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2024.06.29
卓球

【卓球部】 出澤が単複W優勝、野田は3位 関東学生選手権

〈令和6年度関東学生卓球選手権大会 6月27日 =埼玉県所沢市民体育館>


 大会は最終日に入り、シングルスの男子は7回戦、女子は6回戦が行われた。女子では出澤杏佳(文4・大成女子高)が2021年大会、3年ぶり2度目の優勝で初日の複合優勝とともに2冠を達成、男子では野田颯太(文4・育英高)が3位に入った。

▲単複どちらも優勝を果たした出澤。まさに他者を圧倒した



「向かっていく気持ちが勝因」    出澤が2度目の頂点で単複2冠

▲シングルス優勝は1年次以来、2回目となり、強者の実力を遺憾なく発揮


 強者の勢いは最終学年になっても止まらない。出澤が初日のダブルス優勝に続いてシングルスでも優勝を果たし、同大会で2冠を達成。シングルス優勝は1年次以来の2度目となり「一昨年と去年は優勝出来なかった。(優勝を)狙っていた中で優勝できたのですごく嬉しい」と喜んだ。

 「最初の方は対戦相手に合わせた戦術が出せなかった」と反省しつつ、決勝では圧巻のストレート勝ち。「優勝するつもりではあったが気持ちでは向かっていった、"挑戦者"のような心持ちが良かった」と勝因を語った。対戦相手となった相手は同じく1年次から中大の主力を担ってきた強敵の枝廣選手で「(対戦は今回で)4回目。いつも通り強かったけど、今日は気持ちが特に入っていた」。手の内を知り合う相手にも果敢に攻め込み、1セットも奪われず圧倒した。

▲決勝で対戦した枝廣選手とは5度目の対戦だった


  気持ちをいつもより強く持っていたことには理由がある。実は今日が22歳の誕生日。「負けたら周りも祝いにくいし、自分的にも嫌だったので(笑)」 と振り返る。結果的にW優勝というプレゼントで自らを祝い、「忘れられない誕生日になった。めちゃくちゃ嬉しい」と笑みが止まらなかった。22年目を迎えたエースはこれ以上ない結果で大会を終えることとなった。

▲自身22歳の誕生日を優勝という最高の結果で飾った


 早くも来週には大学日本一を決めるインカレを控える。「まだインカレで優勝がないので優勝したい」とラストイヤーの全国大会に覚悟をにじませた。平成27年以来の全国制覇に向け、エースであり主将でもある大黒柱はチームを引っ張り続ける。



野田が3位入賞も募る悔しさ  インカレで雪辱誓う

▲試合後、悔しさを露わにする野田。スコア以上に惜しい場面が多かった


 主将としての責任感から、悔しさで溢れた。「優勝しかないと思っていたので、この結果は本当に悔しい」。野田は声を絞り出した。シングルス・ダブルスともに「優勝」の一点張りで臨むも、初日のダブルスで惜しくも準優勝。最終日のシングルスへは並々ならぬ想いだった。その中で準決勝は「上がってくるなと思ってここが勝負だと思っていた」という日大・小林選手と激突。昨大会でも対戦するも1-4と歯が立たなかった因縁の相手だった。どのセットもラリーが続き、拮抗した熱戦を繰り広げるもわずかに及ばず。結果1―4で敗れるも「去年と1-4での負けとは全く違う。内容の手応えがある負けだった」と昨年からの成長を実感。しかし「手応えがあったからこそ、なおさら悔しい」と唇を噛んだ。

 ▲小林選手とは昨大会で対戦も惨敗。今年は昨年より追い詰めるもあとわずかに及ばなかった


 今日を迎えるまでのチーム内練習では左の選手と多く打ち合って対策を練ってきたが、「左には(武器の)サーブがあまり効かない。サーブの種類とか、レシーブもそうだけど戦術に幅がなかったと感じた」。結果を受け入れ、明らかになった課題を口にした。ラストイヤーで迎えるインカレは来週に開幕と、時間は限られている。「専修大学のキャプテンとしてこの結果に責任を感じる。(悔しさは)インカレで絶対に取り返せるようにしたい。気持ちを入れ直してやっていけるように」。主将は短く言葉を繋ぎながら、闘志を燃やした。

 個人戦で屈辱を味わったサウスポー。この悔しさはインカレで全てぶつけ、チームを導いてみせる。

▲この悔しさは必ず1週間後の全国の舞台で晴らす覚悟だ



ラストイヤーで初のランキング入り  福澤 勇太(人科4・杜若高)

▲福澤

(ベスト8という結果に対して)

「大学入ってから初めて(シングルスは8強以上でランキング入りする)ランクに入れたので自分の中では嬉しいです。(過去3年間でこの大会は)いつも64とか32とかの一歩手前で終わっていた。今回は組み合わせ的にはいけるのかなって思っていたので、良かったです」。

(同チームで同い年の野田との準々決勝は?)

「練習試合でも負けていて自分はけっこう苦手だったので、勝てたらいいなくらいだったので。(実際負けて)いつも通りだなっていう感じです(笑)。正直、練習でいつもやっている通りだったので、試合という風な感じはなかったです…」。

▲準々決勝は同胞の野田と対戦


(自分の状態の良さはあるか?)

「ダブルスに対しては昨秋に全日本2位になって自信があったんですけど、シングルスはあんまり調子が良い感じではなかったので。本当に8強に入れて良かったと思います」。

(来週からインカレが始まるが?)

「監督には出るかもしれないと言われた。もし出るときにとなった時にはチームのために頑張りたいなと思う。最近はずっと専大はベスト16止まりなので、それを越えられるようにしたい。抽選次第では上にいけると思うので、とりあえず16を越える、ランキングに入るってってところを目標にやっていきたいです」。



目標達成で笑顔の8強入り   陳ケ尾 真子(文3・和洋国府台女子高)

▲陣ヶ尾

(大会を振り返って)

「関東学生で初めてベスト16以上にいけた。組み合わせ表を見た時に勝ち上がれば準々決勝で出澤さんと当たるってわかって、そこまでいこうって思っていたので目標が達成できて嬉しいです」。

(出澤さんとの対戦はどうだったか)

「普段の練習から多く組ませてもらっているので、緊張はしなかったです。試合をして、さすが全日本王者という感じ、改めて強いなと実感しました。いざ点を取り合うってなると、一歩足りない。何をしたらいいかわからなくなってしまう感じでした。さすがでした」。

(第3セットは取ったがそこは?)

「出澤さんの戦術を考えたときに異質のラバーで押されたりするのが嫌だった。なので自分から攻められるようにするために、最初フォアで攻めてからラリーに持っていくようにしたら点が取れるようになったので、そこは良かったです」。

▲優勝した出澤(奥)とは準々決勝で相まみえた


(山場だと思った試合はあるか?)

「上がってくるだろうなと思っていた選手が思いのほか負けてしまって。裏裏型の戦術の人が来ると思っていた中で(来なかったので)気持ちを切らさず、できることをしようと思った。気持ちの切り替えがこの大会ではしっかりできたと思います」。

(今年で3年生。何か感じているものは?)

「3年目となって雰囲気も慣れてきて、1、2年生の時に比べて緊張もしなくなってきたし、1年生も強い子たちが入ってきて、負けないように引っ張れるようにやっていかないとなって思うようにもなってる。あとは(自分が)ちょっとずつ勝てるようになってきて自信がついてきたなというのはあります」。

(来週のインカレに向けて)

「16強に入った人もけっこう多いので、全国の強いところは増えるけど十分戦えるのかなと思う。このまま気持ちを切らさず、試合勘をもって練習に取り組んでいきたい。個人ではどこを任されても、全勝するつもりで戦いたいです」。





文=河上明来海(文4)   写真=髙野葵葉(文3) 、河上