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関東大学サッカーリーグ戦も５試合を消化し、前期リーグも今節で折り返す。集中応援日となった専大は味の素フィールド西が丘で、好調である早大を２－０と無失点で勝利した。
開幕戦こそ無失点で勝利したもののその後は失点が減らず苦虫を噛み潰したような試合が続いていた専大。今節は開幕から３勝２分けと負けなしと安定した力で２位につける早大との対戦だった。まだチーム作りの最中である印象を拭えない専大がリーグ最少失点を誇る早大のゴールをこじ開けられるか心配であったが、それは杞憂だった。
前半、先にエンジンをかけたのは専大だった。DF登録ではあるがFWの位置に入った柳育崇（法４・八千代高）とDFから前にポジションを移した飯田貴敬（法４・野洲高）の起用が功を奏し、前からのディフェンスが早大を苦しめる。８分、氣田亮真(文１・千葉敬愛高)が左サイドで受けまたぎフェイントを入れ、突破を試みる。９分、FW下田悠哉（法２・鷺宮高）が右から切れ込みシュートを打つもボールは左へそれる。14分にはDF小口大貴（経済４・生田東高）のクロスに下田が飛び込むがボールは大きく外れていった。開始から攻めたてる専大が先制点を奪ったのは19分だった。右サイドの丸野了平（商３・作陽高）が鋭いクロスを送るとゴール前で待っていた柳がDFとの競り合いを制し高い打点でボールをヘディングで合わせる。ボールはゴールポストに当たり跳ね返るが、すでにボールに触るべく飛んでいたGKの背中に当たりゴールに転がりこんでいった。その後はようやく目を覚ました早大が素早いボールへの寄せで攻める時間を作っていく。いつもであればミスからの失点がありそうな場面ではあったが今日は前線にターゲットとして構えていた柳が詰まったビルドアップの逃げ道となって事前に危ない場面を作らせなかった。苦難や困難を耐えているうちに好機が訪れることを「辛抱する木に花が咲く」というが、専大にまさにそのような展開がやってくる。39分、CKに柳が合わせ、GKが弾いた先に詰めていた下田がゴールに押し込みリードを2点に広げることに成功する。攻められない時間が少し多かったものの相手をシュート1本に抑え、なおかつ2点リードという上々な前半だった。
後半になっても互いに高い位置からプレスに行く姿勢は変わらない。球際への寄せが素早い中選手たちには如何にボールをコントロールし、自らの支配下に置くかが求められた。なので自然と攻守が激しく入れ替わる展開となった。３分、スローインから安易にかわされGK玉永大地（法３・横浜商科高）と1対1の場面を作られるがこれはシュートが外れ、難を逃れる。７分、MF大戸岬（文４・藤沢清流高）の縦パスを受けた氣田がボックス内で相手を背負いながらターンをしてシュートを打つ。11分、早大の決定機、CKからゴール前にいた相手にボールがこぼれシュートを打たれるがクロスバーに当たり助かる。15分、安易なパスでCBが捕まりボールロストし、そのままシュートまで持っていかれる。18分には早大の選手のドリブルに翻弄され、シュートを打たれ、そのこぼれ球を押し込まれるがオフサイドの判定でノーゴールと救われる。22分、久しぶりの専大の決定機がやってくる。小口のクロスを柳がニアに飛び込みながら合わせるが、ボールはファーポストを叩き惜しくも得点とはならなかった。その後、FW岸晃司(経営１・川崎北高)を投入しロングボールの引き取り手を増やしながら逃げ切った専大が開幕戦以来の勝ち点３を手にした。
激しい球際と、目まぐるしく移り変わるトランジションはスタンドで見ていた私も自然と背筋を伸ばすくらいに緊張感のあるものだった。ここまで無敗の早大に初めて土をつけたこの試合にどんどん上澄みを入れ、連勝を積み重ねていきたい。
小口大貴主将
「前半２点取れていい形で後半を迎えられた。後半攻め込まれたのは気を付けたい。」
――試合に出ていない期間が続いたがその間はどのように過ごしたか
「チームが勝っていなかったので上級生として変えなければと思った。自分たちからでないといけない。もっと４年生が優勝に本気を見せないと後輩に示しがつかない」
飯田貴敬
「久々に無失点で開幕以来嬉しいです。今週初めてFWで練習して一週間で合わせられた。」
――SBの時とどう意識を変えているか
「楔のボールを引き出すこととビルドアップをスムーズにいくようにした。（同じサイドでプレーした）丸野も自分を出すことのできる選手なので守備はいろいろ合わせたが攻撃は共通意識を持ってやれた
柳育崇
「２週間前まではチームだったが、今週は結果を残してゴール決めれてよかった。
今年は登録ではあるが、練習からFWでやってきたので、もっと得点を狙っていきたい。
自分は高さと強さが強みである。今日も何本か決めれるべき所を決めれなかったので、次節以降はもっと2点3点と取っていきたい。」
源平貴久監督
「よかった。囲みの意識がしっかりしていた。久しぶりに出た2人の大きい選手が前から突破してよかった。飯田はプロではウイングバックで評価されており、単純に前に出てドリブル勝負をさせるために前線に置いた。それと調子のいい丸野を使いたかった。もう少し守備力がつけばもっといい。今日は柳様々だった。左右は佐藤など他にも色んな人がいてバリエーションがあるが、ボランチがなかなか上手くいかなかったが、今回は去年みたくよかった。小口もやみくもでなく、他の選手との連携を取り出しており、よかった。」
――次節（明大戦に向けて）
「次節は連勝出来るように。今日の一勝で下ではなく上を見れるようになったので」
（文＝古谷皓平・文３）
