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JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦(前期)
第7節 vs筑波大学蹴球部
5月30日(水) 18:30 Kickoff @筑波大学第一サッカー場(茨城県つくば市)
筑波大 0-1 専大
▲ゴールを決め、笑顔の岡本(左)
前節の明大戦(〇1-0=5月20日、味の素スタジアム西競技場)での勝利により、順位を10位から一気に6位に上げた専大サッカー部。今節の相手は昨季のリーグ戦王者・筑波大。平日ナイトゲーム、降りしきる雨、そして完全アウェイという慣れない環境の中、今季初の連勝を賭け、この一戦に挑む。
以下、スターティングメンバー(4-3-3)
GK 1 塚田匡壮(商2・都文京高)
DF 16 河上将平(人間科3・東海大学付属静岡翔洋高)
DF 3 西村慧祐(法3・習志野高)
DF 4 大西拓真(商4・都砂川高)
DF 8 笛田翔(法3・共愛学園高)
MF 15 鹿沼直生(経済3・静岡学園高)
MF 7 葛谷将平(経済4・大津高)
MF 14 岡本勇輝(経済3・高津高)
FW 11 中山克広(経済4・麻布大学附属高)
FW 17 遠藤翔太(経営2・広島皆実高)
FW 19 中杉雄貴(経営3・追浜高)
この日の専大は、雨の影響でボールが扱いづらいピッチコンディションということもあってか、いつもとは違うスタイルのサッカーを見せる。前線から積極的にプレッシャーをかけ、ボールを奪ったらすぐさま速攻を繰り出す。いわゆるショートカウンター戦法だ。前半24分、これがいきなり実を結んだ。相手GKのクリアミスを高い位置で拾ったFW中山が少し持ち上がり、中へグラウンダーのボールを送る。ここに走り込んだのは、2試合続けてインサイドハーフでのスタメン起用となったMF岡本。このボールを右足インサイドで丁寧にゴール右隅へ流し込んだ。先制点を奪うことに成功した専大は、その後も鋭いチェイシングを駆使し、筑波大に思うようなサッカーをさせない。
後半に入ってからは、右ウィングの中山と左ウィングのFW中杉のスピードを活かし、ボールを奪ってはカウンターを執拗に繰り返す。一瞬の隙をつかれて相手FWにゴール前に抜け出され、GKとの1対1のピンチを迎えるも、塚田が果敢な飛び出しを見せ、見事にこれをストップ。ゴールを許さない。時計の針が進むにつれ、激しいプレーが増え、ファウルでプレーが途切れることも多かったが、DF大西を中心に集中して守り抜き、試合はそのまま1-0で終了。リーグ王者相手に90分を通して主導権を握り続け、今季初の連勝を飾った。
▲岡本のゴールをアシストした中山
以下、試合後インタビュー
源平貴久監督
試合を振り返って―
「非常に良かった。2試合連続で無失点に抑えられたので、言うことはないと思う」
無失点となった守備について―
「メンバーを変えてやるようになってから、少しずつ機能してきている。行ったら行きっぱなしではなくて、味方との距離を上手く保ちながらできていた。ただ、相手と入れ替わってしまうことが多かったので、そこは気を付けないといけない」
いつもは毎試合スタメンが変わっていたが、今節は前節と全く同じだったことについて―
「前節が良かったので、このメンバーをベースにして長い間できればいいと思う。氣田(亮真、文3・千葉敬愛高)や岸(晃司、経営3・川崎北高)もいるので、彼らが復調してくれれば、もっと良くなると思う」
両サイドの中山と中杉を使っての攻撃が目立ったが―
「彼らのスピードという持ち味は出たが、もう少し得点に絡むようなシーンを増やしていかないといけない。特に中山は本来ならもっと点を取れる選手。前節は点を取ったが、相手をいなすことが目的になってしまっているので、ゴールやアシストに比重を置いていければ、もっと良くなってくると思う」
得点にも繋がったような前線からのプレスが効いている印象を受けたが―
「雨とこちらのプレッシャーが速かったこともあって、相手GKが判断を誤ったところをきちんとモノにできたというのが大きかった。あのようなチャンスを決めきれるというのは、チームの状態も良いということ」
次節に向けて―
「しっかりとコンディションを調節して、上手いこと色々と試しながらやっていきたい」
岡本勇輝
試合を振り返って―
「前半は自分たちがボールを持つ時間を作れたが、相手の最終ラインを突破する回数が足りなかった。特に中央を突破する形をもっと作れるようにしたい。後半はファウルやスローインなどでゲームが止まる時間が長かった。そんな展開に焦れたのか相手のミスが多くなり、そこからチャンスを作ることができた。ただ、追加点が取れればもっと楽になったと思う。ピンチもあったが、何より無失点で切り抜けられてよかった」
自身のゴールを振り返って―
「良い守備から良い攻撃に繋げるトレーニングをしていたので、その結果が出た。珍しくリラックスして打つことができたし、アシストしてくれた中山に感謝したい」
前線からのプレスが効いている印象を受けたが―
「メリハリと組織的に動くことを意識していた。これからはより高い位置でボールを奪う形を増やしていきたい」
中盤の陣形が変わった前節からインサイドハーフで起用されているが―
「守備ができない選手は使ってもらえないので、守備で貢献することはマストだと思う。攻撃は無駄なくシンプルにやることを意識している。攻守両面でまだまだ力不足なので、もっとレベルアップしていきたい」
次節に向けて―
「一戦必勝。チーム一丸となって、勝ち点3を取りにいきたい」
大西拓真
試合を振り返って―
「明大に勝てたことで、『自分たちは絶対にやれる』という自信がついた。筑波大が相手でも守りきれるし、攻撃も通用するというのはわかっていた。簡単なミスを減らして、『自分たちのサッカーをチーム一丸となってやろう』という話を試合前にしていたので、それができたことが勝利にも繋がった」
前線からのプレスが効いている印象を受けたが―
「今週はそういった守備の練習を中心にやっていたので、前の選手がプレスに行ったら、後ろも行くというようにチーム全体で行くことを意識していた。相手陣内でボールを奪ったところからゴールも生まれたので、練習の成果が出せたと思う」
今季になって初めてリードする時間の方が長かったが―
「本当は1-0で勝つようなチームではないので、2点目、3点目が欲しかったというのが正直なところ。でも、前の選手が点を取ったからには死ぬ気で守り抜こうという気持ちだった」
筑波大も「食った」が、次節に向けて―
「もちろん東洋大も食います」
▲専大守備陣の大黒柱・大西。この男の存在なしに2試合連続無失点は語れない
塚田匡壮
試合を振り返って―
「前半の良い時間に先制点を取れたことで、チームとしても落ち着いて攻めることができた。ボールを長い時間持つことで、相手の攻撃の時間を減らすことができたので、無失点にも繋がったと思う」
2試合連続の無失点となったが、守備陣で何か意識していることはあるか―
「前から守備をするのか、少し引いて守備をするのかを状況に応じて使い分けることを徹底している」
1対1のピンチを防いだ場面について―
「最初は構えて反応して止めるつもりだったが、相手のコントロールが少し長くなったので、そのタイミングを逃さずにアタックできた。雨でスリッピーなグラウンドだったので、こっちに少し運が向いていたと思う」
雨の影響でピッチコンディションが悪いということもあり、ボールの処理に苦戦しているような場面も見受けられたが―
「ナイター、雨、そしてアウェイのグラウンドと、全てが慣れない環境だった。ウォーミングアップの段階でもう少し適応しないといけないと思い知らされた。反面、ファンブルの後のリカバリーと、そのこぼれ球を拾った味方の集中力は良かった」
次節に向けて―
「勝って優勝争いに食い込めるようにしたい。自分の仕事としては、無失点で試合を終えられるように頑張りたい」
(藤森崚祐・文3=写真も)