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今年18年ぶりにインカレを制し、見事大学日本一に輝いた男子卓球部。昨秋から始まったTリーグにも多くの選手を輩出する強豪だ。そんな専大卓球部の高宮啓監督にインタビューを行った。
▲選手に指示を出す高宮監督
―今年1年を振り返っていかがでしたか。
「念願だったインカレ優勝を達成できてとても嬉しい。3年連続決勝で明治大学と対戦して今年は勝利できた。選手に恵まれたと感じている。」
―Tリーグ参戦の選手が多数出たが、そのことによって選手のモチベーションがあがったと感じることはありましたか。
「もちろんモチベーションはあがったと思う。昨年の秋から始まったリーグで安藤みなみ(平31商・十六銀行)と田添響(平31商・木下グループ)、途中から三部航平(商4・青森山田高)が参戦した。卓球の注目度は年々上がっていて、注目されているということを選手も実感できたはずだ。出ている以上恥ずかしくない試合をしないといけないと感じていると思う。」
▲TOP名古屋に所属する安藤
▲木下マイスター東京でプレーする田添響(右から2番目)
―4月から入部してくる新入生で即戦力となる選手はいますか。
「上村太陽(文1・大阪桐蔭高)と星翔太(経済1・鶴岡東高)。この2人は即戦力でレギュラーとして勝ち星を考えられる選手だと思う。先日行った部内リーグでは上村が2位になったので、上級生も気を引き締めないといけないと思っているはず。」
―今年活躍が期待できる選手はいますか。
「及川瑞基(商4・青森山田高)と三部の2人が中心になってくると思う。チームではシングルスでその2人と及川・三部ペアで3点取ることが今年は勝つうえで重要になってくる。新2年生の石山慎(経営2・開志国際高)と蛭田龍(経営2・希望が丘高)、吉田海斗(文2・希望が丘高)の3人の選手は昨秋から頭角を現してきたので期待したい。新3年生では原井雄生(経営3・福岡工業高)も今年は活躍が期待ができる選手だと思う。選手層の厚さは関東でも1、2番だと自負している。
彼らが相手のエース格に対応できるかが今年のカギになってくる。昨年は田添や郡山北斗(平31経営・RICOH)の2人と三部、及川を合わせた4人が軸で戦ってきた。その2人が抜けてしまうのは痛いが、上記の選手が及川と三部の負担を軽減する存在になってくれれば良いと思う。」
▲全日本選手権でベスト8にランクインした三部(左)と及川(右)。この2人が今年のカギを握る
▲石山は2月のサフィール国際オープンで見事優勝を果たし、勢いに乗っている選手だ
▲秋季リーグで4勝した吉田は、今年もスタメン入りが濃厚か。
▲左から蛭田、原井。全日本では4回戦まで駒を進めた
―安藤選手が『練習の時に監督やコーチが来てくれてとても面倒見が良かった』と言っていましたが、それについてはいかがですか。
「1部の大学は基本的に監督やコーチは常駐していると思うが、その中でも練習の時にいることは多いと思う。選手と同じ時間を共有するのを大切にしている。」
▲笑顔で選手を迎える監督
―強くなる為に他の大学と違う取り組みを行っていれば教えてください。
「競争意識が大切だと思っている。言葉がけのなかでもそのことを選手に伝えるように接しているし、みんなで強くなろうとはしていない。実力主義で練習相手も強いものは強いもの同士で練習させたりしている。そのことに対して不満は出ていないし、自分で自分のポジションを獲得する姿勢を評価している。そういう意味での競争意識は他の大学にはないと思っている。」
―スランプに陥ってしまった選手のケアはどうなさっているのですか。
「卓球はメンタルスポーツだしスランプに陥ってしまう選手もいる。自分は選手に声を掛けるとき、挨拶以外に一言声をかわすことを心掛けている。技術のアドバイスが一番良いがそれ以外でも趣味の話や容姿をつっこんだりとか(笑)、そういうことを心がけている。そうすることで選手の個々の具体的な変化が見えてくる。」
―来年の目標を教えてください。
「インカレ連覇以上に春・秋・インカレの3冠目指して頑張りたい。私が監督になってから成し遂げてないのでそれを目標にしたい。」
この1年で大きな成長を遂げた男子卓球部。しかし3冠を達成する道のりはそう簡単なことではない。リーグ戦では宿敵・明治大学を始めとする強豪たちが待ち構えている。連覇を狙うインカレでは世界選手権2019に男子ダブルス日本代表として出場する木造勇人選手や、全日本選手権でダブルス準優勝の結果を残した松山祐希選手、高見真己選手を擁する愛知工業大学も強敵だ。今年こそ夢の3冠へ、卓球部の活躍に目が離せない。
※学年、所属は4月以降のもの
(文=村山健人・商2、写真=石崎愛奈・平31法)