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2025.12.20
バレー

【バレー部】近大に力及ばず 4位で全カレ閉幕

〈第78回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会=12月7日 専大1-3近大〉


 3位を懸けた最後の戦いに惜しくも敗れた。第1セットは近大の鋭い攻撃と高いブロックに苦しみ、連続得点を許しセットを奪われた。続く第2セットは甲斐優斗(経営4・日南振徳高)、マサジェディ翔蓮(文1・福大大濠高)を中心に攻撃を仕掛け点を重ね、専大の持ち味であるブロックも冴え、セットを獲得。第3セットは点を取り合う接戦となった。しかし、終盤に甲斐のアタックが止められると、そのまま近大の勢いに押されセットを落とした。最終第4セット、後が無い専大は水野永登(商4・岡谷工業高)を中心に粘り強いプレーを見せた。甲斐とマサジェディのスパイク、千葉貫世(経済4・東北高)のブロックポイントで得点したものの、近大の強烈なアタックや徹底したブロックによってリードを許してしまう。終盤はメンバーの入れ替えもあり、最後まで選手同士で声を掛け合う姿が見られた。しかし、相手の流れを切ることはできず、セットカウント1-3で敗戦し、4位入賞で大会を終えた。

 ▲試合終了後、涙を浮かべるキャプテン・甲斐に堀内大志(文4・日南振徳高)が駆け寄った


 個人賞として甲斐がベストスコアラー賞とサーブ賞を獲得した。

▲表彰式に出席した水野、千葉、甲斐


第1セットスターティングメンバー


OH: #1甲斐 #5堀内


MB:#2千葉 #11新居


OP:#23マサジェディ


S:#20森田


L:#7水野


 第1セットは近大を追いかける展開になった。序盤から高さと力強さのある攻撃に苦しみ、連続得点を許した。さらに徹底したエース・甲斐狙いのサーブが続き、高いブロックによってアタックのコースも絞られ、反撃の機会が中々得られなかった。それでもマサジェディのブロックアウトや新居良太(経済3・開智高)のクイックなど攻撃を使い分け、徐々に点を重ねた。15-21の場面で新居がセンターからアタックを決めると、森田慶(経営2・日南振徳高)の好レシーブをマサジェディがスパイクで決めるなど流れを掴み4連続得点。しかし、強烈なアタックですぐにサイドアウトを取られてしまう。終盤も攻撃のギアを上げる近大に追いつくことができず、21-25でセットを落とした。

▲レシーブをする森田


 第2セットは甲斐のレフトからのアタックから始まった。2-1の場面で水野がスーパーレシーブでつないだボールを甲斐がスパイクで叩き込むと会場から大きな歓声が上がった。その後は甲斐が膝から出血し、試合が一時止まるハプニングがありつつも、果敢に攻撃を仕掛けた。また、千葉を中心に堅実なブロックで相手のミスを誘い、新居の2連続ブロックポイントなど専大の持ち味であるブロックも冴え、流れを掴んだ。中盤からは、選手交代で近大のエースがコートに入り、相手の攻撃力がさらに勢いを増した。それでも、多様な攻撃を使い分け丁寧に1点、1点を重ねていき、最後は新居のクイックで25-22でセットを獲得した。

▲ブロックをする甲斐と新居


 第3セットは序盤から長いラリーを相手に制されたり、ブロックによって自身のミスを誘われ失点したりと流れを近大に持っていかれた。3連続得点を取られた2-6の場面で専大がタイムアウトを取ると、タイムアウト明けには千葉のクイックで相手の流れを断ち切った。その後は点を取り合う展開となったが、堀内の1枚ブロックポイントが決まるとチームの熱気が高まった。水野や森田の好レシーブもあり、粘り強いプレーから得点につなげる。中盤以降は甲斐の中心に点を重ね、12-13の場面で甲斐がサービスエースを決めると大きな歓声が巻き起こった。このままセットを連取できるかと思われたが、相手の猛攻は続き、19-21の場面で甲斐のスパイクが3枚ブロックで止められると一気に相手に流れが傾いた。専大はタイムアウトを取り切り替えを図った。しかし、相手に押される状況は変えられず連続得点を許し20-25でセットを落とした。

▲アタックをする千葉


 追い詰められた第4セット。専大は序盤から甲斐がサービスエースを取るなど、攻めの姿勢で戦い続けた。その後は甲斐やマサジェディのスパイクや相手のミスなどで得点したものの、近大のペースに乗せられてしまい、力強いサーブで乱され、多彩な攻撃で点を決められた。終盤からは選手交代を図り、堀内と交代で入った生田宗原(経済3・昇陽高)がレフトからのスパイクを決めるなど活躍を見せた。しかし、流れは変わらず、相手リードのまま試合が続いた。点差がついた状況でも諦めず、4年生を中心に声を掛け合った。堀内は「やっぱり最後の大会なので、後輩たちも楽しめるように、思い出に残るような試合にして欲しかった」と全員で楽しめるように意識していたという。最後まで粘り強いプレーを続けた専大だったが、相手の猛攻に追いつくことができず、18-25でセットを落とした。セットカウント1-3で敗れ、惜しくも3位入賞を逃した。

▲積極的に声を掛け合う選手たち


 試合を終え、全試合をスターティングメンバーとして戦い抜いた堀内は「怪我から復帰して、もう1回日本一になるっていう気持ちで、みんなで練習も自分自身リハビリもしてきたので、ベスト4という結果もそうだけど、やっぱりこの大会に出れたっていうのが1番嬉しい」と大会を振り返った。中大、法大、筑波大と強豪相手にフルセットの激闘が続いたことについては「体力は別に大丈夫だったが、足の怪我はまだ治ってない状態で6日連続で試合するのは正直きついところはあった」と苦しい状況だったと明かしたが、「みんなと楽しくバレーボールができたのでよかった」と笑顔を見せた。

 専大では甲斐や森田など同高出身のメンバーが多く、7年以上を共にした戦いも今試合が最後となった。「(日南)振徳組は本当にみんな仲良くて、休日も遊びに行ったりとか、練習終わったら一緒に帰ったりとか、一緒にご飯食べに行ったりとか、本当にずっと一緒にいた友達たち。離れるというのはやっぱり悲しいけれど、いつか年末とか地元に帰った時にみんなで集まって、バレーじゃなくても何かできればいい」と長年の戦友へ思いを馳せた。

 今大会は新居やマサジェディなど後輩の活躍も光った。「1番は楽しむことだと思うので、変に固くなりすぎずに、自分たちの本当にしたいバレーをしてくれれば普通に結果はついてくると思う」と自ら"エンジョイチーム"と称する専大バレー部らしく、「楽しむことを忘れないように頑張ってほしい」と後輩に向けてメッセージを送った。

▲試合後に集合写真を撮る選手たち


 全日本インカレは4位入賞という結果で幕を閉じた。

 目標にしてきた2連覇には届かなかったが、4年生たちの顔に悔いは見られず、すっきりとした笑顔で最後の学生バレーを終えた。

 

文=臼井千晴(文2)

写真=山中美琴(文3)、平野百々花(人間科学2)