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2019.10.06
サッカー

【サッカー部】頭と足と手で魅せた!ファンタスティックな逆転劇で白星掴む

JR東日本カップ 第93回関東大学サッカーリーグ戦(後期)

第15節 VS駒澤大学体育会サッカー部

10月6日(日) 14:00Kickoff

@山梨中銀スタジアム(山梨県甲府市)

専大 2-1 駒大


▲ 逆転ゴールを奪った鹿沼(⑤)をベンチメンバーも総出で祝福した


 前節は、チャンスを多く創出したものの、最後までゴールを陥れることができずに敗れてしまった専大。インカレの出場権を獲得するためには、上位チームからこれ以上、離されるわけにはいかない。まずは、今日の試合に勝利し、険しくとも確かな"連勝街道"の始まりとしたい。対する駒澤大学は、後期リーグはここまで未勝利であり、前期リーグから数えても5試合勝ちなしと、なかなか調子が上がっていない。しかし、油断は禁物。技術やフィジカルに優れた選手が揃っているだけでなく、専大は駒大に対して、リーグ戦では6連敗中。2016年の前期リーグでの対戦を最後に、勝利はおろか、勝ち点すら拾えていない。だが、裏を返せば、今日はそんな苦手意識を拭い去る絶好の機会。3連勝を達成した、相性の良いスタジアムで、勝利への執念を見せたい。


以下、スターティングメンバ―(3-4-3)

GK 23 中村将   (法4・白根高)

DF 25 遠藤光    (商1・菅高)

DF  4  西村慧祐  (法4・習志野高)

DF  2  古屋誠志郎(法4・市立船橋高)

MF 8  河上将平(人科4・東海大付属静岡翔洋高)後半30分 OUT

MF  7  岡本勇輝(経済4・高津高)

MF  5  鹿沼直生  (経済4・静岡学園高)

MF 18 釼持雅也(法4・静岡学園高)

FW 13 鈴木厚太(商4・飛龍高)             後半25分 OUT

FW 10 氣田亮真 (文4・千葉敬愛高)        後半45+2分 OUT

FW  9  岸晃司    (経営4・川崎北高)


途中出場

FW 11 中杉雄貴   (経営4・追浜高)   後半25分 IN

DF 21 浦川流樺    (文2・青森山田高)  後半30分 IN

DF 16 坂西望       (経済3・静岡学園高)  後半45+2分 IN


 前節から、多少のメンバー変更を行った。MF河上が第12節以来、MF釼持が第13節以来のスタメンとなり、両サイドの選手を入れ替えた形となった。また、前線のトライアングルの一角には第10節以来のスタメンとなるFW鈴木を起用。ここ数試合、そのポジションを務めていたMF岡本が今日はボランチに入った。主将のDF西村をはじめ、"駒大からの勝利の味"を知るメンバーが多いだけに、何としても勝利を呼び込みたい。


 試合は前半開始早々に、FW氣田がドリブルで持ち込み中央からミドルシュートを放つが、キーパーにキャッチされてしまう。16分には、MF釼持がミドルシュートを狙うも、枠を捉えきれず、なかなか決定的なシチュエーションを創出できない。すると28分、左サイドからのクロスを頭で合わせられ、先手を取られてしまう。その後は、後方でのビルドアップから両サイドを中心とした攻撃を試みるが、フィニッシュには至らない。結局、放ったシュートは僅かに2本で試合を折り返した。


 しかし、後半に入ると、完全に目を醒ました専大が瞬く間に攻勢を強める。まずは8分、ディフェンスラインの裏へ抜け出したFW鈴木がキーパーと1対1のチャンスを迎える。だが、ここはキーパーの素早い飛び出しに阻まれ、シュートには持ち込めない。

▲ 第10節以来のスタメンとなった鈴木。持ち前の気迫のこもったプレーに加えて、粘り強さを見せ、チャンスに絡んだ


さらに11分には、右からのCKをMF鹿沼がヘディングで合わせるが、わずかにゴール右へ逸れてしまう。すると17分、左サイドを抜け出され、強烈なシュートを許す。しかし、これはGK中村がファインセーブを見せ、追加点を与えない。ピンチを凌いだ専大は20分、右からのCKを獲得する。キッカーの氣田が蹴ったボールに、ニアサイドへ走り込んだDF西村が打点の高いヘディングで合わせると、これがゴールネットを揺らし、同点に追い付く。

▲ 同点ゴールとなるヘディングシュートを放つ西村(④)


▲ ゴールを決めた西村とアシストをした氣田(⑩)が互いを称え合う

このゴールで勢いを加速させると、24分には氣田が中央から豪快なミドルシュートを狙う。ここは、キーパーの正面に飛んでしまうが、迎えた27分、この猛攻が再び実を結ぶ。左サイドからのCKを獲得すると、キッカーの氣田はショートコーナーをチョイス。MF岡本のリターンを受けた氣田が、クロスを供給する。ボールはファーサイドまで流れるが、そこで待っていたのは鹿沼。落ち着いて右足でシュートを突き刺し、待望の2点目をゲットする。

▲ 待望の逆転ゴールを決め、ベンチへ駆け寄る鹿沼

▲ 2アシストを記録した氣田。彼の高精度のキックから、ゴールが生まれた

このまま逃げ切り、勝利を手にしたい専大だったが、そこに暗雲が立ち込める。35分、ペナルティエリア内でファウルを取られ、PKを献上してしまう。キッカーがボールをセットし、蹴り込んだ直後、ゴールネットは揺れず、スタジアムに響き渡ったのは、中村を称える専大の声だった。中村は見事にコースを読み切り、ゴール左に飛んで、PKをストップしてみせた。その後も、追い縋る駒大の猛攻に晒されるが、全員が集中力を切らさず、体を張った守備でゴールに鍵をかける。そして、ついに長いホイッスルが鳴り響き、タイムアップ。チャンスでしっかりとゴールを仕留めただけでなく、守備でも粘りを見せ、苦手としていた駒大から白星を奪取した。


専大   2-1   駒大

65分 西村    28分 米田

72分 鹿沼


▲ 途中出場ながら、自慢のスピードで相手を錯乱させた中杉


 この勝利で、勝ち点を19に伸ばした専大。順位も1つ上昇し、8位となった。インカレへの出場権が与えられる6位の順天堂大学との勝ち点差は5。負けられない戦いはまだまだ続くが、今日はこれからに向けて、勢いがつく試合となったと言ってよい。駒大に対して、2016年の前期リーグ戦以来の勝利を挙げたのはもちろんのこと、前半に得点できなかった中で勝つことができたのは、リーグ戦ではこの試合が今季初だった。そのような苦いジンクスを打ち壊したからには、何かを憂う必要はもう全くない。今日の試合終了のホイッスルが専大の"連勝街道"の始まりを告げるシグナルとなるように、ここからの快進撃に期待したい。


以下、試合後インタビュー


髙﨑康嗣監督

試合を振り返って―

「先週よりも本当に良い試合だった。失点はしたが、決して悪くはなかったと思う。ミスが多いのは確かだが、それでもやろうとしていたし、修正を少し加えるだけでよかったので、今日はちょっと安心して見ていられた。もちろん、駒澤大はパワフルで強いので、その部分の心配はあったが、選手たちがしっかりとやってくれた」


やや劣勢だった前半と比べて攻撃の時間が増えた後半だったが、具体的な修正点は―

「特に大きなことではなく、自信を持ってやることと、プレーの精度を上げていこうという2点をハーフタイムで伝えた。その意識さえ植え付ければ、あとは普段からやってきてることが出せるという思いだった。よく走れていたので、その部分は良かったと感じている」


次節へ向けて―

「1試合1試合全力で戦うだけ。また良い形で勝利して、成長に繋げていきたい」


中村将

試合を振り返って―

「前半は内容的には悪くなかったが、その中でちょっとしたミスから失点してしまった。その時に自分は、気持ちを落とさないようにという声をチームメイトにかけた。そこからチーム全体で我慢し続けることができたので、試合に勝てたと感じている」


PKのシーンを振り返って―

「チームとして苦しい状況だったので、この試合は絶対に勝ちたかった。自分自身も、勝つという強い思いをもってPKに臨んだ。最初は逆方向に飛ぼうと思っていたが、相手の助走と雰囲気を見て途中で判断を変えた。相手が蹴るコースをしっかりと読むことができて良かったと思う」


後期はここまで全試合に出場しているが、監督からの具体的な指示は―

「キーパーがチームを締めて、良い方向にもっていけと言われている。そこは自分でも意識しているし、それが少しずつ出せてきていると感じている」


次節へ向けて―

「自分たちはまだ下位のチームということに変わりはないので、次も絶対に勝ちたい」


▲ 手で魅せた男、中村将。絶体絶命のピンチからチームを救った


鹿沼直生

試合を振り返って―

「前節は自分たちのサッカーができなかったので、今日は立ち上がりからそれを出していこうという気持ちをもって臨んだ。前節よりも良い試合ができたと思う」


ゴールシーンを振り返って―

「その前の場面で、西村がニアサイドで上手く決めていたので、あの位置(ファーサイド)なら空いていると思った。結果的にいい所にボールが来たので、落ち着いてシュートを撃つことができた」


駒沢大学には2016年の前期リーグ戦以来の勝利となったが―

「そのことは自分だけではなくて、他の選手たちも分かっていたが、その中で逆転勝利という結果を残せて良かった。専大のペースに持ち込めれば、勝利に繋げられる自信はあったので、勝つことができて本当に良かったと思う」


前半にゴールがない中での勝利は、今季のリーグ戦では初めてだが―

「前半は悪い流れではなっかたので、大きく修正することはせず、そのまま続けていこうということだった。2ゴールとも、流れの中からではなく、セットプレーからの得点だったが、点を取れたことは非常に良かった」


次節へ向けて―

「自分たちは、インカレ出場に向けて勝ち続けるだけ。次の試合も勝ちたい」


▲ 足で魅せた男、鹿沼直生(⑤)。欲しかった2点目を奪い、勝利の立役者となった


西村慧祐

試合を振り返って―

「前半は自分たちのミスで押し込まれる時間帯もあったが、選手間でしっかりと修正できた。先に点を取られてしまったが、セットプレーから2ゴール奪って逆転できたので、そこは全員が我慢しながら戦い、自分たちがやるべきことをやった結果だと思う」


ゴールシーンを振り返って―

「自分が走り込んだところに(氣田)亮真からのボールが来たという感じだった。特にサインとかは無かったが、亮真が自分の動きを見てくれていたので、奪えたゴールだった。セットプレーから得点を取ることができて良かったと思う」


駒沢大学には2016年の前期リーグ戦以来の勝利となったが―

「その試合は、今の自分たちの代(4年生)が1年生だった時の開幕戦だった。そこから(駒大に)勝てていないというのは、今週の練習から皆が認識していた。4年生にとっては、リーグ戦での対戦は最後となるので、負けるわけにはいかないという思いや、借りを返すのは今日しかないという強い気持ちをもってプレーしていたと思う」


前半にゴールがない中での勝利は、今季のリーグ戦では初めてだが―

「先制点を許すと、気持ちがマイナスの方向へ行ってしまいがちだが、自分たちは今日のような展開を多く経験してきた。だからこそ、自分たちが勝つためにやってきたことを信じてやり続ければ、勝利が見えてくるということを全員が認識できていて、それが結果に繋がったと感じている」


次節へ向けて―

「やはり、連勝が大事になってくる。インカレ出場へ向けて、少しでも多くの勝ち点を積み重ねるためには、次も、その次の試合も勝つ必要がある。まずは、この一週間でいい準備をしたい」


▲ 頭で魅せた男、西村慧祐。ここぞという場面で決める打点の高いヘディングは、チームにとって欠かせない武器となっている


(文=一家駿介・文2、男神愛・商1 写真=男神)