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6月7日(金)、横須賀アリーナにて第59回関東大学バスケットボール新人戦が行われた。対戦相手は日本大学。専大にとって今大会初めてとなる同じ関東1部のチームとの対戦となった。第1クォーターから専大は得意の形であるトランジションオフェンスを展開。ディフェンスリバウンドをしっかりと自分たちの物とし、速攻で得点を重ねていく。勢いに乗った専大は止まらず、100-59と今大会全ての試合を100点ゲームで勝ち上がり、ベスト4にその名を連ねた。
専大 100(27-18,29-10,25-10,19-21)59 日大
スタメン
#10 喜志永修斗(経営1・豊浦高)
#23 キング開(文2・アレセイア湘南高)
#46 寺澤大夢(文2・東海大諏訪高)
#95 齋藤瑠偉(経営2・羽黒高)
#0 ケイタシェイクブーバカー(商1・日体柏高)
第1クォーター、専大はディフェンスリバウンドからの速攻、#23 キングの巧みなドライブ、#46 寺澤の力強さや#0 ケイタの高さのあるインサイドを中心に得点を重ねる。固いディフェンスも光り、日大にほとんど連続失点を許さず、流れを渡さない。最後には#95 齋藤のブザービーターも決まり、27-18と好調な滑り出しを見せる。
第2クォーターも勢いそのままに専大が畳み掛ける。#28 野﨑由之(経済2・市立船橋高)、#95 齋藤、#21 遠藤涼真(経済1・八王子高)、#1 山本翔太(商2・日大東北高)の3Pシュートもリングを射抜き、専大のオフェンスに拍車をかける。このクォーターから途中出場した#14 鈴木悠斗(文1・桐光学園高)もアシストにドライブにと自らの持ち味を発揮。56-28のダブルスコアで前半を終える。
続く第3クォーターも専大が主導権を握り続ける。#46 寺澤、#10 喜志永が得点すると、#95 齋藤、#28野﨑もそれに続く。このクォーターでも専大のディフェンスの強度は落ちず、日大の得点を10得点に抑える。最後は#95 齋藤がこの日2回目となるブザービーター。さらにリードを広げ、81-38で最終クォーターへ。
第4クォーター、#1 山本、#28 野﨑の3Pシュートが決まるも単発に終わる。対して日大が連続得点を決め、勢いを取り戻し始める。しかし、その反撃も専大が積み重ねてきた点差には遠く及ばず。#14 鈴木が100点目のシュートを沈め、試合終了。100-59と準々決勝でも41点差の快勝とし、筑波大との準決勝へと勝ち進んだ。
この試合、怪我の影響で試合に出ることが出来なかった#8 菊池蓮(ネット情報1・日大東北高)以外のメンバーは全員が出場を果たした。
▲#23 キング
▲#14 鈴木
▲#95 斎藤
▲#10 喜志永
▲#1 山本
#23 キング開
今日の試合を振り返って
「前の試合で活躍している2人の選手を抑えていこうということと、いつも通り自分たちの走るバスケをしていこうということを意識して試合に臨んだ。出だしから10点差をつけて、そのまま相手にリードを許さずに走りきれたことが勝因だと思う」
ここまで全試合100点ゲームという結果はどう感じているか
「自分たちも驚いている。次は筑波大ということで強いチームだが、いつも通りのバスケットをしたい。100点まではいかないと思うが、しっかり勝って決勝まで駒を進めたい」
チームの武器は
「トランジションからの得点が良いと得点も伸びてくるし、リバウンドの部分でも相手より上回っていた。リバウンドと走ることが自分たちの武器かなと思う」
筑波大戦への意気込み
「ベスト4までは来たのであと1個勝って決勝まで行って、(決勝の対戦相手が)東海大になるか日体大になるか分からないが、ここまで来たからには優勝を目指して頑張っていきたい」
#14 鈴木悠斗
今日の試合を振り返って
「出だしから自分たちのペースで出来るように走ろうと言われていた。自分はベンチスタートだったが、出場した時にはやるべきことをしっかりとやろうと意識して臨んだ」
試合に出た時に意識している点
「自分は身長が低いためガードとして出ている。そのため、ディフェンスからしっかりプレッシャーを与え、スティール出来る時はスティールをした。リバウンドを取ってから(ボールを)自分でもらって、プッシュして、ゴールに向かうようにした」
高校と大学で感じる差
「みんな身長が高い。大学に入ったら自分と同じ身長(180cm)の選手はガードしかいない。体の強さも違い、(フィジカルの差を埋めるために)自分も頑張って筋トレをしている」
筑波大戦への意気込み
「最初から出ることは無いと思うが、その気持ちはいつでも持ち、出られる準備をする。そして、出た時には優一さん(佐々木優一監督)に言われたことをしっかりとコートで表現し、少しでも長く出られるように頑張りたい」
佐々木優一監督
今日の試合を振り返って
「ディフェンスをしっかりとしてからリバウンドを確実に取り、ファストブレイクに繋げてどんどんアタックしていく良い形が出ているので、オフェンスに関してはそのまま続けていこうと話していた。リバウンドを取らないとファストブレイクは出ないので、相手のガードの選手に対して3Pシュートを簡単に打たせず、タフなシュートにさせ、リバウンドを取って後はどんどん走っていこうと話していた。出場する選手全員が理解し、遂行してくれたので自分たちのバスケットが終始出来た」
#14 鈴木の起用について
「昨日の試合(江戸川大戦)で、相手がゾーンを展開してきた時でも、何であろうと冷静にプレーが出来ていたので、いつでも行けるなという感覚があった。自信をつけてもらいたかったので、試しにチャンスを与えた。出した時にいつも通り、自信を持ってプレーが出来ていたので、僕の期待に応えてくれて凄く良かったなと思う」
ここまでの“全試合100点ゲーム”という結果はどう感じているか
「3Pシュートがあれば得点はかさむものだが、江戸川大戦の前半も3Pシュート無しで60点を取ったり、今日もそこまで3Pシュートが多発している訳ではなくてもこういった得点が出ている。これは全員が走って得点を取る、雪崩のように畳み掛けるバスケットが出来ているということ。そして誰がボールを持っても運ぶことができ、フィニッシュまで持っていくことができ、(他の選手も)それを見ていないでパスを受けてレイアップに行けるような形で走っていて、バックアップで4人目、5人目も走っている。誰一人サボらずにファストブレイクで決めきるという意識があり、プッシュ出来ているというのがチームワークとして成功しているのかなと思う」
筑波大戦への意気込み
「向こうはファストブレイクを意識して、リバウンドに対して相当な圧力をかけてくると思う。自分たちがリバウンドを怠ってしまったらセカンドチャンスをやられて、得点に繋がれてしまう。やることは一緒で、ディフェンスから確実にリバウンドを取って、オフェンスは成功している走るバスケットをやっていきたい。ただ、ステージが上がれば上がるほどディフェンスのギアを上げてタフにしていかなければいけないし、リバウンドも簡単には取れなくなってくる。上手くいかなかった時にどれだけ自分たちを見失わずに『ディフェンスから』というところが出来るかどうか。そこでチームの真価が問われると思うので、明日はそこを見極めながら戦っていきたい」
ここまでの新人戦の4試合を全て100点以上の得点を叩き出し、勝利してきた専大。『この勝ち上がり方に少し予想外だった部分もあるのでは?』と尋ねてみると、佐々木監督は「シンプルな、走ってレイアップで点を取るということをやって欲しいなとは思っていたが…これほどとは思っていなかった。それは予想外で、嬉しい誤算」と笑顔を見せながら答え、さらに「誰がリバウンドを取っても、こぼれ球を拾っても、パスをもらっても、そのまま行ける。だからこそ良いファストブレイクが出来ている。そこはとても僕が見てても『凄いな』と思う」と顔を綻ばせて、選手たちを称えた。
佐々木監督が描く『シンプルな走るバスケット』を徹底的に遂行し、勢いに乗ったら止まらない得点力を武器に、ノーシードながらもこの快進撃を成し遂げてきた。次戦は昨期のリーグ戦で勝ち星を得られなかった筑波大との一戦。世代別での日本代表経験がある選手もいる強豪校を相手に、専大は準決勝を戦う。
(文=岡本真凜・経営2 写真=岡本真凜、山下佳帆・経営2)