最新ニュース
〈令和4年度東都大学野球2部秋季リーグ戦=10月25日 神宮 専大1-3東洋大〉
▲専大は7人の投手をマウンドへ送り込んだ 写真は新出篤史(左)と石井夢沙士(右)
すでに2部優勝を決めた専大は、勝ち点を懸け東洋大との今季最終戦を戦った。「消化試合」ということもあり、ここまで登板機会に恵まれなかった投手を積極起用。試合には敗れたものの、7投手の継投で強力な東洋大打線を3失点に抑えた。17年春以来の1部昇格に向け、準備を整えた。
前日の試合が雨で流れ、舞台は神宮球場へ移された。専大の先発は肥沼竣(商2・加藤学園)に託された。今季初の先発マウンドとなった2年生右腕だったが、初回の1球目から1番の松本渉選手に右線際に落ちる三塁打を浴びる。続く水谷選手の二ゴロの間に3塁走者が生還し、早くも1点を失う。その後も四球と二塁打で2、3塁のピンチを招き、5番矢吹選手の右前適時打の間に2点目、さらに6番宮下選手の中犠飛で3点目を失った。立ち上がりこそ苦しい投球となったが、2、3回は立て直し無失点。加藤響選手と石上泰選手といった強打者から三振を奪うなど、力強い投球も見せた。
▲今季初の先発マウンドとなった肥沼
2番手は左腕・秋田駿樹(経済2・広島新庄)。今季初登板だったが、キレのあるボールを淡々とゾーンに投げ込み、4回を三者凡退。5回には満塁のピンチを招くも無失点で切り抜けた。
▲今季初登板の秋田 5回のピンチも落ち着いて切り抜けた
6回はこちらも今季初登板の太田流星(経営3・札幌大谷)がマウンドへ。下手投げの右腕は独特な軌道で相手を翻弄し三者凡退。7回は向井龍介(経済4・八戸工大一)が登板し、10球で三者凡退に抑える。今季初登板の投手3人で中盤の4イニングを封じ込んだ。
▲4番手の向井龍介
投手陣の奮闘に応えるように、打線も反撃に出た。7回、先頭の外山優希(経営3・開星)が一二塁間を破ると、代走の北原拓未(経営4・松商学園)の盗塁などで1死2塁のチャンスを作る。続く今里凌(経営4・専大松戸)がしぶとく一二塁間を破ると、北原は快足を飛ばして一気に生還。ここまで苦しんでいた背番号3に今季2打点目が記録された。
▲7回、右前適時打を放つ今里
▲外野が前進する中、快足を飛ばしてホームに帰ってきた北原
8回は石井夢沙士(経済1・秋田)が登板。先頭の橋本吏選手に右安を許すが、3番の石上泰選手から三振を奪う。4番小口選手を歩かせ1死1、2塁のピンチを背負うも、5番の矢吹選手を三飛に打ち取る。ここで専大ベンチは投手を常田唯斗(文2・飯山)にスイッチ。常田は6番宮下選手を1球で二ゴロに打ち取りピンチを切り抜けた。
▲5番手の石井 1年生ながら今季は3試合に登板した
▲6番手の常田 わずか1球でピンチを切り抜けた
最終回は松下瑛亮(経済3・宮崎学園)がマウンドに上がる。1死から内野安打を1本許したが、後続を連続三振に斬り無失点リリーフ。投手陣は2回以降8イニング連続でスコアボードにゼロを並べる大健闘を見せた。
▲最終回に登板した松下 今季は4登板で2勝をマークした
打線は8、9回と得点圏に走者を進めるも、ホームは遠かった。そのまま1-3で東洋大に勝ち点を献上。専大は9勝3敗、勝ち点4で秋季リーグを終えた。
リーグ戦を終えて齋藤正直監督は「前の日の試合(23日の東洋大戦)はタイブレークでタイムリーを打たれて負けてしまった。さてと思ったが、翌日に新出(篤史⦅経済4・函館大有斗⦆)がチームの雰囲気を普段通りに戻してくれた」と優勝の舞台裏を明かす。「助かりましたよね」とグラウンド外での主将の振る舞いを称えた。入れ替え戦に向けて、「プレッシャーというのはいつも味わえるわけではない。逆に選手にとっては幸せかなと思う」と話す。「私たちのチームは投手を中心とした守り抜くチームというわけではない。従来の攻撃的な野球をやっていきたい」と意気込んだ。
1部昇格へ向け、ここからが本番。相手は19年春の入れ替え戦で敗れた駒大。指揮官は「東洋大戦での課題や、駒澤大学の特徴を掴みながら備えていきたい」と決戦を見据えた。
文=野見山拓樹(文3)
写真=相川直輝(文3) 高橋尚之(経営3)