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2019.06.02
サッカー

【サッカー部】西が丘の悲劇...首位相手に粘るも、まさかのAT被弾

JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦(前期)

第8節 VS明治大学体育会サッカー部

6月2日(日)  13:00 Kickoff

@味の素フィールド西が丘(東京都北区)

専大 2-3 明大


 4失点を喫した前節から中3日。集中応援ということもあり、いつも以上の熱気に包まれたこの試合の相手は、リーグ戦で首位を走る明治大学。ここまでの7試合で16得点2失点と攻守において隙がないチームだ。しかし、現在3連敗中の専大としても、これ以上の連敗は避けたいところ。何としてでも相手ゴールをこじ開け、強敵に一泡吹かせたい。

▲ 集中応援日で盛り上がりを見せるスタンド。試合終了まで選手を鼓舞し続けた


以下、スターティングメンバー(3-4-3)

GK 28 塚田匡壮 (商3・都文京高)

DF  25 遠藤光   (商1・菅高)

DF  4  西村慧祐   (法4・習志野高)

DF 30 井上詩音 (法1・東海学園高)

MF 8  河上将平  (人科4・東海大付属静岡翔洋高)

MF 5    鹿沼直生(経済4・静岡学園高)

MF 32  林一輝    (ネット2・千葉経済大附属高)

MF 2   古屋誠志郎(法4・市立船橋高)

FW 38 佐藤圭祐  (文1・市立船橋高) 後半33分OUT

FW 9   岸晃司     (経営4・川崎北高) 後半42分OUT

FW 13 鈴木厚太  (商4・飛龍高)   後半36分OUT


途中出場

FW 10 氣田亮真 (文4・千葉敬愛高)

後半33分IN

DF 26 菊地健太  (商1・ふたば未来学園高)

後半36分IN

DF 3    加藤慎太郎(商2・板橋高)

後半42分IN


 GKには塚田を起用。また、前節は出場がなかったMF河上もスタメンに名を連ねた。FWでは、先発に復帰した鈴木を左に置き、岸を頂点とするトライアングルを形成。これまで最前線での起用が多かった佐藤は右に入った。前節からスタメンを4人入れ替えて、この試合に臨む。


 前半は、立ち上がりから激しい攻防となる。まずは3分、河上が右サイドからをクロスを上げる。相手ディフェンスの処理がもたつき、ボールが流れ、最後は鈴木が詰めるもゴール左へ外れる。すると13分、左サイドを崩され先制点を奪われてしまう。それでも専大は14分、ペナルティエリア内でボールを受けた岸が華麗なターンから鮮やかなシュートを突き刺し、電光石火の速さで同点とする。

▲ 見事な同点弾を上げた岸(⑨)を、チームメイトが祝福する


しかしその5分後、ゴール前での混戦を押し込まれ再びリードを許す苦しい展開となる。追いつきたい専大は23分、右サイドで岸が粘り、オーバーラップしてきた河上へパスを送る。受けた河上はグラウンダーのクロスを供給するも、クリアされる。しかし、このクリアが主審に当たってルーズボールとなり、それを拾った佐藤がシュート。だが、ここは飛び出してきたキーパーに阻まれる。さらに攻める専大は30分、MF古屋から岸へパスが通る。岸はそれを左に流し、受けた鈴木がグラウンダーのシュートを冷静に流し込み再び同点に追いつく。38分には、右サイドを突破した佐藤が岸へ繋ぐ。岸はペナルティエリア右からクロスを上げるも相手のクリアに遭い、ゴール前で待ち構えていた鈴木には合わない。前半は結局、2-2のまま終了。常に先行される厳しい展開だったが、2度追いつく粘りを見せて試合を折り返す。

▲ 序盤から積極的にボールに絡み、クロスを供給した河上

 

 後半、先にチャンスを作ったのは専大だった。10分、左サイドからのスローインを岸が受ける。岸は1点目のシーンを彷彿とさせるような素早いターンから強烈なシュートを放つも、ここはキーパーのビッグセーブに阻まれ逆転には至らない。

▲ 両チーム最多となる4本のシュートを放った岸


その後は明大のカウンターに苦しめられるが、守備陣が体を張って凌ぐ。すると27分、相手のクリアミスを拾った鈴木がペナルティエリア左から低めのクロスを送る。しかし、ここもキーパーに防がれてしまう。その2分後には、DF遠藤から鈴木へスルーパスが送られるもわずかに合わず、なかなか3点目を奪うことができない。

▲ 後半、ドリブルで仕掛ける 鈴木


逆に31分、相手に抜け出されゴールネットを揺らされるが、ここはオフサイドの判定で事なきを得る。さらに33分、今度は右からのCKにヘディングで合わせられるも、ここはGK塚田が左手一本で弾き出す。首位を相手に粘り強さを見せると40分、左サイドで裏を取ったFW氣田がマイナス方向へグラウンダーのクロスを供給。待っていた岸がシュートを放つが、相手に当たり枠に飛ばすことができない。そして、2-2のまま終わるかと思われたアディショナルタイム2分、ペナルティエリア内から豪快に叩き込まれ土壇場で3点目を許してしまう。残された時間はあと少し。専大イレブンは一縷の望みをかけて、諦めない姿勢を見せる。すると、右からのCKを獲得することに成功。しかし、ゴール前に送られたボールは惜しくも合わず、2-3のまま試合は終了。歓喜に湧く明大を前に、呆然とする専大の選手たち。「勝ち点1」、「連敗ストップ」の2つが遠くへ霞んでいった。



専大  2-3  明大

14分 岸    13分 森下

30分 鈴木      19分 佐藤

         90+2分 川上


 終了間際に勝ち越され、4連敗。これだけを見れば悲観的になってしまいそうだ。しかし、ここまで僅か2失点と堅守を誇る明大から2ゴールを奪えたこと、リードされても粘りを見せて2度追いついたことなどは好材料だろう。チームとしても第5節の駒沢大学戦以来のゴールだったことは、明るい話題と言えそうだ。リーグ戦首位のチームと互角に戦えていただけに悔しい結果となったが、この敗戦をこれからの糧としたい。なお、この試合を最後に、リーグ戦は8月3日(土)まで中断期間となる。次なる戦いのステージは、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント出場を賭けた「アミノバイタル®」カップ2019第8回関東大学サッカートーナメント大会(6月8日~7月27日)だ。昨シーズンは、見事に出場権を勝ち取った専大サッカー部。2年連続での大舞台への切符獲得に期待がかかる。


以下、試合後インタビュー


髙﨑康嗣監督


試合を振り返って―

「負けている中では最も戦っているゲームだったとは思う。ただ、あの中で勝ち切れる強さがまだ足りないということも事実。逆に明治の方は、今日は我慢の時間が長くて、彼らからすると上手くいっていないという気持ちが強かったと思うが、そういう試合で粘って勝ちに持っていけた。その差が今の順位を反映しているように感じる。でも、ポジティブに考えれば、これだけやれていると捉えることもできる。乗り越えなければいけないアディショナルタイムの失点のところを、逆に得点に持っていく作業は本当に大変だが、その努力は絶対に必要だと思う。今日はこれまでの負け方よりは進歩は見えたし、戦っている部分も多かったので、そこは評価したい。ここまで2失点の明治に対して2ゴール奪えたことは、自信に繋がるはず。ただ、やっぱり最後の場面で守りきれないというのは、まだまだ詰めの甘さがあると感じる。それでも、僕自身が前向きな姿勢で取り組めている。4連敗したので、悲観的になりやすいところだが、よくやれていたと思う。今までの、簡単に負けてしまっていたゲームから、そうではなくなったということは収穫になる」


今日は、練習でやってきたことを試合で出せたのか―

「比較的出せていたと思う。得点の場面は、間違いなくやってきたことだったし、狙い通りのプレーをしてくれた。ただ、失点の場面は誤算かなと感じるところがあった。それでも、凌いでいた時間帯は決して悪くなく、起こり得るシチュエーションの中での対応の仕方としては間違っていない。切り替えの速さがもう少し欲しかったが、全体的に見れば及第点をあげられる。練習でやってきたことという観点で見れば、最後の何シーンかは少し違ったが、そこ以外は問題なくできていた。ただ、今日のような試合を勝ちに持っていくのは本当に大変なことであるのは確か。そこ選手たちが気付いて、勝つための努力をしてほしいと思う」


リーグ戦は中断し、「アミノバイタル®」カップへと入るが―

「一発勝負なので、今日くらいの気持ちがないと困るし、もっと戦わなければならない。勝ち切ることが非常に大事になってくる。リーグ戦では、これ以上ないような負け方をしているから、よい学習をしてきたと思う。だからこそトーナメントで、その学びを選手たちには生かしてほしい」


鈴木 厚太


試合を振り返って―

「自分がチームに貢献することで、勝利に導きたかったが、こういう結果になってしまい残念に思う」


ゴールシーンを振り返って―

「チームの中での狙いとしていた、中央を崩していくということができた。(岸)晃司に預けて、相手の嫌なところに自分が入っていけたので、形になったシーンだった」


リーグ戦は中断し、「アミノバイタル®」カップへと入るが―

「一発勝負なので、試合により集中して、総理大臣杯への出場権を獲得できるように頑張りたい」


▲ 2点目を挙げた鈴木。この日も前線で体を張り、奮闘した


岸晃司 


試合を振り返って―

「後半の45分まではしっかりと戦えていたが、最後の最後で失点してしまうというのは、今の実力だと思う」


ゴールシーンを振り返って―

「たまたま思い通りのところにトラップできたので、撃つだけだった。イメージ通りのシュートになってよかった」


リーグ戦は中断し、「アミノバイタル®」カップへと入るが―

「総理大臣杯には絶対に出場したいので、試合ごとに向上していけるように、しっかりと戦いたい。」


▲ 圧巻のシュートをネットに突き刺し、開幕戦以来のゴールとなった岸。


西村慧祐  


試合を振り返って―

「なかなか自分たちの時間が作れない中でも、2度追いつけたという展開だったので、もったいないと思う。最後に決められてしまったが、そこが相手と今の自分たちとの差であると感じる」


失点を減らすには―

「ポジショニングのミスから相手のカウンターを受けて早い時間帯に失点し、追いかける展開になる試合が続いている。なので、簡単なミスを無くし、守備陣がリスク管理を徹底すれば失点は減らせると思う」


今日は、練習でやってきたことをピッチで表現できたか―

「今日は相手にボールを持たれることが多く、自分たちの守備の時間が長かった。それでも、我慢できている時間が多かったように感じているので、そこはプラスの部分になる。ただ、自分たちの良さが出るのは、やっぱり攻撃だと思う。そういう意味では、練習でやってきたことをまだまだ出し切れていない」


リーグ戦は中断し、「アミノバイタル®」カップへと入るが―

「負けたら終わりのトーナメント戦なので、練習から今まで以上にシビアに取り組んで、勝っていけるように頑張りたい」


▲ 積極的な攻撃参加が目立った、主将の西村


(文=一家駿介・文2、乾桃花・文2 写真=乾、男神愛・商1)