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9月6日から18日の長期にわたって関東大学テニスリーグが各大学テニスコートで行われた。初戦の立教大学に6-3と勝利し白星スタート切った専大。しかし、雨天による延期で連戦の疲労が選手を苦しめ2戦目の日大戦以降、青学大、東海大に3連敗を喫す結果となる。通算1勝3敗と後がない状況の中迎えた最終戦の相手は筑波大。同順位の筑波大に勝てば2部残留、負ければ順位決定戦と運命の一戦は、5-4で勝利し専大は2部残留を決めた。
D1○矢部馨(経営3・浦和学院高)・ヘルナンデス亨(商3・柳川高) 2-6、6-1、6-3 川橋・加藤拓巳
D2○山西大(文4・柳川高)・奈良部駿(商2・秀明八千代高) 7(3)-6、7-5 高橋・中島悠雅
D3●永田和輝(商4・法政第二高)・峰岸晃希(経営2・法政第二高) 6-7(10)、2-6 廣田・中村
S1●矢部 0-6、0-6 川橋勇太
S2●奈良部 2-6、1-6 高橋颯
S3●山西 6-3、1-6、2-6 廣田大輝
S4○永田 6-1、6-2 伊崎慶史郎
S5○油布将也(文4・足利工業大附高) 6-4、6-1中村天之丞
S6○中村公宣(経営1・東京学館新潟高) 6-3、6-1加藤拓巳
9月18日、快晴の天気の中専大のホームコートである伊勢原テニスコートで最終戦が始まった。
ダブルス3試合、シングルス6試合の順で行われるリーグにおいてはダブルスで先に白星を稼ぐことが勝利への1つの鍵である。D3として出場した永田・峰岸ペアはファーストセットからいきなりタイブレークと接戦の中惜しくもあっと一歩のところでセットを落とすと、嫌な流れはなかなか変えられず敗退となる。しかし、D1の矢部・ヘルナンデスペアがファイナルセットまでもつれたものの積極的な攻めのプレーでセカンドセット、ファイナルセットを奪い勝利したことで専大チームのメンバーに再び活気が溢れる。
▲チームに勢いをつけた矢部(左)とヘルナンデス(右)
チーム全員が見守る中、山西・奈良部ペアは強気な攻撃的なプレーで攻めつつも冷静な守りで確実にポイント奪っていく。「山西さんと組むのは最後になるので思い切り楽しもう」と考えていたと話す奈良部はポイントを奪うと大きな声で叫び仲間や自分自身を奮い立たせる。マッチポイントで相手のボールがアウトとわかると山西と奈良部はチームのみんなと満面の笑顔で喜びを分かち合った。山西は「僕らのダブルスを落とすとほぼ勝敗が決まってしまうくらい大事な一戦だった。内容は良いとは言えないが相手のペアより勝ちにこだわる事ができたのが勝因だ」と振り返った。
2-1と専大リードの中、迎えたシングルスはS1の矢部が負け2-2と筑波大に並ばれるもS4の永田、S5の油布が4年生の意地をみせる。永田は強烈なサーブで攻めの展開をつくっていくと危なげなくサービスゲームの連取に成功する。S5の油布も負けてない。深いボールで相手を走らせると短くなった球を確実に決めていく油布。永田も油布も最後まで油断せず攻めのプレーでセカンドセットも奪い4年生最後の試合を勝利で飾った。
▲鋭いコースを決める永田
▲ストレートで勝利しガッツポーズをみせる油布
奈良部、山西、中村の3人のうちあと1勝すれば専大の勝利が決まる中、1年生ながら唯一団体メンバーの中村が高身長を生かした鋭いサーブで相手を圧倒する。途中相手の驚異的な粘りに翻弄される部分があったのもの、攻めのプレーを忘れない中村は自分からコースを狙い展開をつくっていくと見事ストレートで勝利し専大の2部残留へ導いた。
▲1年生ルーキーの中村
昨年は筑波大に負け、リーグ全体で2位と入れ替え戦まであと一歩だった専大男子テニス部。今年はリーグ全体で4位と悔しい結果となったものの、2部残留が決定し、一部昇格への目標は先輩から後輩たちへと受け継がれた。層が厚く頼もしい4年生が抜け新体制となった今、今後は個々のさらなる成長が必要とされる。3年生を中心にこれからどんなチームをつくっていくのか来年のリーグが楽しみだ。
~選手コメント~
≪4年生≫
山西大選手
―――リーグを振り返ってみて
最低限の結果で終えたと思います。入学当初の4年次最終目標は一部で残留する事でした。そう考えるとまだまだチームの甘さがあったかなと思います。しかしこの最後の1年間は今までで一番練習しリーグに望むことが出来ました。この経験は非常に自分のこれからの人生において糧になると思っています。
―――シングルスを振り返って
引退試合は有終の美で飾りたかったのですが、体力の限界がきて思う通りに行きませんでした。しかしチームメイトの応援というのは本当に力になり筑波戦に限らず全ての試合で諦めない力をくれました。全部員には感謝しています。
―――同学年に一言
4年間様々な思いがあると思いますが、本当に良い同期に恵まれたと思います。個性のあるメンバーですが共に戦えた事は一生の宝になりました。ありがとうございます。
―――後輩たちに一言
2部4位という結果を受け止めこれからどういう練習をして行くかというのが明確になったと思います。4年が抜ける穴は大きいと思いますが、その分チーム力と練習量で補ってほしいと思います。来年は必ず僕らの代が成し遂げられなかった一部昇格を成し遂げでほしいです。
―――実業団での目標
実業団では今までのように練習時間が多い訳ではないのですが、その限られた時間を全力で取り組み、いままでのテニス人生で学んだ事を生かしていきたいと思います。日本リーグ復帰を目標にまた頑張っていきます。
油布将也選手
―――リーグ全体を振り返って
各大学も下からの学年の強さを感じた試合が多かったです。今年は四年生主体のチームで臨んだのですが、そのことが各大学に比べて勢いがなく、相手に勝てるのではないかと思わせてしまったことが敗因に繋がってしまったと感じます。
漠然としたものですが、雰囲気というものは団体戦において必要であり、今回のリーグにはこれが足りなかったのではと考えています。
――――テニス人生を振り返って
自身が行って来たテニスを振り返れば、良かったことも悪かったことも多くあり、一言でいい思い出だったとは言えません。しかし続けて来た事実を自分自身で否定せず、少しでも多く記憶に残ればいいと願います。
―――後輩達に一言
勝てなくなっても、過去の自分よりできることが多くなるように自己研鑽することが楽しさでもあると思うので難しく考えずにテニスを好きになってくれればと思います。
≪3年生≫
矢部馨選手
―――リーグ全体を振り返って
シングルス1として出場し、自分と同じかそれ以上のレベルの人と当たるとわかってた上で試合をした結果全敗でした。去年は体の調子も良くなく痙攣で負けたり、勝てる試合を気持ちで負けたり何もできず終わりました。しかし、今回は1戦目フォアーの調子が悪く2戦目からしっかり振り切ってラリーで繋げるなどベストを尽くして負けたので結果は良くないですが4年生に成長した姿を見せることができたと思います。
全体として2部4位は悪い結果ですし自分が全敗していることが関わっています。ただ、最後を勝ち切ってリーグを終えられたことはチームの雰囲気が良い状態で新体制の下新しいスタート切れるので良かったです。
―――どういうチームをつくっていきたいか
今年から綿貫敬介プロにコーチとして来てもらったり、OBの方に来てもらったりと新しい環境の中で選手とスタッフの温度差を埋めることができませんでした。自分の代では、主将の佐藤(光希)だけに任せるのではなく、副将としてテニスの面で後輩たちを指導していきたいです。来年はリーグを1位、最低でも2位で終えられるようにまた一年間頑張っていきたいです。
≪2年生≫
奈良部駿選手
―――ダブルスで勝利とわかったときどんな気持だったか
嬉しいのはもちろんですが、それより山西さんや4年生とテニスができないのかと寂しい気持ちでした。
―――リーグ全体を振り返って
今までとは違い、新しいコーチが入ってきて色々なことが変わりましたが、筑波戦、東海戦などは雰囲気がとてもよく専大らしい感じでとてもよかったです。個人としての課題はやはり、シングルスだと思います。最近はダブルスの練習をすることが多かったので、シングルスの時にどうしていいのかわからなくってしまっているのでシングルスも重点的に練習していけたらと思います。
―――4年生へ
四年生には、たくさん迷惑をかけてしまいました。
それでも僕や、峰岸との相手をしてくれてほんとに楽しかったです。他大とは違い先輩がとてもフレンドリーに接してくれるのでそこはいい意味も悪い意味もありますが僕はストレスなく先輩方ともコミュニケーションをとれたと思います。今はとてつもなくさみしいですが、まだ会える機会はたくさんあるので最後まで迷惑をかけ続けたいです。
―――これからの目標
これからは、まだわかりませんが一個上の先輩方についていけたらいいと思っています。個人の目標は自分がテニスをしているうえで楽しいと思えるプレーを増やしていきたいと思っています。戦績はチャンスがあればシングルでインカレに行きたいと思っています。
≪1年生≫
中村公宣選手
―――リーグ全体を振り返って
先輩たちが優しく、特に備前島(駿)主将にサポートしてもらいプレーがしやすかったです。また、同期のみんなが負担にならないように率先して仕事をしてくれてチームみんなの優しさに試合で勝って恩返しをしようと思いました。1試合だけ負けてしまいましたが他の試合はチームに貢献できたので良かったです。
―――団体メンバーに選ばれたときどんな気持ちだったか
夏休みの最初の時点でメンバー発表がありました。メンバーに選ばれても先輩たちが強く実際に試合に出られる訳ではないので「1年生で出たい」という思いで先輩たちについて行って必死に頑張りました。
――――2部4位という結果にどう思うか
初戦の立教戦は実力差がある中で乗り越えられたので良かったのですが、日大戦で実力負けをし、青学大や東海大では勝てる試合を負けてしまったのが惜しかったと思います。しかし、2部4位で残留できたことは来年に繋がったので次に生かしたいと思います。
―――関東学生新進テニス選手権大会の目標
予選をしっかり勝ち抜いてしっかり本戦に上がりたいです
―――これからどんな選手になりたいか
昔からの攻撃的なスタイルを崩さず、前に積極的に入って相手の力を奪いつつ確実にポイントを取り切れるプレーを目指したいです。そのためにも攻撃力とボールに早く入れるフットワークを鍛えていきたいです。
(文・撮影=石崎愛奈・法3)