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2017.05.21
卓球

【男子卓球部】完全優勝で決めた! 2年振り29回目のリーグ優勝

 5月4日~21日 平成29年度春季関東学生卓球リーグ 男子1部 港区スポーツセンター、所沢市民体育館


 7戦全勝の完全優勝―  圧倒的な実力とその強さで他者を寄せ付けることなく最後まで突っ走った。男子のリーグ優勝は平成27年秋以来2年ぶりで通算29回目。春リーグでの優勝は平成6年以来23年ぶりのことだった。今年は新人である1年生を除いた全世代で戦力が充実。なかでも昨年の春季リーグで最優秀新人賞に輝いた及川瑞基(商2・青森山田高)は6勝をあげて殊勲賞と優秀選手賞のダブル受賞、田添健汰(商4・希望が丘高)と郡山北斗(経営3・関西高)のペアが7戦全てで白星をあげる大活躍で2度目の最優秀ペア賞に選ばれた。

▲29回目の優勝を果たした男子卓球部


○各試合の結果

日本大学  ○4-3

中央大学  ○4-3

駒澤大学  ○4-0

法政大学  ○4-1

早稲田大学 ○4-0

明治大学  ○4-1

筑波大学  ○4-1


最終成績:7勝0敗 優勝


◎主な選手の個人成績

及川瑞基(商2・青森山田高) 6勝0敗 ☆殊勲賞・優秀選手賞

田添健汰(商4・希望が丘高) 5勝2敗

田添響(商3・希望が丘高) 5勝2敗

三部航平(商2・青森山田高)2勝3敗

下山優樹(人間科学4・青森山田高) 1勝0敗

 今年度の主将を務める下山。実はこれまでリーグ戦の経験がなく、5日の駒大戦が自身にとって初めての出場だった。「緊張というよりも、自分が4年間やってきたものを出そうと思っていました」と3-2で勝利。ベンチでは的確なアドバイスを選手に送るほか、次の選手につなげる勝ちでプレーヤーとしても勝利に貢献した。

駒大戦後のコメント・下山

「試合に出させてくれた監督に感謝したいです。仲間の応援に助けられましたね、楽しくプレーできました。チームにとってベストなプレーができたかなと思います」

郡山北斗(経営3・関西高) 2勝0敗

チームが順当に勝ちあがったため、その出番こそ少なかった郡山だが、全ての試合で7番手として待機。負けたらチームの敗戦につながる重要なポジションも、「僕は7番目の方が好き。 自分で試合を決めたいと思っていますし、思いきったプレーができる」とそのプレッシャーを力に変え、チームを勝利に導いた。

田添健汰・郡山北斗ペア 7勝0敗 ☆最優秀ペア賞

 毎年、その安定感を増している田添健と郡山のペア。男子の団体戦はダブルスが1組しかないため、その勝敗が試合の流れを左右しかねないが、どの試合でも絶対的な力を発揮し、チームの勝利に大きく貢献した。チームに流れを呼び込む活躍とその勝利数が評価され、2度目の最優秀ペア賞を受賞した。


◎インカレのリベンジだ!明大下して優勝決めた

 大会4日目の第2試合は明治大学と対戦。昨年は春リーグ、インカレ、秋リーグと計3度対戦していずれも敗戦。特にインカレでは決勝の舞台で対峙し、息の詰まる接戦の末2-3で敗れ、選手たちは悔しい思いを味わった。


 1番手は田添健。明大の1番手は龍崎、1年生ルーキーだが高い実力を誇る。セット2-2で迎えた最終第5セット、ポイント9-10から田添健がまさかのサーブミスで敗戦。思いもしない形で1つ目を落とす結果になるも、今年の専大はここからが強かった。


「普通、エースで負けるとチームの雰囲気も沈んでしまうのですが、『大丈夫、次がんばって取ろう』と気持ちの切り替えができていた」(下山主将)。続く2番手の田添響は3-0のストレート勝ちを収め、チームも1-1のタイに戻す。下山も「(田添)響は今までで1番いい試合をしてくれました。あれでチームも乗っていけましたね」と、その活躍を手放しで称えた男の勝利が、沈みかけたチームを再び勢いに乗せた。


 続く及川の相手は明大の主将・森薗。今年の春リーグ開幕時点では18勝2敗という成績を残し、絶対的な実力を持つ選手だ。また、青森山田高の出身で及川の先輩にあたる。

 「相手は高校の先輩であり、印象の強い選手。だからこそ戦術やその戦い方が難しかった」と試合後振り返った及川、両者譲らぬ激しい打ち合いを繰り広げ、接戦の末3-2で勝利。大きな大きな1勝をあげた。

▲持ち前の力強いショットで勝利をつかんだ及川


 4番手の田添健・郡山ペアは変わらずの安定感で2セットを先取すると、相手ペアが足の負傷により棄権を宣告。3-0で勝利し王手をかけた。


 5番手は三部。ここまで1勝のみとやや苦戦していた。相手は明大・酒井。この2人は昨年のインカレで対戦している。しかも、勝てばチームの優勝が決まるという最後の組み合わせ同士の対戦で、試合は0-3で敗れている。

 勝てばチームの勝利が決まるという場面に、「後ろに頼れる先輩も控えていましたし、自分で決めなくてはというプレッシャーはありませんでしたが、去年のインカレのリベンジをしたい、自分の勝ちで終わりたいなという気持ちもありました」と、意気込んでいた三部。

 こちらの試合も2-2でフルセットの展開にもつれる。しかしここで三部はポイント3-9と大きく差を開かれてしまった。しかし、「次の人のこともあるし雰囲気の悪いまま終わりたくはなかった。最後まで諦めないでプレーすること、その気持ちだけだった」と1点ずつポイントを返していくと、なんと9-9の同点に追いつく。先にマッチポイントを奪われるも、13-11で勝利。壮絶な逆転勝ちを収めた三部は拳を高々と上げ、見事インカレのリベンジを達成、チームの優勝が決まった瞬間だった。

▲明大戦に5人目として出場し、劇的な勝利でチームの優勝を決めた三部


スコア ○専大 4-1 明大

●田添健    2-3 龍崎

○田添響    3-0 船本

○及川     3-0 森薗

○田添健・郡山 3-0 森薗・渡辺(第3セット途中棄権)

○三部     3-0 酒井

田中    (不戦) 渡辺

郡山    (不戦) 遠藤

▲優勝が決まり、感情を爆発させたベンチ

 終わってみれば、落としたのは1番手の田添健のみ。チーム力の高さで勝ち取った勝利、そして優勝だった。翌日の筑波大戦でも専大は4-0で勝利。全校から勝利を収め、完全優勝を達成した。

 高宮啓監督は優勝の要因として「大会を通して選手の精神面が安定していた」ことを挙げている。主将の下山も「たとえ1人がだめだったとしても次の人が勝ってくれる、そんな雰囲気がチームにありました」と、お互いがお互いをカバーしあうムードができていたと振り返った。

▲及川にアドバイスを送る高宮監督(写真中央)

 難敵・明大を下してのリーグ優勝。しかし、春リーグ・インカレ・秋リーグの全てを制覇すること(いわゆるグランドスラム)を今年の目標に掲げている選手にとって、これはその第1歩にすぎない。インカレは愛知工業大学、立命館大学などいった強豪チームが全国から集まってくるため、さらなる激戦が予想される。「これからはより他校からのマークが厳しくなる。その中でどれだけチームで力を発揮できるか」(高宮監督)と、すでに選手・監督の目は次の戦いに向けられている。専大卓球部はその目標に向けてまだ走り始めたばかりだ。


選手・監督の優勝コメント

高宮監督

「春リーグ、インカレ、秋リーグのうち初戦を取れた。全勝で優勝できて、インカレにつながる嬉しい優勝です。チームワークという点も含め、失点してしまったときの雰囲気も悪くなく戦えた。いきなり日大戦と中大戦は4-3というスコアになったが、その2つを勝ち切れたのが大きかった。

リーグ戦を通して及川と郡山、この2人の安定感が光っていた。この2人が安定していたおかげでチームも安心して戦えた。これから他校のマークも厳しくなってくる。チーム力が試されると思うし、そこがカギになってくるはず」

下山主将

「今年のチームは団結力があって、個々の性格が違っても目指すところは同じでしたし、試合に出ない人もみんな協力しようという姿勢が全面に出ていました。みんな1球1球全力で向かい、一生懸命に応援もして一致団結できました。

(応援してくれた人へ)OBやOGの方々がいないと専修大学の卓球部は成り立ちません。今回こうして結果で恩返しができて良かったです。これからも応援してくれる人たちへ感謝への気持ちを忘れずにがんばります」

及川瑞基

「リーグ戦に向けて練習をしてきたので優勝は率直に嬉しい。今年は専修の選手が揃っている。チャンスをものにしたいと思っていた。(明大)森薗選手は難しい相手だけど、そこに勝って優勝できたことがとても嬉しい」

田添健汰

「今年は大会前からグランドスラムを目指そうということになっていて、まず1つ目を取れて素直に嬉しいです。(最優秀ペア賞について)団体戦においてダブルスは取ると取らないではその後の流れも全く違うし、それまでのポイント関係なく流れが変わる。だからダブルスにかける思いは強かった、絶対取ってやるという気持ちだった」

田添響

「前半戦は2連敗してしまったが、後半は試合を重ねるごとに状態も良くなったし結果もついてきた。今年は自分が負けても他の強いメンバーがいるから楽な気持ちで試合に出られた。助け合いの気持ちがチームに定着していた。インカレも秋リーグも優勝してグランドスラムを達成したい」

三部航平

「最近はなかなか勝てず、試合で勝つ感覚というのも自分の中でなくなってきて、不安がいっぱいある中で迎えた大会だった。そんな中、明大戦で勝ててとても嬉しい。しかも最終セットは3-9から逆転勝ちという1番派手な勝ち方ができて、最高に嬉しいです」

郡山北斗

「(最優秀ペア賞について)正直なところ、ダブルスにあまり練習の時間を割けなかったので、そんなに勝てると思わなかった。チームは優勝できて、さらに最優秀ペア賞ももらえて嬉しかった。全勝で終わったというのは今までたぶんない。リーグ戦前に見つかった反省点を改善して、リーグ戦に臨めた。みんなグランドスラムを目指しているし、そこに向けて練習している」


(文章=飛田翼・文3、写真=飛田、冨樫幸恵・文3)