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11月28日から4年生最後の戦いとなる全日本インカレが始まる。甲斐兄弟にとって今大会が12年共に戦った2人の最後となる。今回はこれまでのバレーボール人生を兄弟で振り返ってもらった。
▲インカレへ向けてそれぞれの決意を書いてくれた
ーーバレーを始めたきっかけはなんですか?
孝「親のバレーについて行って、正式には小学校2年生の時に入部しました」
優「自分は半強制的に小学2年生の時に入ってました。いやいややりながらやってたらいつの間にか」
孝「僕は遊び半分でやっててその流れで入りました」
と時々笑みをこぼしながら、バレー人生の原点を振り返った。また、高校で注目を浴び始めた2人だがなぜ日南振徳高校を選んだのか、その後専大に進学したのだろうか。
孝「親が(日南振徳の)監督の教え子だったので、そこで決めました。専大を決めた理由は、高校の監督が専大の監督と繋がりがあったみたいなので、もうそこに行けってかんじですね」
優「自分もほぼ同じですね」
と進学の決め手を話した。両親の繋がりが、2人のバレー人生の分岐点だった。また、兄弟で同じ競技をしていることについても話を聞いた。
孝「小学校の時は喧嘩ばっかだったんですけど、高校からは尊敬、頼りにしてる存在」
優「自分は兄について行ってるだけです。自分の道を作ってくれる存在なのかなという感じ」
お互いが尊敬でき、兄弟が頼りあっている存在なのが伺えた。また、普段バレーの話をするかどうかという質問に対してはお互い笑いながら「しないね」と答えた。
▲遠征が多く離れている時間が多かったが連絡はあまり取らなかったそうだ
ーーお互いの尊敬しているところ、直して欲しいところはありますか?
孝「尊敬しているところはやっぱり点を決めてくれてこっちは助かっているってところで、直して欲しいところは特になにもしてないんで、なんかやったほうがいいんじゃないかな。日常的なことで」
優「尊敬してるところは日南振徳っていう誰も知らないところで活躍できたことで、直して欲しいところは特にないです」
と答えた。兄からの何かした方がいいということについて弟は「外に出るのは好きじゃないんで寝てるだけです」と否定的に笑いながら答えた。お互いの強み弱みを聞くと
孝「優人の強みは高さで弱みはレセプションを頑張ったほうがいいと思います」
優「決まらなくなったらとことん決まらなくなるから直して欲しい。強みはどんな場面でも攻めてるところは強みなのかなと」
ーー専修大学バレーボール部はどんなチームですか?
孝「自由人が多くて、まぁ、団結って言葉が似合わないのかなって感じです」
優「今言った通りなのかなって。自由すぎるくらい。ほんとまとまりが無いチームなのでそれもまぁ1つのチームなのかなって」
孝「団結したら強いんですけど専修のバレースタイル自体がもう個人の技術でやるって感じなんで、良い言い方をすれば型にはまらないバレーをしてるのかなと思います」
自由なチームと2人で口を揃えて答えた。また、この質問の際弟は「自分が決めれば勝てる試合は勝てる」とエースとしての自覚を宣言した。チームの上下関係について聞くと
孝「上下関係は多分関東1部の中でも1番ないのかな。締りがないって言うか、自由にやってる分なんでも言い合える環境なのはいいのかな」
優「上下関係は無いに等しいぐらいなので、それで言いたいことが言えるのでいいのかなと」
と自由な雰囲気な専大だからこその上下関係を話した。
▲個人のプレーが光る専大バレー
ーー小学校から大学まで一緒に戦ってきて思うことはなんですか?
孝「小学校からずっとやってきてるのでその成長過程っていうのは多分一番わかってるので、今が1番なのかな。頼りになったという感じ。高校に入った当初と高3で卒業する前のプレーをみると高さだったり、威力だったりがもう全く違う感じでした」
優「監督に言われてたことをやったらいい感じにジャンプ力が伸びました。(高校で)基礎的な筋力だったりが自分に足りないものを色々教えてくださったのでそれが今に生かされてるのかな」
幼いころから共に戦ってきた中での弟の成長を振り返った。弟から見た兄は
優「小学校からセッターをやってたから大学でもセッターをやると思ってたんですけど、なぜかOPになってスパイクとか打っていたんで今後もOPをやると思う。喋らなくても大体言いたいことはわかるのかなと、長くやってきて築き上げたものなのかな」
と、長年同じチームで戦ってきたからこその信頼を話した。兄にセッターを今後やりたいかを聞くと「やりたいとはあまり思わない、今がとても楽しいので」とこれからもOPとしてプレーすると話した。
ーー1番印象に残った試合はなんですか?
孝「小学校は喧嘩しかしてこなかったイメージしかないからあまり覚えてない。そんな成績が良かったわけでもないし」
優「そうですね」
孝「これといったものはないです。多分、個人での方があると思います。2人って感じじゃなくて。去年の東日本インカレのときに3位になったくらい」
中高では1年間しか同じコートでプレーする機会がなかったからなのか、あまり思い出はないと話した。
ーー大学最後のインカレについて、兄・孝太郎に聞いた
記「最後のインカレですがどのように挑んでいきますか?」
孝「やっぱり、去年のインカレの1回戦負けがあるので、まずは優勝というよりは1戦1勝、ちゃんと自分たちのバレーボールをしていけたらと思ってます」
記「目標としては?」
孝「日本一ですね」
記「兄弟でできる最後の大会だと思うんですけど、このことについては何か思っていることはありますか?」
孝「まぁ、寂しい気持ちもあるんですけど、やっぱ自分の道っていうか、そういうのがあるのでお互いがどれだけ成長していけるのかっていう楽しみはありますね」
記「見てほしいプレーはありますか?」
孝「自分はバックアタックが得意なので、そこを見てほしい。チームとしては優斗のプレーであったり。全日本に入っている選手なのでそこをいろんな人に見てもらって、優斗以外でも強いんだよみたいな、そういうとこも見てほしい」
大学最後のインカレについて去年の敗退を胸に勝利への貪欲さを話しながらチームの強さや魅力を語った。
▲インカレではバックアタックだけでなくサーブも注目である
ーー兄弟での最後のインカレについて、弟・優斗に聞いた
記「兄弟で挑む最後の大会ですがどのような気持ちで挑みますか?」
優「1戦1戦勝ちにこだわっていければいいかなと思います」
記「何か特別な思いはありますか?」
優「最後っていうのはもちろんあるけれど、ただただ勝てればいいのかなって」
記「インカレで見てほしいプレーなどありますか?」
優「自分たちが楽しくやっているので、それを見て楽しんでもらえたら。個人としては、サーブを武器にしているので、サーブに注目してほしい」
記「目標を教えてください」
優「ベスト4から優勝っていうのを目標にしているんですけど、そこにあまり意識せずに、1試合1試合を勝ち進んでいければいいかなと思います」
とネーションズリーグやW杯バレーでも輝きを見せたサーブを武器にあげた。また、兄弟共に目標以前に目の前の試合に勝っていくことを何度も口にしインカレについて語った。
▲サーブ以外にも代表で鍛えられたレセプションにも注目である
28日から開幕するインカレが兄弟最後の戦いとなる。少しでも長く、そして高みへ向け1戦1戦臨んでいく。
文=山中美琴(文1)
写真=山中美琴(文1)、高橋奈月(文1)