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<第309回日本体育大学長距離競技会=11月12日 日本体育大・健志台キャンパス 陸上競技場>
▲ゴール直前、力を振り絞る粟江
12日に行われた日体大記録会の5000m最終組に出場した粟江倫太郎(経営4・三浦学苑)が、14分15秒89をマーク。久々となった試合で自己記録を更新した。
「うーん。やっぱ悔しいなって感じですね。13分台狙ってこのレース来ていたので」と粟江はレース後に素直な悔しさを語った。直近の練習では13分台を十分に狙える手ごたえを感じており、レースでも序盤は冷静に集団後方からペースを上げていこうと企てていたが叶わなかった。「スピードにフォーカスしすぎてしまって、持久力ってところがちょっと足りなかったのかなという。やっぱ今日の3000mから落ちてしまったところに繋がった」とレースを分析した。
▲序盤から積極的な動きは体が固まると判断し、序盤は冷静に進めていた
今シーズンはケガに悩まされた。春先から夏の初めにかけて大きな試合に絡むことはできず、本格的に走り出したのは8月末から。先月の予選会ではエントリーメンバーから外れ、貢献することが叶わなかった。
「(予選会では)僕たちが思っている以上に他の大学が早すぎた。何をどうしても勝てなかったなという、純粋な力負けってところですし、やっぱりその舞台で戦えなかった自分が悔しかったっていうのと、後輩たちに背負わせてしまったという自分の足りなさだった」。
▲今夏の1次合宿、別メニューで調整を行う粟江
▲予選会後、顔を上げることができなかった(右)
3年次の箱根駅伝予選会ではチーム8番手で3年連続の本戦出場へ貢献し、本戦では6区を走り区間7位の力走を披露。前年に同じく6区を走った高校・大学の先輩、横山佑羽さん(令4卒・三浦学苑)に憧れを抱き続けてきた粟江にとって、最高の結果でチームを引っ張った。
▲本戦で6区を走る粟江
粟江は大学で現役を引退する。前回の箱根駅伝後は一時、実業団で競技を継続することを考えたが、悩まされたケガとも葛藤しここで幕を下ろすことを決意した。しかし、決して悲観的ではない。陸上を「好きのまま終えられれば良いな」という考えのもと、前向きな決断だ。
レースについては悔しさを残したが、その表情にはどこか清々しさが見えた。
「最後、去り際どう去っていくかが大事だと思いますし、自分がやってきたことをどう残すかであったり、練習の姿とか見て何か感じてくれる後輩がいればいいなと思っています」。残された僅かな時間で後輩へ思いを繋ぎ、4年間、箱根を目指したチームとの別れを迎える。
文・写真=相川直輝(文4)