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2013.11.04
剣道

第61回全日本学生剣道優勝大会 強豪相手に善戦するも1回戦敗退

 11月4日、日本武道館にて第61回全日本学生剣道優勝大会が行われた。先だって行われた関東学生剣道優勝大会において、全日本出場決定戦を勝ち抜いた専大も関東の代表として出場した。初戦で関西大会の優勝校と戦い、1-2と善戦したものの惜しくも敗れ、1回戦敗退となった。

 

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングテーマでの入場行進によって、会場に温かい笑いの起こる中始まった今大会。専大は開会式直後の第1試合の舞台に登場した。対戦相手は先の関西大会で優勝した関西学院大。間違いなく手強い相手、楽な試合にならないであろうことは明白だった。

 

 武道館一帯を緊張感が包み込み、全8会場で同時に第1試合が開始された。そんな緊張の中、先陣を切ったのは先鋒に抜擢された塚本薫(法1・浜名高)だった。塚本は1年生とは思えぬ堂々とした試合運びで互角の戦いを展開。一本を取ることこそできなかったものの、終始相手にペースを握らせず、引き分けへと持ち込んだ。

 

 その後も白熱した戦いが続く。次鋒戦、五将戦はともに引き分けに終わったが、どちらも一歩も引かない一瞬たりとも気の抜けない緊迫した試合だった。3戦連続引き分けという全くの互角で試合は進み、次第にどちらが先手を取るかが重要となる展開になっていった。

 

 そして迎えた中堅戦。出場したのは黒木総(経済4・福岡第一高)だった。前日の全日本剣道選手権大会での先輩方の活躍に刺激を受けたという黒木は、試合後に「自信しかなかった」と語ったように、試合開始直後から気合で相手を圧倒する。試合は一進一退の攻防が繰り返されたが、僅かだが確実に黒木が相手を上回った。冷静に決めたメンが決め手となり、貫録の一本勝ち。4年生として、闘う姿を後輩たちの目にしっかりと焼き付けた。

 

 ここで一気に畳みかけたい専大だったが、中々上手く攻め込むことができない。先に一勝したことで、むしろ固くなってしまったのかもしれなかった。原因は様々考えられるが、そんなことを呑気に考えている余裕はなかった。専大は三将戦、さらには続く副将戦までも落としてしまう。これが関西で優勝したチームの底力なのか、ここで一気に戦況をひっくり返されてしまった。

 

 残る大将戦を二本勝ちするしかないという窮地に立たされてしまった専大は、大将の佐藤裕己(経済4・麗澤瑞浪高)に全てを託した。試合に入った佐藤からは、これほどの逆境でも決して諦めない、という気迫が感じ取れた。しかし、やはり相手も大将を任されるほどの実力者だけあり、簡単には決めさせてもらえない。それだけでなく、一瞬でも気を抜けば、あっさりとこちらが決められてしまうという雰囲気さえあった。

 

 極度の緊張感が張り詰めた試合は、実際の時間間隔より圧倒的に長い時間を感じさせた。しかし、時計の針は狂うことなく、無情にも規定の5分を回ってしまった。その瞬間、今大会における専大の挑戦は終了を告げた。

 

 結果として、専大は1回戦敗退となってしまったが、手元に何も残らなかったわけではない。4年生たちはそれぞれに何かを得たはずだろうし、下級生はそんな先輩方の姿から多くを学んだはずだ。今大会での栄誉を勝ち取ることは叶わなかったが、次につながる何かを得たのなら、この敗戦は決して無駄ではないだろう。

 

 

以下は選手のコメント

 

黒木選手

「(相手と)力は大して変わらない。勝ちたいという気持ちが相手の方が少し上だった。(自分は)最後だったので、全部勝ちにいくつもりだった。個人的には次につながる試合になった」

 

 

(安江 祐輔・経済2)