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2024.05.16
野球

【野球】自力優勝消滅、次戦以降全勝を誓う

<令和6年度東都大学野球春季リーグ戦=5月16日 大田スタジアム 専大1-2東農大>

専大は首位浮上を懸けた東農大との天王山で勝ち点を献上し、自力優勝の夢が絶たれた。ここ一番で打ち崩すことはできず、あと2点を遠のけてしまった。初回の攻撃で先取したものの、それ以降は、わずか4安打で音沙汰無し。二度も得点圏にランナーを置いたがホームへ帰ってくることはなかった。

▲自力優勝が絶たれた瞬間。

▲初回に打点を付けた松永。


先制点は1回2死1、2塁で、打席に5番・松永知大(経済3・創成館)。力強く右前適時打を放つと、その間2走の1番・吉水真斗(経済2・松商学園)が快走し、この日は早々と1点に在りつく。

だが4回表、先発した肥沼竣(商4・加藤学園)が一気に崩壊。先頭打者に連打を浴びてから悪循環を断ち切ることができず、一挙2点を奪われた。

この裏、9番・山本和輝(経済2・静岡)の右安打で2死2塁のチャンス作るも、1番・吉水が三飛に終わり追加点とはならず。2点ビハインドで迎えた5回2死2塁の場面で1打席目にタイムリーを挙げた松永に回ったが中飛に倒れた。反撃の一打を待ったが快音は響かなかった。

最終回では7番・宮崎優斗(経営4・佐賀商)が右安打で先頭出塁を果たす。しかし、ネクストバッターで代打の森誠太(経営2・海星)の送りバントが、勢いよくピッチャー前に転がりダブルプレーに。あえなく1点差のまま試合が終了した。


▲肥沼は4回4安打を許してしまった。

▲初回にワンヒット放っていた吉水、ここは繋ぐことができず。

▲チャンス拡大を任された森だったが、まさかのゲッツーコースに。


背番号24は心底、5回の第3打席目を振り返る。「ランナー3塁の場面で打てず、やっぱり自分が打たないと。持っていかないとっていうのも、これまでの試合で分かっていたのでそこで一本出せなかったのが、こういう点になった」と打線に欠かせないパーツであるだけに、使命感を露わにした。「自分の結果はどうでもいいので、とにかく勝てるように全力を尽くす」。現在、リーグの首位打者は何よりチームに想いを馳せた。

▲松永自身、大きく悔やんだ中飛打席。


主将として小柴滉樹(経営4・佼成学園)もじっくりと結果を見つめる。「この点差でピッチャーに勝たせてあげることができず申し訳ない」と大きくうなだれた。けれども「試合を重ねるごとにバッティングの方は良くなってきている。前とはレベルが違う」「全員自信を持って戦える部分ではあると思う」と成長を実感してはいる。だからこそ、ここぞの場面で一本出せなかったことが余計に目立った。キャプテンの言葉はゲームの全貌を物語っている。「最後の森のバントは忘れられないけれど、その前に1点取れるチャンスがあった」。それから「自分自身、打てなかった責任を感じている」と内心を溢す。「切り替えるのはめちゃくちゃ難しいけれど、最後までしっかり戦わないと。少しでも可能性があるのであと2つ取っていきたい」。拭いきれない悔しさを抱えながら、言葉を振り絞った。

▲1本が出なかった小柴だったが、5回には見事な送りバントを披露した。


▲危なげな場面も耐えきった平田。

投手陣はエースが4回に逆転を許したが、5回からは平田健眞(経営4・専大松戸)がリリーフで登板し、無失点で切り抜けた。再三、崖っぷちに立たされたがピンチを乗り越え続けた。結果的に0で抑えられたものの内容は振るわず、「ボール球が多く、コースもアバウトすぎた」ほか、多くを反省した。「毎回3人で帰って来られていたら、もう少しバッティングにも流れがいったと思う」と守備からテンポを作れなかった。一方で「変化球は良かった」「前の試合では真っ直ぐで押していたので、変化球で逆をつけた」と6、7回から作戦を変更。特にカーブが良く決まっていた。次を控えた右腕の心は前向きで「全勝するしかないです。全勝して他の試合の結果を待つだけです」と迷うことなく言い切って見せた。

一部昇格を前に、この敗戦で大きな傷を背負ったがすべてを失ったわけではない。限りある確率に挑む覚悟でいる。

▲三者凡退で終えた際には笑顔も。


文=小山明香(文3)

写真=河上明来海(文4)