最新ニュース
1勝1敗で迎えた東洋大とのリーグ最終戦。前の試合で好投を見せた山口寛太(法2・金沢市工高)がこの試合も先発し、7回途中3失点と試合を作る。打線では五十嵐健(経済2・常総学院高)、大野恵和(経営3・専大松戸高)の中軸二人が要所でタイムリーを放つなど投打が噛み合い、リーグ最終戦を白星で飾った。また、6回裏、初スタメンの石川真大(経済1・緑岡高)にタイムリー3塁打が飛び出すなど、6月に行われる全日本選手権をかけたプレーオフに向け、新たな明るい材料も見つかった。
○5月16日 東都大学準硬式野球春季リーグ 対東洋大 3回戦 上柚木公園野球場
<スコア>
東洋大|100 020 000|3
専 大|100 303 00×|7
<スタメン>
1(中)須永隼人(商1・専大松戸高)
2(右)福井亮太(商4・県岐阜商高)
3(二)今坂僚介(ネット情報4・常葉菊川高)
4(指)五十嵐健(経済2・常総学院高)
5(一)大野恵和(経営3・専大松戸高)
6(三)山口剛史(商3・伊勢崎商高)
7(左)桂川海輝(経済3・専大北上高)
8(指)石川真大(経済1・緑岡高)
9(遊)杉山滉生(経済3・専大北上高)
P 山口寛太(法2・金沢市工高)
1回表、先発山口寛は先頭打者にいきなり二塁打で出塁を許す。しかし、マウンド上で慌てる姿はなく、「立ち上がりが悪いのはいつものことなので最少失点で抑えられて良かった」と山口寛。落ち着いた投球を見せ、犠牲フライの1点で立ち上がりを切り抜ける。
▲リーグ最終戦の先発マウンドを任された山口寛(撮影=大河原)
その裏、今度は逆に相手投手の立ち上がりを攻めたてる。1、2番凡退で3番今坂がライト線へ二塁打で出塁。「『ランナーの今坂さんをホームに返そう』、そのことしか思っていなかった」と4番五十嵐がライト前へ内角のスライダーを上手く合わせタイムリー。3、4番の連打ですぐさま1点を返した。
▲先制された直後同点打を放った4番五十嵐(撮影=大河原)
4回裏、相手投手の代わりっぱなを攻める。2番福井が相手のミスで出塁し、3番今坂がヒットで1、2塁のチャンスを演出。4番五十嵐は倒れるも、5番大野がセンター前へ低めの球をうまく拾って、勝ち越し打を放つ。その後、桂川、杉山にもタイムリーが飛び出し一挙3得点。一気に差を広げた。
▲打っては勝ち越しのタイムリー、守備では投手陣を引っ張る大野(撮影=飛田)
▲追加点となるタイムリーの杉山、好守でもチームに貢献(撮影=大河原)
5回表、山口寛は先頭に死球で出塁を許す。送りバントでランナー2塁。その2塁ランナーが三盗を試みるもキャッチャー大野が阻止し、先発山口寛を助けた。しかし、その山口寛がピリッとしない。その後も四球で出したランナーをヒットで返され失点。不運なポテンも含め三連打を受け、この回2失点。「あの回は点を取ったあとで周りからも『この回は大事』というのは言われていたのに先頭を出して、流れを悪くし、失点してしまった。点を取ってもらったあとなのに申し訳ないです。」と山口寛は試合後悔しい表情を見せるも、6回まで3失点としっかりゲームを作る好投、次も期待がかかる登板となった。
6回裏、相手のミスなど1,3塁のチャンスを作る。この試合初スタメンに起用された1年石川が打席に入る。前の打席チャンスで凡退し回ってきたチャンス。「次は絶対打つ」と強い気持ちを持っていたという石川が放った打球は左中間の深いところへ。二人のランナーが一気に生還し、打った石川も3塁へ。チームにとっても石川にとっても嬉しい一打となった。その後、さらに犠牲フライで1点を加え、試合を決定づけた。
▲初ベンチ初スタメンで期待に応えたルーキー石川(撮影=大河原)
7回途中から岡本和記(商4・金光学園高)、8回から阿部拓磨(経営3・専大松戸高)の継投。ランナー背負いながらも0に抑え、リーグ最終戦を勝利で締めくくった。この結果、勝ち点3でリーグ上位が決定。6月に行われる全日本選手権をかけたプレーオフへ良い弾みとなった。
▲最後、無失点で締めた阿部拓、プレーオフでの好投にも期待(撮影=大河原)
▽試合後コメント
○主将・神山琢郎(経営4・県岐阜商高)
「(試合を振り返って)先制されたんですけど、すぐ追いつくことができて、相手投手の代わりっぱなを打つことができ、追加点をあげることもできました。試合はこちらのペースで進んだというわけではないのですが、良い流れで打てたと思います。初回、2アウトから今坂と五十嵐の2人で追いついてベンチも良い雰囲気になりましたし、いい1点でした。(初スタメン石川について)おそらく緊張していたと思うんですけど、それが分からないくらいリラックスしていましたね。追加点のタイムリー、良く打ってくれました。(先発の山口寛について)前の試合で相手のバッターが速いまっすぐに合っていないと感じていたので、山口に先発を任せることにしました。山口を先発にまわせば、後ろに阿部と岡本の2人が控えていますし、初回から飛ばしていけると思いましたので。速いまっすぐを使って押していってくれましたね。彼もゲームを作る能力がついてきました。自分の投球スタイルが分かってきたのかなと思います。そこは成長した部分ですね。自覚も出てきましたし、今後にも期待したいです。(スタメンマスクを被った大野について)まだ自信ないとは思うけれど、大野なりに色々つかみながら頑張っていると思います(リーグ戦総括)最初4連敗して流れの悪い始まりだったけれど、立て直したといいますか、チーム全員が自覚を持ってやれたことでこの結果になったと思います。去年の秋は6位に終わって課題も見えましたが、それをしっかりつぶすことができました。チームが強くなってきて、選手たちも自信がついてきましたね。毎年苦戦している春リーグでこの成績を残せて、力がついたと感じます。良いチーム状況でプレーオフに入れると思いますね。(全日本予選について)自分らが経験したことのない戦いになりますが、これまで貫いてきた自分らの野球を全力でやる、ぶつかっていくだけです」
○3安打猛打賞の好調今坂
「今日はバッティングを変えて試合に臨んで良い結果につながりました。最下位がない状況だったので自分自身でも試すことが出来ました。久しぶりの3位以内ということだったので絶対勝つつもりでした。良い意味でプレーオフにつながる勝利となりましたね。春のリーグ戦は良いことも悪いことも経験してきたので良いときにはどうしてきたかを考えて、残りの期間、良い状態にしてプレーオフに臨みたいです。」
▲バットで引っ張る副主将・今坂(撮影=飛田)
○攻守でチームをけん引する大野
「(4回の勝ち越し打)1本出したいなと思って打席に入りました(相手先発について)特に悪い印象もなく、良いイメージで打席に入れました。積極的にいこうというのは決めていました。打ったのはフォーク。2ストライクと追い込まれていたのでバットを短く持って対応したことが結果につながったと思います。(自身2度目の捕手出場)1回目よりは配球の面でもピッチャーと意見を合わせながらリードできました。(先発の山口寛)要所要所を抑えてくれました。ピンチでもしっかり投げてくれました。(全日本予選について)今良い感じでチームに流れが来ていますし、これを維持しながら、本番までの練習でも競争意識を持って取り組みたいですね。」
○今季4勝目を挙げた山口寛
「今日の先発は1週間くらい前から決まっていて、この試合に照準を合わせてやってきました。立ち上がりが悪いことはいつものことなので、(犠牲フライの)最少失点で抑えられて良かったです。(5回の失点について)あの回は点を取ったあとで周りからも『この回は大事』というのは言われてました。でも先頭を死球で出してしまって流れを悪くし、ポテンヒットなどが出て、失点につながってしまいました。先頭ですね。点を取ってもらったあとなのに申し訳ないです。でも、最後、三振で抑えられたのは良かったです。周りからの声もあったり、後ろに岡本さん阿部拓さんがいたのであの場面でも余裕を持って投げれました。リーグ戦では3人で抑える試合も多くあったので、プレーオフでも継投して勝っていきたいです。あと、いつも阿部拓さんに大変な思いをさせてしまっているので助けられればと思います。」
○初回同点打を放った五十嵐
「(1回同点打について)ランナーの今坂さんホームに返そう、そのことしか思っていませんでした。インコースに入ってくるスライダーを打ちました。試合では『専スポに載りたい!』とずっと思っているので良かったです(笑)最近今坂さんと話をして、今日は新しい打撃フォームを試してみようということになりました。自分はチームの流れを変える一打を期待されているので、自分の考えを持って狙い球を打っていこうと決めています。(リーグ戦を振り返って)ずっとスタメンでレギュラーに出られたことは素直に嬉しいです。打席で凡退しても『また次打てばいいや』と上手く気持ちを切り替えることができました。試合に出させてもらってたくさんのことを経験させてもらいましたし、ありがたいですね。少ないチャンスをものにして、スタメンでアピールをして結果を出せました。自分にも後輩ができて、自覚が出てきたなと思う一方で4年生と野球ができる機会も少なくなってきてさびしい気持ちもあります。(全日本予選について)チームに貢献できるようにがんばります。絶対全日本に出るんだ、自分が決めてやるという気持ちを強く持ってやりたいです。」
○初スタメン初タイムリーで期待に応えた1年石川
「出るかもしれないと、前もって言われていたので準備はしていました。でもまさかスタメンで出るとは思いませんでした。ベンチでは先輩たちに支えてもらって強い気持ちを持って打席に入れました。 (3打席目の適時打について)前の打席で先輩たちがつないでくれたのに打つことができなかったので次の打席は絶対打つという強い気持ちを持っていました。どんなボールでもくらいつくつもりでいました。打った瞬間は『ボールはどこいった?』と頭が真っ白になって気づいたら三塁にいましたね。先輩たちが打たせてくれたタイムリーです。入ったばかりですが先輩たちが作ってくれている良い雰囲気でやれています。4年生と野球ができる機会が少なくなるのでプレーオフまでの期間を大事にして集中してやっていきます。」
(大河原佳也・文3)