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2022.10.25
陸上競技

【陸上部】後半の追い上げが奏功 予選会詳細

<第99回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 10月15日 陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園>



3年ぶりに市街地コースで行われた予選会。前回大会、本選20位と悔しい結果に終わった専大は、記録10時間46分56秒、総合8位で見事本選への切符を掴んだ。木村暁仁(経営3・佐久長聖)は62分32秒の日本人トップでゴールし、専大として第83回大会の座間紅祢さん以来、16年ぶりの快挙を成し遂げた。



レースは序盤、留学生を先頭とした大きな集団で進む。天候は曇り、風も弱くスタート前は高速化も予想されたが、最初の1キロを3分ちょうどで通過するスローな展開。最初の計測地点である5キロでは専大は総合16位と出場権獲得圏内から遅れを取る。

 


レースが動いたのは8キロ過ぎ。駐屯地内から市街地へ出たタイミングで集団を引っ張っていた留学生が抜け出す。日本人先頭集団からは石原翔太郎選手(東海大)が逃げるも、日本人2位集団に木村がつける。2度目の計測、10キロ地点では専大は総合14位と徐々に順位を上げる。



レース後半、14キロ付近の公園内へ入るところで日本人2位集団が石原選手を捉える。木村は「視界が開けている、風よけになる」と集団内やや右後方に位置取り冷静にレースを進めると、15キロ地点を過ぎたところでギアを上げる。「主務の先輩が出したチームの順位が10位以下だったので、自分が稼がないといけないと思った」と本来17キロ過ぎで仕掛ける予定を早めた。木村についていける選手はおらず、そのまま日本人1位、総合8位でフィニッシュ。前日の食事では箸が震えるほど緊張していたが、スタート直前には吹っ切れやらないといけない気持ちになったという木村。「目標としていた1位(を獲れたこと)は何にも代えられない、素直に嬉しい」と話すも「タイムだけを見ると、本選に出場する大学が出ていたら相当な差をつけられて負けていたと思う。本選では全く違う戦いがあると思うので、しっかりまた1から作り直していきたい」と気持ちはすでに本選に向いていた。



〇後半勝負に出た専大

木村以降の選手も公園内に入ってからのスパートが効いた。特にチーム3番手から8番手の全員が15キロ地点からフィニッシュまでに20以上のポジションアップに成功。最終的には総合8位で本選への出場権を獲得した。長谷川淳監督はレース前、後半にアップダウンのあるコースであること、天候から最初はみんな飛ばすだろうと予想のもと、選手には「後半の14キロ、公園内に入ってからが勝負。そこまでは余裕があってもためるように」と指示。結果的にこれがうまく機能した形に。チーム8位に関して「目標は5位以内だったが、許容範囲。事前に想定していた個人のタイムとほぼほぼ同じで来てくれた」と力通りの走りをした選手たちを評価した。



〇主将髙瀨 本選出場は「自信なかった。」

「集団走が予定より早く崩れた、15キロ地点で総合12位だったため手応えはなかった」。主将、髙瀨桂(経営4・鳥栖工業)はレース後の心境をこう打ち明けた。結果を聞き、本選出場が決まった瞬間は「とにかくホッとした」と話した。

髙瀨は怪我の影響で、予選会1ケ月前までは本格的に走ることができなかったものの、怪我明けからはメインの練習をしっかりとこなせており「自信があった。当日スタートラインに立った時は、不安や緊張はなかった。」と振り返る。個人としてはチーム3番手、総合64位も、14キロ地点までチームとして集団走で引っ張り、押し上げていく当初の役割を果たせず、結果には満足していなかった。

「予選会上位10校の代表となり他校からも注目される。その分しっかり自覚を持ち、本選までの各大会や記録会で恥じない結果を出していかないといけない。本選では20位が続いているのでそこは脱したい」と話すとともに、チームの目標であるシード権を目指し「自分・木村・ダンカンの三本柱に限らず全員で押し上げて行きたい」と意気込みを語った。



〇水谷、野下の「安定感」

野下稜平(経済3・鳥栖工業)はチーム4番、総合91位、水谷勇登(経営3・敦賀気比)はチーム5番、総合103位と揃って2年連続チーム5番手以内でフィニッシュ。起伏があるコースを得意としており本選でも2年連続で山登りの5区を任されていた野下は、レース前からコース後半の公園内で積極的に走ろうと決めていた。「自分の強みである安定感が出していけたことは率直に嬉しい。チームとしても、年々順位が上がってきていて良い方向に来ている」と語る。



〇新戦力の台頭

初の予選会出場となった千代島宗汰(文2・鳥栖工業)は「ビビるくらい緊張していた。2日前から寝られなかった」と予選会前を振り返る。しかし、監督からの「上級生に連れて行ってもらう気でのびのびと走りな」という声掛けで当日は振り切って楽しもうという心境で迎えることができた。レースでは、後半に勝負するプランを成功させ、チーム7番、総合122位でフィニッシュ。自己記録の更新も果たした。本選では区間12番以内を目標にする千代島。「チームのシード権獲得に向け自分が区間12番以内を獲ることができれば全般の流れを崩すことなくつなぐことができる」と自らの役割を分析した。

粟江倫太郎(経営3・三浦学苑)は前回大会の予選会ではチーム最下位と悔しい結果に終わったが、今年は夏合宿で自信を持てる練習ができた。当日、緊張感はなくリラックスしてスタート。15キロ地点から疲れが出始め、ペースは落ちたが最終的に自己記録を3分近く更新しチーム8番、総合173位でフィニッシュした。予選会を通じて15キロまではしっかりと戦うことができると分かった粟江は「後半のアップダウンに対応する力を意識してこれからの練習に取り組みたい」と話した。



3年連続で予選会からの本選出場を果たした専大。本選で掲げる目標はもちろんシード権獲得だ。来年の1月2日を自信をもって迎えられるよう、専大陸上部は闘志を燃やし続ける。


▲左から木村、髙瀨、野下、千代島、粟江


【全体結果】

・総合成績

8位 10:46:56 専修大学

・個人成績

8位  1:02:32 木村 暁仁 (経営3・佐久長聖)

23位  1:03:14 ダンカン キサイサ (経営2・大分東明)

64位  1:04:10 髙瀨 桂 (経営4・鳥栖工業)

91位  1:04:39 野下 稜平 (経済3・鳥栖工業)

103位 1:04:43 水谷 勇登 (経営3・敦賀気比)

119位 1:04:51 成島 航己 (経営4・専大松戸)

122位 1:04:55 千代島 宗汰 (文2・鳥栖工業)

173位 1:05:41 粟江 倫太郎 (経営3・三浦学苑)

182位 1:05:44 冨永 裕憂 (経営4・鎮西学院)

228位 1:06:27 吉岡 拓哉 (経営4・我孫子)

293位 1:07:26 山村 啓仁 (経済3・藤沢翔陵)

325位 1:08:00 山城 弘弐 (経営3・コザ)



文・写真:相川直輝(文3)