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2023.01.06
スピードスケート

【スピードスケート】インカレ初日は10000m菊池がリンクレコードを叩きだし優勝!  

(第95回日本学生氷上競技選手権大会スピード競技=1月5日~7日 苫小牧ハイランドスポーツセンター)


日本学生氷上競技選手権大会スピード競技が5日、北海道・苫小牧ハイランドスポーツセンターで開幕した。初日は男女500m、男女1500m、男子10000mが行われ、専大からは男子3部門にそれぞれ3名ずつの選手がエントリーした。


その中で圧巻の走りを見せたのが、男子10000mで優勝、リンクレコードを叩きだした菊池健太(経営2・白樺学園)。1日目最後の種目で、出走も最終組。「自分が滑る前のトップの記録をまずは目標に設定した」と話す菊池は、序盤から安定した滑りを見せ、400m地点から5200m地点までは常時ラップタイム2位で通過すると、5600m地点でトップに躍り出た。

▲安定した滑りを見せる菊池

「中盤、通過したラップを見て(リンクレコードの)14分を切れるかなと思い、それに向けて(ペースを)上げることが出来た」とレース中の心境を明かした。

応援しているチームメイトからは「リンクレコード行けるぞ!」との大きな声援も飛ぶ中、菊池は最後まで冷静な走りを見せる。

「レース展開がとても良かった。常に安定したラップを刻むことが出来た」と、ラップタイムがトップに躍り出てからは一度もその座を明け渡すことなく、13分58秒39でゴール。大きく人差し指を突き上げ、仲間たちの声援に応えた。

▲ゴール後は喜びを爆発させた

北海道・浦河町出身の菊池にとって、今回の会場である苫小牧ハイランドスポーツセンターは中学時代に練習で訪れていた馴染みの深いリンクだ。「今日は競技運営のスタッフの方が小さいころからお世話になっている方ばかりだった。久々のこのリンクでの大会で、アットホームな雰囲気で楽しく滑ることができた」と喜びの表情を見せた。

菊池の走りについて近藤太郎監督は「調子も上がってきていた。トップで戦う自覚が少しずつ芽生えてきているのでは」と、さらなる躍進を期待する。

▲故郷で1位の賞状を掲げた

同じく10000mに出場した堀川翼(経営4・白樺学園)は粘り強い走りを見せ、タイムは14分42秒34で5位。谷垣優斗(経営2・白樺学園)は「仲間の応援でいつもより頑張れた」と振り返り、タイムは14分47秒83で6位と、専大から出場した3名全員が表彰される結果となった。

▲10000m出場の3名


一方で、500m・1500mでは悔しさの残る結果となった。

1日目最初の種目、男子500mでは、2022北京オリンピック銅メダリストの森重航(経営4・山形中央)が出場。ゴール前のデッドヒートの末、1位とは0.06秒差の36秒29で2位に終わった。

▲コーナーを駆け抜ける森重

「最低限が出来なかったレース」と振り返る森重。「どれだけ悪くても勝たなければいけなかった。そこで負けてしまって、個人としても悔しいし、チームの最初の種目でもあったので申し訳ない気持ちでいっぱい」と、エースとしての責任も感じている。

苫小牧ハイランドスポーツセンターは珍しい屋外のリンクだ。「今季初の外リンク。気温などで氷の状態が変わるので、感覚を掴むのが難しい。(外リンクにも)対応していかなければいけないが、自分の経験が浅かった」と反省を口にした。

また、12月のワールドカップカルガリー大会から連戦が続いているが、「長期間の海外生活で疲れているといえば疲れているが、それを言い訳にしたくはない。勝っている人は勝っている。今日の自分が悪かったと思う」と強調した。

明日の1000mに向けて、「今日の結果は素直に受け止める。1000mでは自分の持ち味を出し切って、悔いの残らないレースにしたい。最後までチームの為ということを一番に考える」と意気込みを述べた。

同じく500mに出場した高見澤匠冴(経営1・小海)はスタートで良い動きを見せ、37秒23で9位、原純夢(経営3・佐久長聖)は「最初から力んでしまった」と振り返り、37秒45で11位。

▲スタート時の高見澤

▲原も悔しい結果になった

1500mでは野々村太陽(経営3・白樺学園)が1100m地点まで1位をキープ。「前半から飛ばすことを今回は意識した」と話す通りの展開になるも、「その分最後の一周が持たなかった」と、最終周で追い抜かされ、1分50秒08で結果は2位。

▲レース前半は理想の展開

野々村もワールドカップ出場組。「毎週のレースで疲労が溜まっていたり、海外での生活で体重が落ちていた。その中でもう一回基礎作りの練習をしていかなければ勝っていけない」と、自身の課題を分析。

明日の1000mに向けては「今日の1500mは2位。明日は1位を取れるように、攻めたレースをしていきたい」と雪辱を誓った。

1500m組では蟻戸一永(経営3・白樺学園)が1分52秒48で4位。「自分はスピードがあまりない。キープして、後半追い上げ出来たら」というプランを立てたが、「後半も失速してしまった。悔しい気持ち」と振り返り、「1500mが一番得意。上位を狙う気持ちで行った」と語る、笠原光太朗(経営1・帯広三条)は「その気持ちが裏目に出てしまい、足が動かなかった」と、1分54秒09で6位。

▲4位で入賞を果たした蟻戸

▲「明日もまた一から頑張る」と話す笠原

悔しさを滲ませる1500m組だが、10000mと同じくこちらも3名ともに入賞。

初日を終え、近藤監督は「ワールドカップや全日本選手権などが続き、かなり疲労もある中、しっかり仕事をしてくれた。チームの雰囲気も盛り上がってきている」と総括。明日は5000m、1000mが予定されている。「トータルで見れば良い一日だったが、500m、1500mでは1位を逃した。そこは選手が一番わかっていると思う。ワールドカップ組の意地にも期待したい」と、今後の展望を語った。

▲初日を振り返る近藤監督

スピード部門3連覇に向けて上々の滑り出しとなった「チーム専修」。2日目も凍える屋外リンクを舞台に熱い滑りを見せる。


文=萩原健丸(経営1)

写真=北原倖多(文1)萩原健丸(経営1)