News

最新ニュース


2016.05.22
準硬式野球

【準硬式野球】 リーグ最終戦を勝利で飾れず チームは4位も3選手がベストナイン受賞

5月22日 対国士館大3回戦 (八王子市民球場)

 


 5月22日に八王子市民球場で対国士大3回戦が行われ、1-2で惜しくも敗れた。専大は1点ビハインドで迎えた6回、3番大野恵和(経営2・専大松戸高)の盗塁でチャンスを作ると、5番神山琢郎(経営3・県岐阜商高)がライトへのタイムリーヒットで同点とした。その後7回の守りで満塁のピンチを迎えるとリリーフとして藤後彰太(経営4・県岐阜商高)が登板。押し出し死球の1点のみに抑えるもこれが決勝点となった。打線は10安打を放つも1得点に終わり、好投した投手陣を援護できなかった。

<スコア>

専 大|000 001 000|1

国士大|100 000 10X|2

〇スターティングメンバー

1(指)金子翔馬(法4・新潟明訓高)

2(中)桂川海輝(経済2・専大北上高)

3(三)大野恵和(経営2・専大松戸高)

4(一)風見健太(経営4・竜ヶ崎第一高)

5(捕)神山琢郎(経営3・県岐阜商高)

6(遊)今坂僚介(ネット情報3・常葉菊川高)

7(右)福井亮太(商3・県岐阜商高)

8(二)杉山滉生(経済2・専大北上高)

9(左)猪股瑛司(経済4・専大松戸高)

P  阿部拓磨(経営2・専大松戸高)

 

先発の阿部拓、この日は立ち上がりからピンチを迎えた。2アウト2塁の場面で打ちあがった球はショート方向へ。危機を脱したかと思えたが、ここでショートの今坂が捕球できず。捕球体勢の際に光が入ったか、思わぬ形で先制点を許した。それでも後続を断ち、この回の失点は1点のみ。

▲先発する阿部拓 先発投手として試合を作った

 チャンスが訪れたのは3回の表。1アウトから金子、桂川、風見の連続安打で1アウト満塁とする。バッターは4番の風見。打球はセンター方向へ上がり、犠牲フライには十分な距離になるかと思われた。しかし、中堅手からいい返球がキャッチャーに送られ、3塁ランナー金子は本塁でタッチアウト。同点に追いつく好機であったが、相手の好守に阻まれた。

 専大は中盤5回まで無得点。阿部はその後も5回までに三振を5つ奪う好投を見せ、スコアボードに0を刻んでいった。

 1点をリードされ迎えた6回、3番の大野がヒットで塁に出る。初回以来の先頭打者出塁で得点への期待も膨らむなか、大野は続く風見の打席で2塁への盗塁を成功させチャンスを作った。

 ▲6回表 盗塁を決める大野 


 続く風見はサードゴロに倒れ、バッターは5番の神山。高めの真っ直ぐにバットを合わせると、打球は野手の間に落ちる技ありのタイムリーヒットとなった。

▲ライト前鮮やかな同点タイムリーを放つ神山 

試合後、神山は「自分はライト方向へのヒットが多い。自分らしい当たりだった」と振り返った。神山のタイムリーで、チームは同点に追いつく。


 7回、先発の阿部が降板。6回を投げて6奪三振。初回の不運な失点のみと、非常に安定したピッチングを見せた。マウンドには阿部に代わって松澤知大(商1・関東学園大附高)が上がる。2アウトまではいい投球をみせるも、そこから連続で死球を与え、満塁としてしまった。

 後輩の作ってしまったピンチは先輩が助ける―そう言わんとばかりに4年生の藤後が松澤に代わってマウンドに上がる。藤後は春季リーグ初めてのリリーフ登板である。

▲リリーフとして登板した藤後  慣れない救援登板だったが「いい緊張感でマウンドに上がれた」と試合後に語った


 1本のヒットも許されない、当たりによっては試合が決まってしまう、そんな場面だったが藤後は臆することなく力強いボールを投げた。ただ気持ちが入りすぎてしまったか、藤後の投げた2球目は相手打者の体に当たるデッドボールに。痛恨の押し出しで勝ち越し点を許し、藤後は悔しそうな表情を見せた。それでも次の打者をきっちり抑え、このピンチを最低限の失点で抑える。

 残された攻撃は残り2回、いずれもランナーは出すもホームに迎え入れることは出来ず、ゲームセットとなり春季リーグ戦を勝利で飾ることは出来なかった。

 


 この試合を持って、春季のリーグ戦全試合を終えた準硬式野球部。12試合を戦って結果は5勝7敗、全6チーム中4位だった。

 



試合後インタビュー リーグ戦の総括

金子主将

「今日の試合でもあったように、ヒットは出るがチャンスで、点が取れる場面での1本が遠かった(10安打1得点)。攻撃面での問題点はチャンスでの一打、秋リーグまでの期間でこの部分をどう詰めていけるかが大事になってくる。春よりもう1段階上の打撃ができるようにしたい。投手たちはいい意味で想像以上の活躍だった。彼らの意識がいい方向に向いたからなのか、最終的には頼れる投手陣に成長してくれた。投手が抑えてくれば、後は野手が打つだけなので、より一層打撃力に磨きをかけられるよう頑張ります」


試合でタイムリーを放ち、守ってはキャッチャーとしてリーグ戦に出場した神山

「どちらかというと悔いの残るリーグ戦だった。4年生と全国大会に出る目標は叶わなかったし、守りにしてもバッティングにしてももっとやれることがあったと思う。今回のリーグ戦、投手が良かったのは収穫だった。その分打撃の課題が見えたので秋は投手と野手、みんなで勝てるような試合をしたい」


主にリーグ戦の1回戦、先発投手として登板した藤後

「自分が投げる試合はリードされてしまう展開ばかりだったけど、粘り強く投げられたし結果的には良かったと思う。日ごろから言動や行動などを後輩に見せてきた中でそれを後輩たちもしっかり受け取ってくれた。それが今の成績につながったと思うし、先輩として嬉しかった。個人的にはリーグ戦で投げられたことが成長だと思う。正直自分は勝負弱いのでピンチでも0点で抑えられるように秋へ向けてしっかり準備していきたい」


先発した阿部拓

「リーグ戦を通して試合を作る力がついた。その中でストレートの精度を上げようと取り組み、結果良くなってきている。自分は元々野手出身なので、守っている人の気持ちがわかる。だからこそ野手が守りやすいように打たせて取ることを意識してやってきた。秋までにもっと成長して勝ち点を自分の手で上げられるように頑張っていきたい」



〇ベストナインに3人が選ばれる

5月29日に春季リーグの閉会式が開かれ、最優秀選手らの表彰が行われた。専大からは金子が.386で首位打者を獲得、大野が三塁手、猪股が外野手で、金子は指名打者の部で3選手がそれぞれベストナインに輝いた。これは1部リーグの中で最も多い人数だった。

▲.333、10打点の成績を残し、ベストナインに選ばれた大野


▲ .343、10打点の成績を残した猪股 この日は守備でもいいプレーを見せた


▲ .386、6打点を記録し、首位打者を受賞、ベストナインにも選ばれた金子 主に1番打者としてチームを牽引した

 

3月の関東選手権同様、「打ち勝つチーム」というテーマを掲げてリーグ戦に挑んだ準硬式野球部。3選手がベストナインに選ばれ、その打撃力を大いに発揮した一方で、勝負強さという面では少しもろい部分が見えるなど課題も残った。また、藤後、阿部をはじめとする先発陣やリリーフとして投げ続けた岡本など、盤石な投手陣を確立できたのは大きな収穫であったといえるだろう。強力な打撃陣と安定感のある投手陣、この2つが噛み合えばより強いチームとなるのは容易に想像ができるはず。夏の練習期間を経て秋季のリーグ戦ではどのような試合を見せてくれるのか、大いに注目したい。

(飛田翼・文2 写真も)