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5月10日に専大伊勢原グラウンドで関東大学春季大会第2節、拓大戦が行われた。試合は前半に拓大にリードされる厳しい展開も、後半に立て直した専大が逆転し、昨季リーグ戦で敗れた拓大にリベンジを果たした。
<スターティングメンバー(カッコ内は途中出場選手)>
1.小俣 勇也(経済4・吉田高)
(後半16分→16.梶原 瑛(商2・日川高))
2.中野 勝太(商2・東福岡高)
3.古屋 篤史(経済3・日川高)
(後半16分→18.門 真平(経営4・崇徳高))
4.南都 陸央(商3・秋田中央高)
(後半30分→20.前川 和綺(経営4・摂津高))
5.西村 龍馬(経営2・高鍋高)
6.吉國 貴一(経営2・常翔学園高)
7.大栗 松長(経営4・國學院栃木高)
8.松土 治樹(経済2・日川高)
9.古川 浩太郎(商3・東福岡高)
10.小田 生樹(商2・佐賀工高)
(後半18分→23.水野 佑亮(商2・法政二高))
11.上田 龍之介(経済3・日川高)
12.太田 涼介(商4・石見智翠館高)
13.山崎 翔(経営3・國學院久我山高)
14.池田 大芽(経営2・秋田中央高)
15.田辺 雅文(経営3・長崎北陽台高)
パワーを全面的に出してくる拓大を相手に、試合開始から一度もボールを奪うことなく、前半1分に先制のトライを許す。専大は前半6分、敵陣22mラインから小田、太田と右から中央へボールを繋ぎ、相手DFの隙間を縫うように突破を試みるも止められてしまう。しかしフォローに入っていた古川から再び小田へボールが渡ると、ステップで相手DFを翻弄。DFの間を上手くかいくぐりそのまま同点のトライを決める。立ち直ったかに見えた専大であったが、中々マイボールになる時間が無く、専大は攻め切ることができない。「スピードのある相手を前に、受けに回ってしまった(村田亙監督)」と振り返ったように、後手に回る展開が多く見られた。攻撃に関しても、「前半はFWが押され気味になってしまった(小俣主将)」と前半は悪循環から抜け出せなかった。結局その後の専大の得点は田辺のペナルティゴールのみ。失点を重ね、10-24とリードを許し前半を折り返す。
▲果敢なタックルでピンチを防ぐ山崎(撮影=千葉)
「強気に!強気に!」と後半開始から檄を飛ばした村田監督。村田監督は選手たちに、「思い切ってやるしかない。最初の10分を集中していこう、という話を受けた(小俣主将)」」と後半の入り方を意識させた。すると後半開始直後の後半1分、右サイドのラックから一度はボールをこぼすも相手に奪われることなく素早く左へ展開。フリーの上田へ渡るとそのままゴールラインまで運びトライに成功。専大が反撃ののろしを上げる。「後半の入り方が良かったので、流れを専大に持ってくることができた(小俣主将)」と話したように、後半は前半と打って変わって専大がボールキープする時間が増えた。「ボールを継続すると相手はついて来ることができなくなる。それが選手たちの自信になり、攻め続けることができた(村田監督)」。流れは専大に傾いたものの、そこは難敵・拓大。前へ前へと攻め入る専大の隙を突くカウンター攻撃を見せる場面もあり、互いに譲らない。試合が膠着してきた後半28分、相手DFの一瞬の緩みを見逃さなかった古川が抜け出し、DFと1対1の決定機を作る。ここで古川はDFに止められてしまうも、カバーに入っていた池田がボールを受け取り同点のトライ。続く34分には太田が1人でDFの網をステップでかわし突破、遂に逆転のトライを決める。試合終了間際には、拓大の決死の攻撃で自陣ゴールライン際まで攻め込まれるも、ギリギリで踏ん張りノーサイド。昨季のリーグ戦では大敗した拓大を31-24と逆転で下した。
▲同点トライを決めるなど、攻撃陣を牽引した池田(撮影=千葉)
試合後村田監督は、「新しいDFシステムを導入している最中なので、前半いきなり失点してしまったことで選手たちが少しパニックになったのではないか」と前半の内容を振り返ったものの、「前半を突き放されずに1トライ差で踏ん張ってくれたことが大きい」と粘りのDFを評価した。後半についても「入りが良く、ボールを外に動かして思い切って攻めることができたので、リズムに乗ることができた。途中から入った選手たちも、そのリズムを崩さずにいい働きをしてくれた」と振り返った。小俣主将は「去年大差で敗れた相手にリベンジできて良かった。前回の対戦の時と比べて、(専大が)攻撃と守備どちらも接点で戦えるようになった」と手応えを感じていた。
拓大は村田監督が専大ラグビー部の監督に就任してから一度も白星をあげたことが無い難敵。それだけに喜びも大きいかというと、そうではなかった。「『勝って兜の緒を締めよ』ということではないが、チームは秋のリーグ戦のために戦っている。ファンは1試合の結果に一喜一憂するが、監督が浮かれていてはいけない。喜ぶところは喜ぶが、次戦に切り替えていかないといけない」と先を見据えた。小俣主将も「本番は秋。新しいDFシステムのこともそうだし、フィジカル面やセットプレーなどまだまだ課題は多い。急がずに高めていきたい」と慢心は無い。
監督と主将、次節の明学大戦に向けて共に「相手をノートライに抑えて勝つ」と口を揃えた。間もなく春季大会も折り返しとなるが、今後も目が離せない。
(阿部 秀祐・文3)