつけ、またそれぞれの舞台へと飛び立っていく。

文=萩原健丸(経営1)

写真=北原倖多(文1)