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平成29年度関東学生テニストーナメント大会(春関)が5月1日から7日にかけて有明テニスの森公園にて行われた。男子シングルス3名、ダブルス2組のインカレ予選・本戦が決まった今大会の2日目以降の試合を結果とともに振り返る。
矢部馨(経営3・浦和学院高)の2回戦の相手は前年度のインカレチャンピオンであったがケガによる棄権のため3回戦進出を決めた。「インカレ本戦が決まったが舞い上がらずに次に集中しようと気持ちを切り替えることができた」と語った矢部は攻めと守りのメリハリのあるプレーで試合を展開していくもネットのミスが目立ちポイントを奪うことができなかった。
▲得意のフォアを生かしインカレ本戦を決めた矢部
雷雨のため中断試合となった専大注目の山西大(文4・柳川高)は相手にバックを狙われ相手に先にブレークを許す苦しい展開となる。しかしセカンドセットは強烈なフォアと粘りのプレーで相手を苦しめチャンスを演出するも巻き返すことができなかった。
▲攻撃的なフォアで攻めるも悔しい結果となった山西
4年生最後でインカレ予選の切符を掴んだ油布将也(文4・足利工業大附高) は相手の深くてゆっくりなボール展開に自分から攻め切ることができずファーストセットを落とす。続くセカンドセットでも油布得意のカウンターを生かした試合をさせてもらえず2回戦で姿を消した。
▲左利きを生かしたサーブで攻める油布
こちらも中断試合となった、奈良部駿(商2・秀明八千代高) は攻めのプレーでポイントを奪いチャンスを作るも取りきれずファーストセットを落としてしまう。「ファーストセットでチャンスがあっただけに気持ちを切り替えられなかった」と奈良部が振り返ったようにセカンドセットは自らのミスが早くなり相手の実力を見せつけられた。
▲バックを狙われ必死に食らいつく奈良部
「ダブルスのほうが得意なので頑張ります」と力強く語ったヘルナンデス亨(商3・柳川高)・奈良部ペアは自分たちのミスが続きファーストセットをブレークされる。セカンドセットでは途中リードするもボレーのミスが要所で目立ち自分たちの流れにもっていくことができなかった。
▲スマッシュで攻めるヘルナンデス(左)と奈良部
ファーストセットは相手のサーブや鋭いボレーに自分たちのプレーをさせてもらえなかった永田和輝(商4・法政第二高)・峰岸晃希(経営2・法政第二高)ペア。しかし永田のサービスゲーム時にフォーメーションを組むなどの作戦にでるとセカンドセットでは永田・峰岸ペアがリードする展開となった。要所でチャンスはあったものの生かすことができず惜しくも敗退となった。
▲息のあったプレーを見せた永田(左)と峰岸
≪結果≫
▷男子シングルス
1回戦
永田和輝・ヘルナンデス亨・奈良部駿 1回戦敗退
矢部馨・油布将也 →2回戦進出
2回戦
○矢部 2-0RET 小林(早大)
●山西 2-6、5-7 日野(駒大)
●油布 3-6、0-6 堀切(日大)
3回戦
●矢部 2-6、0-6 安上(早大)
▷シングルス・コンソレーション
永田・ヘルナンデス・奈良部 敗退
▷男子ダブルス
2回戦
●ヘルナンデス・奈良部 2-6、4-6 杉田・池添(明大)
●永田・峰岸 0-6、4-6 田村・日野(駒大)
≪選手コメント≫
~男子シングルス~
矢部馨選手 インカレ本戦出場決定
「相手は前に対戦した時は勝ったことがある相手だった。お互いの弱点を知っている状態だったため左利きを生かして相手のバックを中心に展開していこうと思っていたがまだ打つべきタイミングではないときに我慢しきれず打ってしまい自分からミスすることが多くなってしまった。1セット目から2セット目に入って気持ちを切り替えたつもりだったが、ネットのミスやバックのミスが目立ち自分自身に苛立ち気持ちが集中しきれなくなっていた。インカレ本戦では1R目から強い相手だが、我慢強いプレーをして勝てるように頑張っていきたい。」
山西大選手 インカレ予選出場決定
「試合前に最悪の状況を想定して臨めず試合運びが悪かった。インカレの目標はもちろん優勝。4年生最後のインカレなので、まずは予選をしっかりと勝ち上がり本戦優勝まで勝ち進みたい。」
油布将也選手 インカレ予選出場決定
「自分の苦手なタイプだった。速いボールで展開される形だったら自分の得意なカウンターを生かした試合ができたが、今回は丁寧に打ってくる相手に対して守りすぎてしまった。得意なフォアにもっていくことを意識したが、逆にそれを意識しすぎるあまりミスが多くなってしまったと思う。どんな相手に対しても自分の得意な展開に持っていけるようになるこがこれからの課題。反省点もあるが、しっかり前にでて打てたところは良かった。4年生になって初めてのインカレ予選出場なのでまずはインカレ本戦に出場することを目指していきたい。」
奈良部駿選手 1回戦敗退
「相手は高校の頃から有名な強い選手だったため自分はチャレンジャーの気持ちでプレッシャーもなくできた。ファーストセットの時に何度かチャンスがあった中でゲームをとりきれずセカンドセットの時にうまく気持ちを切り替えられなかったのが今回の敗因だと思う。ここ最近シングルスで結果が残せていなかった中で自分らしいプレーができたところは良かった。次も自分らしいプレーを心掛けていきたい。」
~男子ダブルス~
ヘルナンデス・奈良部ペア インカレ予選出場決定
ヘルナンデス亨選手
「勢いで相手に負けてしまって自分たちのプレーが出来なかった。サーブの入りも悪く、ボレーも決まらず気持ちの部分でも負けてしまっていた。今年はシードからということもありプレッシャーもあったと思う。今回の結果をしっかり受け止めてインカレ予選では自分たちのプレーをしっかりできるように頑張りたい。」
奈良部駿選手
「相手選手のうちの1人が左手をケガしていてバックがまともに打てていないと気付いたにも関わらずそこを上手く狙えなかった。自分たちのボレーもなかなか決まらず相手がどんどん乗ってしまい主導権を握られてしまった。ボレーができなかったぶんストロークの展開はできたが今回は悪い部分が多すぎた。インカレ予選では本戦出場が目標であるが勝ち負けの前に自分たちが納得のいく内容のプレーをしたい。」
永田・峰岸ペア インカレ予選出場決定
永田和輝選手
「今年が最後の春関だったのでいつも以上に気持ちの入った試合をしようと心がけた。チームのみんなが応援したいと思えるような試合ができたのは良かったが実力をすべて発揮できなかったのは悔しい。試合には負けてしまったが、課題が浮き彫りになったことでモチベーションに繋がったと思う。インカレ予選では勝ち負けにこだわりつつ、テニスを楽しむことを忘れずにプレーしたい。」
峰岸晃希選手
「相手の勢いに押されて決められてしまうことが多かった。もう一度基礎からやり直そうと思わせてくれる試合だった。インカレ予選では春関でみつかった課題を克服して専大旋風を巻き起こしたい。」
今大会を振り返ってみると、シングルスシードの山西や昨年ベスト8のヘルナンデス・奈良部ペアが2回戦で敗退するなど本来の力を出し切れず悔しい結果となった大会だった。しかしながら、昨年に比べてインカレ予選・本戦出場選手が増えたことはチーム全体として力をつけてきている証拠だろう。「応援の声が力になりました」と永田が語るように応援を通して部員全員が一丸となって戦う姿は個人戦でありながらも団体戦を見ているようで胸が熱くなった。インカレ予選・本戦に出場する選手たちは全国の舞台で自分らしいプレーをして勝利を掴み取ってほしい。
(文・撮影=石崎愛奈・法3)