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2018.09.16
サッカー

【サッカー部】後期リーグは黒星発進も、攻撃的サッカーにひとつの兆し

JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦(後期)

第12節 vs筑波大学蹴球部

9月16日(日) 14:00 Kickoff

@岩名運動公園陸上競技場(千葉県佐倉市)

専大 0-2 筑波大


▲相手選手の厳しいマークに合いながらも、突破を図る中山


 総理大臣杯の激闘から息つく間もなく後期リーグが開幕。前期リーグを3位で折り返し、逆転優勝を狙う専大は開幕戦でいきなり前年度優勝校の筑波大と激突。前期リーグでは完全アウェイのなか、終始主導権を握り続け勝利を収めている(〇1-0=5月30日、筑波大学第一サッカー場)が、はたしてその再現なるか―。


以下、スターティングメンバー(4-3-3)

GK 1 塚田匡壮(商2・都文京高)

DF 8 河上将平(人間科3・東海大付属静岡翔洋高)

DF 3 西村慧祐(法3・習志野高)

DF 4 大西拓真(商4・都砂川高)

DF 6 小林岩魚(法4・甲府第一高)

MF 15 鹿沼直生(経済3・静岡学園高)

MF 7 葛谷将平(経済4・大津高)

MF 17 遠藤翔太(経営2・広島皆実高)

FW 11 中山克広(経済4・麻布大附属高)

FW 18 下田悠哉(法4・都鷺宮高)

FW 19 中杉雄貴(経営3・追浜高)


 メンバー自体はいつもとあまり変わらない顔ぶれだが、中盤の陣形をアンカーを置く逆三角形からトップ下を置く正三角形へと変更。MF鹿沼とMF葛谷がダブルボランチを形成し、トップ下には前期リーグではセンターフォワードを務めることの多かった遠藤が入った。


 試合は序盤から一進一退の攻防が繰り広げられる白熱した展開。7分、自陣右サイドからいきなりピンチを迎えたが、GK塚田が体勢を崩されながらも左手一本で掻き出し、開始早々の先制は許さない。28分にはFW中杉が左サイドからカットインしファーサイドへ鋭いシュートを放つも、相手GKが横っ飛びでスーパーセーブ。互いにチャンスをつくりながらも、なかなかゴールが生まれないゲームの均衡を破ったのは筑波大だった。33分、バイタルエリア中央付近で相手選手にターンで上手く前を向かれると、そのまま右足を振り抜かれた。その後は専大もFW中山と中杉が起点になり、サイドから攻め込むが、前半のうちに同点弾を挙げることはできず1点のビハインドを背負ってハーフタイムへ。


▲左サイドからキレのあるカットインを見せた中杉


 後半に入ると、専大はより一層攻勢を強めた。56分、FW下田がゴール前へ抜け出しシュート。相手DFのブロックに合ったところを葛谷が間髪入れずに左足を振り抜くも、相手GKの身体を張ったセービングに阻まれた。専大ベンチは64分に中杉を下げ、MF冨山大輔(経営2・関東第一高)を、71分には下田を下げ、FW鈴木厚太(商3・飛龍高)を立て続けに投入し、攻撃陣にさらに厚みを加える。73分、その冨山が中央から単独突破し、そのままシュートまで持ち込むがGK正面。79分には中山が左サイドを抉り、華麗な切り返しで相手を置き去りにすると、そのまま丁寧にコースを狙ったシュートを放つ。しかし、またしても相手GKが立ち塞がり、ゴールをこじ開けることができない。そんななか迎えた84分、前がかりになったところから筑波大に素早いカウンターを許すと、ペナルティエリア内でDF西村がファウルを犯し、PKを献上。このPKを沈められ0-2。終盤に痛すぎる追加点を許してしまった。それでも最後まで筑波大ゴールへと迫る専大は後半アディショナルタイム、後方からのロングパスに抜け出した鈴木がループシュート気味のジャンピングボレー。しかし、ボールは無情にも枠の上へと外れていった。再三に渡り決定機を迎えたが、結局最後までゴールネットを揺らすことはできず、0-2で後期リーグ開幕戦を落とした。


▲試合終了間際、シュートを放つ鈴木


 しかしながら、内容は非常に良いものであった。この試合のマンオブザマッチに選出された相手GKの活躍もあり、ゴールを奪うことはできなかったが、チームのモットーである“攻撃的で美しいサッカー”の完成度は着実に高まってきている。悲願のリーグ制覇のためにも、あとは結果を残すだけだ。


以下、試合後インタビュー

源平貴久監督

試合を振り返って―

「総理大臣杯でのモヤモヤ感が吹っ切れて、ゲームの内容は非常に良かった。0-2というスコアだけを見るともったいなかったように感じる。攻撃も上手くいっていたので、先に点が取れていたら、またゲームの内容も変わっていたと思う。やはり1失点目が悔やまれる」

サイドからの攻撃が上手くいっていたが―

「クロスから中の選手が潰れてチャンスになることが多かった。あれくらいのスピード、タイミングでゴール前に入っていければ点を取れる確率は上がってくるので、あとは本当にちょっとしたところだと思う」

失点シーンを振り返って―

「前半は守備面が全体的に緩くて、中盤で相手選手に上手く入れ替わられた時にチャンスをつくられてしまったのが1失点目。2失点目は三笘(薫)くん(※)の個人の能力による部分が大きかったので仕方がない」

途中出場の冨山、鈴木は良いプレーをしていたように感じたが―

「冨山は総理大臣杯で自信がついたのだと思う。鈴木も怪我から復帰して、攻撃陣の選手層が厚くなってきたので、そういった競争のなかで良い状態でプレーできている。ただ、結果を残せなかったのは少し残念」

次節に向けて―

「今日の状態を見ると、来週からは少し期待ができると思う。この状態を維持して、もっと上を目指せるように頑張っていきたい」


▲限られた時間のなかで確かな存在感を示した冨山


小林岩魚

試合を振り返って―

「チャンスはつくれていたが、最後のところで決めきれなくて、攻めあぐねたなかで2失点してしまったので、非常に悔しいゲームになった。もちろん相手も良いサッカーをしていたが、自分たちのやりたいことはできていたので、せめて勝ち点1は取りたかったというのが正直なところ」

サイドからの攻撃が上手くいっていたが―

「総理大臣杯で負けてから、源平監督や岩淵(弘幹)コーチからチームとしてもっと前にいくということをずっと言われてきて、練習や紅白戦でも取り組んできたので、それがサイドでもできていた。ただ、結果につながらなかったのは残念」

失点シーンを振り返って―

「1失点目の場面は前線の選手の守備も軽かったし、もっと中を固めないといけなかったのに、簡単に中央突破を許してしまった。2失点目はやはり三笘選手の“個”の能力。自分たちが攻めているなかで点が取れないと、ああいった“個”の能力が高い選手に一発で仕留められてしまうことを痛感した」

試合終了後、源平監督としばらく話し込んでいたが―

「来年からプロとしてやっていくなかで、一試合ごとに見つかった課題を源平監督と一緒に話し合っている。監督から良かったシーン、悪かったシーンを指摘してもらって、自分のなかで突き詰めて、どういう考えだったのかを話して、そこのギャップを埋めて、次に向けて改善するという作業を、総理大臣杯の時から自分のためにしてくださっている」

具体的には―

「今日の場合は、五分五分のボールに対してただ突っ込みにいくのではなく、ボールの状況を見ながら次のポジションをとるということや、自分の前にいる選手とどうやって崩していくかというところを指摘してもらった。一人と一人ではなくて、二人で一緒に同じ考えやビジョンを共有していくということが課題になってくる」

次節に向けて―

「インカレ出場、リーグ優勝を目指すなかでこれからはひとつも勝ち点を落とせないゲームが続くので、ここから下がっていかないように気持ちを切り替えて、自分も練習からしっかり声を掛けていきたいし、次節勝てるように良い準備をしていきたい」


▲左サイドで相手選手と激しいマッチアップを繰り広げる小林


※三笘薫(みとま・かおる)

筑波大学蹴球部3年。ポジションはMF。大学生でありながら、東京オリンピックを目指すU-21日本代表に選出されており、すでに再来年のJ1・川崎フロンターレ入団が内定している。


(藤森崚祐・文3)