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4月24日に秩父宮杯第64回関東大学アイスホッケー選手権大会がダイドードリンコアイスアリーナにておこなわれ、専大は青山学院大学と対戦した。この大会において未だ勝ちの無い専大は第3ピリオド、#12松浦輝(法4・市立東野高)の同点ゴールで試合を振り出しに戻すも、ゲームウィニングショットで敗れ、惜しくも勝利することはできなかった。
《スコア》 専大 3-4 青学大
1P 1-1(シュート数8-10)
2P 0-1(シュート数7-12)
3P 2-1(シュート数17-16)
GWS 0-1 (ゴール数1-2)
シュート総数(32-38)
最後まで展開の読めない緊迫したゲームになった。点差が2点以上になった場面は1度もなく、リンクには常に緊張感が漂っていた。選手同士がパックをめぐって激しく衝突する場面もこの日はいつもより多く見られ、両チームの強い気持ちがひしひしと伝わってくる試合だった。
第1ピリオド開始から5分、#16田部瑛介(経済1・苫小牧東高)がシュートしたパックを相手キーパーがはじいた。#8宮下和輝(法4・北海高)がこれを逃さずゴールに押し込んでゴール。前の試合同様に先制点を奪った。しかし、16分に青学大のゴールが決まり同点とされてしまう。続く第2ピリオドでもゴールを許し、1点ビハインドで第3ピリオドを迎えることとなった。
なんとか1点を取りたい専大は第3ピリオド3分に#10三浦真一朗(法4・東北高)が鮮やかなゴールを決め、ついに同点に追いついた。
▲ゴールを決めた#10三浦
7分には#21上村良一(法2・北海道栄高)、#28藤田航平(法4・釧路江南高)が連続してシュートを打ち込むが相手のスライディングによる懸命な守りもあってゴールならず。するとすぐさま相手が攻撃に転じ、専大はこの攻撃を防ぎきることはできなかった。
再びリードを許し、少し重苦しい雰囲気がただよう中、#12松浦がゴール前にこぼれたパックを押し込んで同点のゴールを決める。このピリオド2点目のゴールに会場も大きく沸いた。
▲貴重な同点ゴールを決めた#12松浦
試合終盤には#21上村がこぼれ球を拾ってカウンターに転じゴール前までパックを運ぶも、得点は入らず。3-3の同点で第3ピリオドを終え、決着はゲームウィニングショットの結果に委ねられることになった。
ゲームウィニングショットとは、キーパーとシューターによる1対1の勝負で、サッカーで例えるならばPK戦と同じである。両チーム3回ずつ行い、ゴールが決まった回数が多かったチームに1点が入る仕組みになっている。
先攻は専大。1人目は#12松浦。この試合で同点に追いつく貴重なシュートを放っている。#12松浦は相手キーパーの動きをよく見てから落ち着いてシュートを放ち、ゴールを決めると力強く拳を握り締めた。
後攻、青学大の1回目のシュートも決まりこれで1-1の同点。専大の2人目のシューターは#21上村。こちらは両チームともにシュートが決まらず、勝敗は3回目のシュートで決まることになった。
専大の3人目のシューターは#11東山哲士(法4・北海高)。会場にいる全ての人の注目が彼に集まった。ゆっくりと動き出し、キーパーとの間合いをつめていく。ゴール右側を狙って放ったシュートは相手キーパーに阻まれ、ゴールとはならなかった。
こうなると何が何でも次のシュートを防ぎたい専大。GKの#31須藤水晶(法1・北海道栄高)に期待が寄せられる。青学大の選手が放ったシュートは無情にもキーパーの体をかすめ、決勝のゴールとなった。勝敗が決まった直後、GK#31須藤は悔しさからか、天を仰いでいた。
この試合で大会全日程を終えた専大。0勝3敗で12位という結果だった。
試合後のコメント
高橋裕一監督
「全体を通してこちらが押していたのになかなか点が取れなかった。第3ピリオドは選手たちが『追いつくんだ、勝ち越すんだ』という強い気持ちを最後まで見せてくれたのでよかった。秋につながる攻撃だったと思う。最後のGWSは運なので仕方ない。(大会を振り返って)初戦、慶大との試合(0-7で敗戦)でガクッときてしまった部分はあると思う。その後勝ちには恵まれなかったが選手たちの何とかしようという気持ちは見られた。秋のリーグ戦に向けてまずは選手たちの体力、基礎から鍛えなおす。夏の合宿でも氷上で練習できる機会はあるので得点力強化に特化した練習もするつもり」
#11東山哲士主将
「青学大の方がベンチ入り人数が少ないのに体力で負けていた。最後に追いついたのはチームとしては良かったが、できることなら第1ピリオドから点を取って相手を突き放したかった。秋に向けて全員で鍛えなおして体を追い込んで、リーグ戦では他のチームを圧倒できるようなチームにしたい。春の借りは秋で返したいと思います」
試合後のインタビューで#11東山哲士主将は「3試合ともふがいない結果で見に来てくれたお客さんに申し訳ない気持ちでいっぱい」と悔しさをにじませた。確かに3試合で白星はひとつもあげることは出来なかったが、GKの#31須藤を始め、1年生が試合に出場するなど収穫が無かったわけではない。この大会が終わると、アイスホッケー部は秋のリーグ戦まで試合がない。長い練習期間を経て一回り大きく成長した選手たちが、この大会の悔しさを晴らしてくれることを期待したい。秋に向けての準備は、もう始まっている。
(飛田翼・文2)