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▲この秋大ブレイクの2人 脅威の上位打線として名を轟かせている
今秋、強力な1、2番コンビが形成された。1番を打つのは西村進之介(経済3・栄徳)。対立正大1回戦で3安打、対国士大1回戦では決勝本塁打を含む4安打をマークするなど、9月29日時点で打率.522(23-12)と絶好調をキープしている。そして2番を打つ西里颯(経済2・興南)。中軸へつなぐ重要な役割を任され、9月7日から5試合連続安打を記録するなどこちらも好調。”西西コンビ”は、専大打線のカギを握る重要なコンビに成長している。
とにかく塁に出る
▲対国士大1回戦で決勝弾を放った西村進
リードオフマンとして打線を引っ張る背番号24。開幕から全6試合で安打を放つなど手が付けられない存在になっている。「自分でも調子はいいと思っている。それが結果として表れている」と手応えを感じているようだ。西村進の後ろには西里や南保良太郎(経済4・星稜)や外山優希(経営3・開星)など、力のある打者が並ぶ。彼らの存在にも触れたうえで、「出塁すればなんとかなると思っている。塁に出ることが自分の役割だと思っている」と自分の役割を分析した。
チャンスを広げる。チャンスを作る。
▲対立正大2回戦で先制打を放った西里
西村進の後を打つ西里も、「状態は悪くない」と話す。春は1番を任される機会が多かったものの、打率.200(35-7)と苦戦。しかし、今季は9月29日時点で打率.333(21―7)と2番としてブレイク。さらに西里は高打率を残しながらここまで4つの犠打を決めており、2番としての役割をしっかり果たしている。「西村さんが塁に出て、クリーンアップでどう回すかを考えて打席に立っている」。状況を冷静に考えて打席に立てていることが好調の要因だ。「チャンスを広げて、次の打者にいい形で回すことを意識している」と打席での意識を明かし、さらに「前に走者がいなければ、自分が出塁してチャンスを作るという意識もある」と攻撃的な考えも見せた。
宿敵の3年生エース
そんな彼らに、これまで目にした中で最も凄いと思った選手を聞いた。西村進は「細野が今まで対戦した中で最もいい投手だった」と東洋大のエース左腕・細野晴希投手の名を挙げた。細野投手は3年生ながら最速155キロを誇るプロ注目の剛腕。今春は4度対戦し、3三振と苦しめられた。「直球が速い。スライダーは勝負球にもなるしカウント球にもなる。いいピッチャーだと思う」と圧倒された経験を口にした。
▲西村進は細野投手との対戦を心待ちにしているとも語った
1学年上の新人王左腕
一方の西里は興南高校の1個上の先輩、宮城大弥投手(現オリックスバファローズ)を挙げた。高校時代は宮城投手がエースで4番。西里は上位打線を打ち、サードを守っていた。「高校時代近くで見ていて、直球も変化球も一級品だった。今まで野球をやってきて、間違いなく宮城さんが一番」。昨年のパ・リーグ新人王投手の投球は、高校時代から圧倒的だったと回想した。
▲興南時代は1年時から出場機会を得ていた西里 18年夏には宮城投手とともに甲子園の土を踏んだ
悔しさを胸に…
「勝ち」よりも「負け」。2人の脳裏に焼き付くのは、2部優勝を逃した試合だった。
西村進が挙げたのは21年春の最終週、日大との2連戦だ。1勝でもすれば2部優勝が決まる2連戦だったが、初戦を落とし、2回戦は引き分けに終わり日大に逆転優勝を許した。特に2回戦はエースの菊地吏玖(経営4・札幌大谷)が1点差2死満塁の場面で押し出し四球を許し、優勝を逃した。西村進は「出場機会はなかったが、入れ替え戦に出られなかったのは悔しかった」と話した。
西里は今春の東洋大との3連戦を挙げ、「東洋に負けて2位に終わった試合は印象に残っている」と明かした。今春の対東洋大1回戦は、両エースが9回まで点を与えない白熱した投手戦を演じた。最終的に2-1で専大が延長戦を制したが、そこから連敗。これが響き再び1部昇格のチャンスを逃した。
▲打倒東洋大へ 2人のバットが命運を握る
今春は東洋大が入れ替え戦で中大に敗れ2部残留。リベンジの機会は最終週に用意された。決戦の舞台は昨春に涙を吞んだ最終週。相手は今春苦杯を喫した東洋大。17年以来の悲願の1部昇格へ。「全勝で東洋大戦を迎えて、やり返したい」。打線のカギを握る2人は口を揃えた。
文=野見山拓樹(文3)
写真=相川直輝(文3)、高橋尚之(経営3)